続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)きつねのかみそり。

2020-07-21 07:44:24 | 飯島晴子

   きつねのかみそり一人前と思ふなよ

 きつねのかみそりの花は茎が伸びていきなり花が咲く。けれど、早春の内に出る葉が光合成により栄養を作り根にためる、ところが葉は夏には枯れてしまう。キツネノカミソリの花はその葉のおかげで咲くのである。だから…花は一人前と思ってはいけない。

 きつねのかみそり(狐剃刀)はコ・テイ・トウと読んで、孤、態、蕩。
 一人前はイツ・ニン・ゼンと読んで、逸、人、全。
 思ふはシと読んで、止。
☆孤(ひとり)の態(ありまさ)は蕩(だらしがない)。
 逸(気楽な)人は全て止(そのままである)。

 きつねのかみそり(狐剃刀)はコ・テイ・トウと読んで、個、訂、套。
 一人前はイツ・ニン・ゼンと読んで、逸、認、全。
 思ふはシと読んで、詞。
☆個(一つ一つ)訂(文字をただし)、套(隠れていたもの)を認(みわける)。
 全ての詞(言葉)において。


『飯島晴子』(私的解釈)㉑+

2020-07-21 07:16:15 | 飯島晴子

   孔子一行衣服で赭い梨を拭き

 孔子一行の衣服は赭い。赭は赤土の色、赭い梨は黄褐色。中国というと赤がメインカラーのようだけれど、孔子一行の衣服は赤土、黄褐色の地味で質素な着衣だったのではないか。衣服と梨に重なる彩色がある。(赤は、真心、何もない、の意)

 孔子一行はコウ・シイツ・コウと読んで、交、思、逸、恒。
 衣服はイ・フクと読んで、畏、腹。
 赭いはシャと読んで、謝。
 梨はリと読んで、詈。
 拭きはショクと読んで、殖。
☆交わる思いが逸(隠れている)。
 恒(つねに)畏(怖れる)腹(心の中)。
 謝る詈(悪口)の殖(積み重ね)。

 孔子一行はコウ・シ・イツ・コウと読んで、恒、詞、逸、考。
 衣服はイ・フクと読んで、畏、複。
 赭いはシャと読んで、写。
 梨はリと読んで、裡。
 拭きはショクと読んで、嘱。
☆恒(常に)詞(言葉)に逸(隠れている)。
 講(話)は異なる複(二つ以上)を写(映し出す)。
 裡(心の内側)に嘱(委ねる)。


R.M『軽業師の休息』

2020-07-21 07:01:10 | 美術ノート

   『軽業師の休息』

 普通の人が出来ないような身体能力を発揮し、それを生業とする。観客は「一体あの人の身体はどうなっているのだろう」と首を傾げつつも心服、感動してしまう。
 もちろん、普通の人と異なる身体を持っているわけではなく全く同じである。にもかかわらず、あたかも身体がバラバラになっているような動きさえ見せるのは訓練されたテクニックに因るもの以外の何物でもない。

 しかし彼もしくは彼女は考える、本当にバラバラであればどんなに楽であるかと。
あり得ない動きを要求される軽業師の苦悩は、有り得ない動きを夢想する休息の中でしか解放されることはないのかもしれない。

 観客の眼差しを誤作動させる、錯覚に導く手法は非現実の夢想(休息)のなかでのみ可能となる。彼らはそこを行き来する幻想に身を委ねている。


 写真は『マグリット』展・図録より


『城』3463。

2020-07-21 06:30:50 | カフカ覚書

そのくせ、そんな秘密はけっして口外しない人なんですから。そうですわ。むしろ、あの人のまわりで秘密がもれてしまったとなると、あの人は、自分でも平気でその話をするようになります。が、ごく控えめに話し、なにか特別な主張をするわけではなく、すでにだれもが承知していることをむしかえすだけのことにすぎません。


☆彼女が話すことは決してありません。このような秘密は話すことはありません。彼女の周りでは秘密自体が話してしまうのです。先祖の傷痕を話してしまうと、もちろんあとは全然恐れることはありません。そもそも主張することはなく、彼らは、そうでなくとも一般によく知られたことを集めているに過ぎないのです。