続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

ホッパー『ミシンの少女』

2020-11-03 07:49:01 | 美術ノート

   『ミシンの少女』

 少女は懸命に何かをミシンで作っている。下着のような着衣は、縫っているドレスの試着を急ぐためである。
 窓から差し込む光、清明な外の空気に比してこの部屋は燃え上がる熱い激情が漂う。少女の情熱は《これを縫い上げたらあの人に会い、シンデレラになる》という妄想の膨らみで赤く染まるほどである。壁にかかるフレームは彼のポートレートが入っているのかもしれない。試着はすぐに確認、大きな化粧台付きの鏡は背後にある。

 熱い思い…夢を形にと急ぐ少女の胸のトキメキ。少女の成熟は時を待たない。


 写真は『HOPPER』(世界の巨匠/岩波書店)より


『飯島晴子』(私的解釈)墓霧に。

2020-11-03 06:11:02 | 飯島晴子

   墓霧に懶かりける手足かな

 お墓は霧に包まれている、もちろん視界は霧中である。墓との距離を測りかね、手足は迷いを生じ瞬時、幻(幻夢)を泳ぐ人になってしまった。

 墓霧はボ・ムと読んで、募、夢。
 懶はランと読んで、婪。
 手足はシュ・ソクと読んで、取、息。
☆募(つのる)夢を婪(むさぼり)取(自分のものにした)息(息子)である。

 墓霧はボ・ムと読んで、簿、謀。
 懶はランと読んで、覧。
 手足はシュ・ソクと読んで、須、側。
☆簿(ノート)の謀(図りごと)を覧(よく見ると)、須(必要とするもの)は側(傍ら)にある。