自分の日常など余りに些細で、飯島春子など読んでいると書くに及ばずの感があり、消してしまう。でも誰のために書いているのかを考えると、唯一自分のためである。読んでもらえればありがたいが、人の眼差しを意識の外に書く。その初心を考えれば、「こんな些細なこと書いてごめんなさい」と見えない相手に気を使いすぎるのはおかしい。
体力が落ち、よろよろ家事をこなしているわたし、74才のお婆さんの日常を愚痴りながら記録していく。恥ずかしがることもないと思いなおしている。
コロナ禍でのマスク生活で、口紅をつけたのは一年余りのうちたった二度。化粧を忘れ、身づくろいを忘れ、履き古した運動靴でそそくさと惣菜の買い出し、そんな日常。最も顕著なのは《物忘れ》で、忘れたことを忘れるボケ老人と化している。だからこそ・・・。