続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)湖凍り。

2021-03-29 07:02:43 | 飯島晴子

   湖凍り声のいやしく使はるゝ

 湖はコと読んで、己。
 凍り声のはトウ・ショウと読んで、套、章。
 いやしく使はるゝ(卑使)はヒ・シと読んで、秘、史。
☆己(わたくし)の套(覆った)章は、秘史(裏面の史実)である。

 湖凍りはコ・トウと読んで、古、塔。
 声のいやしく使はるゝ(声卑使)はショウ・ヒ・シと読んで、昇、否、死。
☆古い塔に昇ることは、否(同意しない)、死(命がけ)である。

 湖凍りはコ・トウと読んで、顧、読。
 声のいやしく使はるゝ(声卑使)はショウ・ヒ・シと読んで、衝、秘、旨。
☆顧(省みて)読む。
 衝(大切なところ)は秘(人に見せないように隠す)旨(考え)である。


R.M『王様の美術館』

2021-03-29 06:33:28 | 美術ノート

   『王様の美術館』

 王様、選ばれた者、支配者が所有する美術館である。薄雲がなびく青い空、山々はごく穏やかな稜線を描いている。その山間に立つ建物が美術館らしい、シンプルで巨きな建物は人のシルエットの真ん中(心の中)に存在している。手前に在るが、暗い森の上という感じであり、背後の山々のほうが次第に明るくなっている。
 秘蔵の手前は暗く閉ざしているが、後方は次第に明るく開放的である。美術館の背後は進むにしたがって明るく開放的であり空に溶け合うような印象がある。

 人型のシルエットには、目・鼻・口の器官が描かれている。視覚、嗅覚、味覚・・・感覚器官の現出。
 誰もが所有する感覚器官には誰もが感じる《美への眺望》が内包されている。
 彼の後ろには馬の鈴(語り、口伝、主張、歴史etc)が存在している。
 背景は漆黒、時代を問わない永遠の時空である。

 任意の男のシルエットは、一人の男であり、男女をも問わない、皆の中の一人である。それぞれが王様なのだと言っている。それぞれにその人特有の美術館があるはずだと言っている。その胸を開けば必ず美術館が解放されているのだと教えている。
 美術館は占有するものではなく、全ての人に開放されていると、その目でその口で教示している(解ってほしい)と。マグリットの熱い気持ちである。


 写真は『マグリット』展・図録より


『城』3621。

2021-03-29 06:17:47 | カフカ覚書

あそこでは、こんな話をしても、信じてくれないのです。まるであの部屋の外ではなにも起こりっこないと言わんばかりにね。あそこは、あたたかで狭い部屋ですが、わたしたちは、さらにぴったり身を寄せあっていますの。わたしたちは、おたがいだけが頼りだったのですが、飽きがくるようなことはありませんでした。反対に、あのふたりの仲間のことを考えますと、またあそこへ帰っていくのがほとんど正しいことだという気がしますわ。


☆例瀬ではこの信仰のなさが本来のテーマの外で生じるのです。あそこは狭義の来世ですが互いに相手を苦しめ、拒否するのです。それにもかかわらず、お互いだけが頼りなのです。でも、飽きるようなことはありませんでした。逆に友達のことを考えるとまた戻ってくることこそが正しいと思います。