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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)家にゐる。

2020-11-17 07:32:30 | 飯島晴子

   家にゐる父匂ひなく麦乾く

 働き盛りであるはずの父が家に臥している。匂い(気配や風情)もなく、麦乾く(最終段階)に入っている。過酷な胸つまる慟哭のシーンである。

 家にゐる(家居)はカ・キョと読んで、夏・去。
 父匂ひなく(父匂無)はフ・ニオ・ムと読んで、普、匂、無。
 麦乾くはバク・カンと読んで、莫、感。
☆夏が去り、普く匂い(気配)無く、莫(空しく寂しい)感じである。

 家にゐる(家居)はカ・キョと読んで、苛、嘘。
 父匂ひなく(父匂無)はフ・ニオウ・ムと読んで、怖、仁王、務。
 麦乾くはバク・カンと読んで、縛、監。
☆苛(むごい)噓を怖れる。
 仁王さまの務めである縛(罪人をしばる)監(見はり)がある。


『飯島晴子』(私的解釈)やっと死ぬ。

2020-11-17 07:17:40 | 飯島晴子

   やつと死ぬ晩夏の梅林

 夏も終わりになって、ようやく生気が無くなった梅林である。辛うじて(やっと)再びの春に向けての準備に入ったかもしれない。

 死ぬはシと読んで、詞。
 晩夏はバン・カと読んで、番、仮。
 梅林はバイ・リンと読んで、媒、輪。
☆詞(言葉)の番(組み合わせ)を仮に媒(仲立ち)とし、輪(順番に回す)。

 死ぬはシと読んで、視。
 晩夏はバン・カと読んで、万、禍。
 梅林はバイ・リンと読んで、黴、霖。
☆視(よく見ると)万(なんとも)禍(災い)である。
 黴(かびている)霖(長雨)。


『飯島晴子』(私的解釈)春の航。

2020-11-17 06:56:54 | 飯島晴子

   春の航わが紅唇を怖ぢにけり

 春、船で水上を渉るのは、何かあったらと思うと生きた心地がしない、春の水はまだあまりにも冷たいはずだから。

 春の航はシュン・コウと読んで、悛、交。
 わが紅唇(我紅唇)はガ・ク・シンと読んで、俄、苦、震。
 怖ぢにけりはフと読んで、腑。
☆悛(過ちを正す)交(交際)の俄(にわかな)苦しみ、震(ふるえおののく)腑(心の中)である。

 春の航はシュン・コウと読んで、俊、巧。
 わが紅唇(我紅唇)はガ・ク・シンと読んで、画・苦・新。
 怖ぢにけりはフと読んで、風。
☆俊(優れている人)の巧みに描く句は、新しい風(趣・傾向)がある。


『城』3538。

2020-11-17 06:30:37 | カフカ覚書

こうしてたえず幻滅ばかりしているために、疲れはててしまいました。自分にできるだけの仕事もできずに終わってしまったのも、もしかしたら、そのためだったかもしれません。わたしは、ちょっとでも暇ができると、二階の廊下のところに駈けあがり(従業員がここに立ち入ることは、かたく近似られていたのですが)、壁のくぼみに身をぴたりと押しつけて待っていました。。


☆こうして尽きない幻滅に非常に疲れてしまいました。彼の策略、すこしのチャンスがあっても(従業員は外への道は固く禁じられている)壁の亀裂に来世の苦悩が待っていました。