続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)村に父。

2020-11-19 07:02:57 | 飯島晴子

   村に父秋の畳の浮きあがる

 抽象的な時空である。回想の父、人生の秋であったのかも…しれない。秋の日差しは突然のように低くなる。部屋に射しこむ陽光、畳が浮き上がって見え、同時に軽くなった父さえも・・・。幻影の中の父、村の光景は秋の光のなかに溶解している。

 村に父はソン・フと読んで、尊、諷。
 秋の畳はシュウ・ジョウと読んで、習、常。
 浮きあがる(浮上)フ・ジョウと読んで、普、醸。
☆尊い諷(暗誦)の習い、常に普く醸(時間をかけて醸し出している)。

 村に父はソン・フと読んで、存、二。
 秋の畳はシュウ・ジョウと読んで、終、常。
 浮きあがる(浮上)はフ・ジョウと読んで、付、状。
☆存(考える)二つ、終りには常に付(任せる)状(ありさま)がある。


R.M『快楽』

2020-11-19 06:25:40 | 美術ノート

   『快楽』

 純白の襟飾りや裾飾り(正装である)、鳥を貪り食う手は少女のしなやかさがある。なんというギャップだろう、彼女は羽のついた鳥の生き血を吸っている。顔には少女の初々しさはなく女の顔であり、タイトルの『快楽』である至福(悦楽)の態である。
 少女から大人への変貌はこれほどにおぞましいものであったのか。

 背景の樹は周りの空気に溶解し、樹である本質を失っている。
 様子を伺いつつ顔を背ける四羽の鳥たちは、彼女の背後でその瞬間に神経を集中させ、しかも悟られないように固まっているかのようである。鳥たちの正体は分からないが、少女に食われているのは鳥(仲間)であるが、同じ種類ではなく鳥類である。

 この関係をどうとらえたらいいのだろう。王冠をつけたような華やかな鳥、小鳥、羽の抜けた老体のような鳥、王冠をつけた鳥と同種の彩色を施された上部(顔)がカットされた鳥・・・彼女の親(父母)、食われている鳥の親(父母)の四羽だろうか。食われているのは男の化身かもしれない。

 男と女、女の正体の底知れぬ強さ、恐ろしさ。『快楽』の極致、女の笑い声と男の悲鳴。快楽は一方的な暴力なのだろうか。
 少女が女に変貌するときの狂気、それを誰も知らない。

 写真は『マグリット』展・図録より


『城』3540。

2020-11-19 06:16:24 | カフカ覚書

どんなに重くても、へこたりはしないだろう〉と、胸をはずませていました。しかし、クラムは出てきませんでした。二階の廊下は、ひっそりしずまりかえって、実際そこへ行ったことのない者にはとうてい想像もつかないほどでした。


☆これらがどんなに負担であっても、どんなに大きくても、崩れることはないでしょう。でも、クラムは来ませんでした。この通路は静まり返り全く来世(本当の死)の手前でもありませんでした。