続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)さくら鯛。

2020-07-25 06:48:47 | 飯島晴子

   さくら鯛死人は眼鏡をふいてゆく

 さくら鯛、桜の咲く季節にいちばんよく捕れる魚。死人、亡夫に限ってこの言葉を使っているのだと思う。
 さくら鯛、名前からして購買意欲をそそる、買ってみようかと思い惑う。でもその時ふと死人(亡き夫)が「ちょっと待て、さくら鯛が太っているのは子を孕んでいるからで、身は痩せている」と、(眼鏡を拭いてゆく)つまり、「よく見なさい」と言っていたことが過った。

 さくら鯛(桜鯛)はオウ・チョウと読んで、往、弔。
 死人はシ・ジンと読んで、覗、沈。
 眼鏡はゲン・キョウと読んで、厳、況。
 ふいてゆく(拭行)はショク・コウと読んで、燭、光。
☆往(人の死)の弔(とむらい)に伺うと、沈んで厳しい況(ありさま)だった。
 燭(ろうそくの灯り)だけが光(輝いていた)。

 さくら鯛(桜鯛)はオウ・チョウと読んで、翁、帖。
 死人はシ・ジンと読んで、詞、尋、
 眼鏡はゲン・キョウと読んで、験、興。
 ふいてゆく(拭行)はショク・コウと読んで、殖、考。
☆翁の帖(ノート)には、詞(言葉)を訊(問いただす)試みや興(おもしろみ)を殖(積み重ねる)考えがある。