続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)白山茶花。

2020-09-02 07:19:37 | 飯島晴子

   白山茶花枢の角で散らしけり

 白山茶花、白は言う。山茶花は、山のように盛り上がった話で茶化す。つまり、白(言う)、山のように盛り上がった冗談で、枢(重要なところ)の角(事を荒立てること)を、散らしてしまったことであるよ。

 白山茶花はハク・サン・サ・カと読んで、博、算、査、何。
 枢はスウと読んで、数。
 角はカドと読んで、過度。
 散らしけりはサンと読んで、散。
☆博(大きく広げ)算(見当をつけ)査(調べると)何(いずれか)がある。
 数(巡り合わせ)の過度(多さ)、散(ご自由に)。

 白山茶花はハク・サン・サ・カと読んで、迫、惨、蹉、過。
 枢はスウと読んで、数。
 角はカクと読んで、覚。
 散らしけりはサンと読んで、懺。
☆迫(苦しめる)惨め、蹉(躓いた)過(あやまち)。
 数(巡り合わせ)を覚(悟り)、懺(罪の赦しを乞う・悔いる)。
 


『飯島晴子』(私的解釈)59+

2020-09-02 06:51:01 | 飯島晴子

   白馬の四肢の静脈露犇と

 白馬の四肢の静脈がひしめくのが露見したという句であるが、『飯島春子の百句』(奥坂まや・著)を何気なく読んでいて、ここに至ってようやく気付かされたのである。

 吐く目(ねらい)は、詞(言葉)で諮(図っている)。
 省(注意して見ると)三役(三訳)露(現れる)。
 翻(形を変えて作り変えること)である。

《三訳》、表面上(中心)の談、そして他にも二つの訳があるということに。
 1から57までを読み直し、それを実感したけれど、驚くべき深さである。
 全体読み手を煙に巻くような妖しさがあり、この難問に改めて凄い人だと感じ入っている。

 ちなみにわたしが一番好きな句は
《橡の花きつと最後の夕日さす》飯島春子の一貫した考え、人は皆平等だという信念、優しさに心打たれます。
 これからはゆっくり、上等なお菓子を頂く気持ちで味わいながら読んで行くつもり。上等すぎて天上の食べ物という感じです。


R.M『夏』

2020-09-02 06:30:30 | 美術ノート

   『夏』

 夏=解放である。何もかも脱ぎ捨てて自由になるイメージを伴う。
 しかし、この画で見る限り集合住宅(ビル)の個々の部屋の窓は閉ざしている。閉じられたカーテン、部屋は明るさをもたないが、どの部屋においても事情は同じである。石壁の頑丈な建屋に守られた個々の生活、人は籠っているのだろうか。

 雲のある青空が旗の中に切り取られ、空中で風になびいている。幻想としての夏空だろうか、否、夏空でさえもないかもしれない。

 要するに「夏」の条件が欠けている。夏であることをこの画から感じるのは困難である。にもかかわらず、『夏』とタイトルしている意図は何だろう。

《矛盾》《不条理》、鬱屈した反旗。静かに見える生活は青空の自由をこそ熱望しているのではないか。支配、規制からの脱出をこの旗は象徴しているのではないか。
 無言の告発、無言の抵抗、市民は『夏』の解放を! 沈黙の叫びが聞こえる。


 写真は『マグリット』展・図録より


『注文の多い料理店』26.

2020-09-02 06:21:50 | 宮沢賢治

「これはぜんたいどういふんだ。」ひとりの紳士は顔をしかめました。
「うん、これはきつと注文があまり多くて支度が手間取るけれどもごめん下さいと斯ういふことだ。」


☆真(まこと)の詞(言葉)を含んでいる。
 衷(心の中)を問う。
 多くの詞(言葉)を析(分け)趣(ねらい)を換(入れ替えると)殊(異なる)姿(様子)になる。


『城』3490。

2020-09-02 06:09:11 | カフカ覚書

噓よ。あなたは、フリーダの顔も見なかったのでしょう。クラムの愛人だと、フリーダに言われただけなのよ。あなたには、それが初耳だったばかりに効果を発揮したのですわ。


☆いえ、いえ、彼女は全く明眸なんかないわ。彼女にクラムの愛人だと告げられただけでしょう。あなたには、それが新しい基だったので、ショックを受けただけでしょう、無益なことです。