続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)⑭+

2020-07-14 07:21:01 | 飯島晴子

   さるすべりしろばなちらす夢違ひ

 さるすべりが白い花を散らしたら、お払いのようである。ならば悪夢を、きっと善夢に変えてくれるに違いない。

 さるすべり(猿滑)はエン・カツと読んで。縁、割。
 しろばな(白花)はハク・カと読んで、迫、過。
 ちらす(散)はサンと読んで、惨。
 夢違ひはム・イと読んで、夢、畏。
☆縁(関わり)を割(切りさく)。
 迫(苦しめる)過(あやまち)。
 惨めにも夢で畏(怖れ怯える)。


『飯島晴子』(私的解釈)⑬+

2020-07-14 06:55:44 | 飯島晴子

   玉葱はいま深海に近づけり

 玉葱は深い海の底には沈まない。水中に浮く映像を見たことがある、まして海は潮水であればなおさらである。
「玉葱はいま深海に近づけり」とは暗黙の不条理である。

 玉葱はタマ・ソウと読んで、魂、喪。
 いま(今)はコンと読んで、恨。
 深海はシン・カイと読んで、心、壊。
 近づけり(近付)はキン・フと読んで、軽、風。
☆魂(精神)を喪(失くすと)恨みの心は壊れて軽くなる風である。

 玉葱はタマ・ソウと読んで、痕、総。
 いま(今)はキンと読んで、襟
 深海はシン・カイと読んで、真、戒。
 近づけり(近付)はキン・フと読んで、禁、婦。
☆痕(傷跡)は総て襟(心の中)にある。
 真(本当のわたくしは)、戒(いましめ)禁(慎む)婦(おんな)である。


R.M『発見』

2020-07-14 06:27:47 | 美術ノート

   『発見』

 裸婦である、その肉体に木目が描かれている。人体が次第に木目(木材)に変容していく。通常なら決して結びつかない物理変化である。
 ただ、母親の死に直面した幼いデュシャンの目に映った母の死は、すでに木箱(棺)に納められた姿だつたのだと思う。
 あの木箱の中に母がいる。母は死んで木箱の中にいる。木箱は母になり、母を思うと木箱が浮かぶ・・・。デュシャンの胸に刻まれた衝撃の映像はそのまま物理界の法則を超えて精神的な因果に定着したのだと思う。
 
 理屈抜きの真実というものが個人の歴史の中に刻まれることはママある。誰か、たとえば鑑賞者に向かって理解を得ようとして描いているのではない。わたくしデュシャンの記録であり真実を、胸の中に押しとどめていた真実を画家の宿命としてここに記録されねばこの先(未来)へ進むことは難しい。

 決して忘れない、この強い思いが沈黙を打破し、この画を描かせたのではないか。
《解釈無用!》烈しい吐露は人を寄せ付けない。


 写真は『マグリット』展・図録より


『やまなし』30.

2020-07-14 06:19:40 | 宮沢賢治

 その横あるきと、そこの黒い三つの影法師が、合わせて六つ踊るやうにして、山なしの円い影を追ひました。


☆往(人が死ぬ/その後)の態(ありさま)を告げる。
 算(見当をつけて)詠む封(閉じた)詞(言葉)を合わせて録(文字に書き記している)。


『城』3458。

2020-07-14 06:08:02 | カフカ覚書

もしあなたがそういうことを問い合わせるためにクラムのところへ出かける勇気がないとしても、また、ひょっとしてクラムがそれよりはるかに重要な質問のためでもあなたを引見してくれないかもしれなくても、さらに、クラムがあなたにたいして完全に門前払いをくらわすとしてもー


☆このような問い合わせをクラムのところへ行き、敢えてすべきではないとしても、ひょっとしたら最重要の問い合わせに、請け合ってくれなくても、まったく打ち解けなくともです。