続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)顔の隈。

2021-03-02 16:02:43 | 飯島晴子

   顔の隈遅き菫の吹きすさび

 顔の隈はガン・エと読んで、贋、絵。
 遅き菫はチ・キンと読んで、知、近。
 吹きすさび(吹荒)はスイ・コウと読んで、衰、肯。
☆贋の絵は知(判る)。
 近くでは衰(勢いがなくなるので)肯(うなづく)。

 顔の隈はガン・エと読んで、雁、回。
 遅き菫はチ・キンと読んで、質、禽。
 吹きすさび(吹荒)はスイ・コウと読んで、吹、幸。
☆雁は回る質(性質)がある。
 禽(鳥類)は吹く(風が吹くこと)が幸いである。

 顔の隈はガン・エと読んで、眼、廻。
 遅き菫はチ・キンと読んで、致、筋。
 吹きすさび(吹荒)はスイ・コウと読んで、推、講。
☆眼(かなめ)は(元に戻るように)致(行きつかせる)筋(筋)であり、推しはかる講(話)である。
 


『飯島晴子』(私的解釈)菫咬む。

2021-03-02 15:31:02 | 飯島晴子

   菫咬む山姥の歯の日ぐれにて

 菫咬むはキン・コウと読んで、金、光。
 山姥はサン・ボと読んで、燦、墓。
 歯の日ぐれ(歯日暮)はシ・ジツ・ボと読んで、私、実、母。
☆金(美しい)光が燦(きらきら光る)墓は、私(わたくし)の墓である。

 菫咬むはキン・コウと読んで、禁。坑。
 山姥はサン・モと読んで、惨、模。
 歯の日ぐれ(歯日暮)はシ・ジツ・ボと読んで、覗、実、墓。
☆禁じられた坑(鉱物を掘るために地に掘ったあな)は、惨(むごい)模(ありさま)である。
 覗くと実に、墓である。

 菫咬むハキン・コウと読んで、襟、交。
 山姥はサン・ボと読んで、三、募。
 歯の日ぐれ(歯日暮)はシ・ジツ・ボと読んで、詞、実、簿。
☆襟(心の中)に交(入り組む)三つを募(広く求める)。
 詞(言葉)の実(内容)は簿(ノート)にある。


『飯島晴子』(私的解釈)夏蕨。

2021-03-02 14:28:56 | 飯島晴子

   夏蕨骨の中にも折れてをり

 骨はコツと読んで、乞。
 中はチュウと読んで、紐。
 折れてをり(折居)はセツ・キョと読んで、折、踞。
☆夏の蕨は、乞(物乞いでもするように)紐が折(折れ曲がり)、踞(うずくまっている)。

 夏蕨はカ・ケツと読んで、歌、傑。
 骨の中はコツ・チュウと読んで、骨、衷。
 折れてをり(折居)はセツ・キョと読んで、節、拒。
☆歌に傑(優れた人)の骨(品格/人格)、衷(心の中)は節(控えめ)だが、拒(人を寄せ付けない)。

 夏蕨はカ・ケツと読んで、貨、欠。
 骨の中はコツ・チュウと読んで、乞、紐。
 折れてをり(折居)はセツ・キョと読んで、窃、挙。
☆貨(お金)が欠(足りなくなると)乞(ねだる)紐(ヒモ)。
 窃(そっと盗む)挙(ふるまい)がある。

 夏蕨はカ・ケツと読んで、河、決。
 骨の中はコツ・チュウと読んで、忽、注。
 折れてをり(折居)はセツ・キョと読んで、拙、居。
☆河の決(川の水が堤を切ると)忽ち、注(流れ込む)拙(わたくし)の居(住まい)である。


『飯島晴子』(私的解釈)春蘭や。

2021-03-02 07:12:46 | 飯島晴子

   春蘭や男は不意に遺さるゝ

 春蘭は、その花の形状からジジババと呼ばれることがある。老年、老境で安穏としていると思いがけず生活のすべてを担っていたババのほうが先に逝くことがあり、呆然とするジジの不如意。

 春蘭はシュン・ランと読んで、旬、濫。
 男は不意にはナン・フ・イと読んで、難、腑、已。
 遺さるゝはイと読んで、慰。
☆旬の濫(実って柔らかくなるものは腐って形が崩れる)は難(手に負えない)。
 腑(心の中)では已(すでに)慰めている。

 春蘭はシュン・ランと読んで、峻、乱。
 男は不意にはダン・フ・イと読んで、談、怖、以。
 遺さるゝはイと読んで、委。
☆峻(けわしく)乱(もつれて筋道が通らない)談(話)は、怖い。
 以(それより)委(成り行きに任せる)。

 春蘭はシュン・ランと読んで、蠢、濫。
 男は不意にはナン・フ・イと読んで、難、普、畏。
 遺さるゝはイと読んで、唯。
☆蠢(虫がうごめく)濫(度が過ぎる)難(わざわい)。
 普く畏(恐れる)、唯(ただそれだけ)。


R.M『神々の怒り』

2021-03-02 06:36:54 | 美術ノート

   『神々の怒り』

 神々とは何を指しているのだろう。複数の神、自然の律として考えていく。
 自然とは歩いたり走ったりという自力であり、馬の疾走、燃料による車の疾走は共に他力である。

 神が与えてくれたとする身体を、他のエネルギー消費によって時空を切り抜けていくことの驚異は神にとっては脅威なのだろうか。

 発明、進化、文明の機器は人の生活を時短にする。時空を収縮させるなどありえない暴挙である。自然界を守る神々にとって、人間の叡智は神への畏れを捨てていいる。
 馬を走らせ、自然燃料を我がものとし車を走行させる人間の優位は、神々にとってはおぞましいものかもしれない。

 人間の叡智は自然を冒とくし、しいては神々の怒りを買うものであることを誰も考えない。当然の権利とさえ考えられ、文明を肯定している。
 神から与えられたとする自然の営みをはるかに超越し、利便を日常化する人間を、神秘の領域から覗く神々は黙って耐えている、この現実を誰も知らない。


 写真は『マグリット』展・図録より


『城』3602。

2021-03-02 06:27:55 | カフカ覚書

きみは、これは当然のことだが、クラムを手のとどかない存在だと思っているらしい、だから、フリーダもクラムに近づけるわけがないと思いこんでいるのだ。


☆クラムを到達しがたい法律(掟)のように思っているらしい。だから、フリーダもクラムに近づけないと。