続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)山姥の。

2021-03-25 10:28:07 | 飯島晴子

   山姥の袋は流れ秋の木々

 山姥はサン・ボと読んで、産、母。
 袋は流れはタイ・リュウと読んで、諦、流。
 秋の木々はシュウ・モク・モクと読んで、終、黙、目。
☆産(子供を産み)母になることを諦(あきらめたらしい)。
 流れて終わったこと(流産)を黙って目(目配せした)。

 山姥はセン・ボと読んで、潜、暮。
 袋は流れはタイ・リュウと読んで、態、粒。
 秋の木々はシュウ・ボク・モクと読んで、集、睦、黙。
☆潜(身をひそめる)暮らしの態(ようす)は粒(米粒)を集め、睦まじく朴(ありのまま)である。

 山姥はサン・ボと読んで、算、簿。
 袋は流れはタイ・リュウと読んで、他意、留。
 秋の木々はシュウ・モク・モクと読んで、師友、目、黙。
☆算(見当をつけて)簿(ノート)に他意を留めている。
 師友には目(狙い)を黙っている。


『飯島晴子』(私的解釈)ほろほろと。

2021-03-25 10:11:38 | 飯島晴子

   ほろほろと茸こはるゝ眠姥

※軽くて小さな茸が壊れていくように、ほろほろと眠り(死)についた老女である。

 茸こはるゝ(茸壊)はジョウ・カイと読んで、冗、戒。
 眠姥はミン・ボと読んで、民、模。
☆冗(不必要な)戒(用心をする)民の模(ありさま)がある。 

 茸こはるゝ(茸壊)はジョウ・カイと読んで、帖、回。
 眠り姥はミン・ボと読んで、民、模。
☆帖(書付)を回す民の模(手本)。

 茸こはるゝ(茸壊)はジョウ・カイと読んで、静、海。
 眠り姥はミン・ボと読んで、眠、暮。
☆静かな海、眠(目を閉じて休む)暮(日暮れ)である。


『飯島晴子』(私的解釈)胎教の。

2021-03-25 07:13:24 | 飯島晴子

   胎教のむらさきの木の実など降り

 むらさきの木の実(紫木実)はシ・キ・ミと読んで、式、実。
 など降り(等降)はトウ・コウと読んで、当、恒。
☆胎教(胎児に良い影響を及ぼすよう、妊婦が精神の安静と修養に努めること)の式(方法)は実(まったく)当(今も)恒(変わらない)。

 胎教はタイ・キョウと読んで、頽、怯。
 むらさきの木の実(紫木実)はシ・ボク・ジツと読んで、姿、撲、実。
 など降り(等降)はトウ・コウと読んで、蕩、慌。
☆頽(衰えること)に怯(おびえている)姿を撲(打つ)。
 実に蕩(だらしなく)慌(動揺しうろたえている)。

 胎教はタイ・キョウと読んで、他意、況。
 むらさきの木の実(紫木実)はシ・モク・ジツと読んで、旨、黙、実。
 など降り(等降)はトウ・コウと読んで、套、考。
☆他意の況(ありさま)の旨(考え)を、黙っている。
 実(内容)は套(覆って)考えている。

 胎教はタイ、キョウと読んで、諦、胸。
 むらさきの木の実(紫木実)はシ・モク・ジツと読んで、思、黙、実。
 など降り(等降)はトウ・コウと読んで、答、請う。
☆諦(あきらめる)胸(心の中)の思いを黙っている。
 答(問いに答えること)を、請う(望み、願っている)。


R.M『巡礼者』

2021-03-25 06:26:37 | 美術ノート

   『巡礼者』

 信仰のために聖地を回る人・・・着衣から顔面が外れている。
 これはどういうことだろう。物質と精神の離脱、何も持たず、捨てるという意味だろうか。穏やかな表情、不足なく満たされている生活者の顔である。
 バックは薄青紫のベタ、時空を問わない不変の清浄さ。『観念』の渋いオレンジ(暖)と『巡礼者』の淡いブルー(冷)に潜むものは何だろう。

 冷静さは強い信念によるものかもしれない。
『観念』では顔がリンゴになっていたものが『巡礼者』ではリアルであることの差異。顔、つまり人間の顔である。
 人であることの儀礼を備える根拠は信仰にあり、敬虔な信徒である男の平穏に結びついている。

 ならば、なぜ切り離す必要があったのだろう。着衣(生活・地位)との離脱。神を崇拝し、近づくための聖地巡礼。願望だろうか、義務化はないか。迷いなく巡ることの喜悦、しかし、男の眼差しは微妙にずれていて、信念というより若干の不安を秘めている弱さは、物思い、愁い、充足感をも孕んでいる。

 巡礼の悲願、しかし、物心一体、真の行脚は難しい。にも拘わらず、巡礼者はすべてを肯定し敢行を貫く。
 着衣と顔面の距離(離脱)、背景の微妙な青色、これがマグリットの巡礼者への敬意をこめた感想である、と思う。


 写真は『マグリット』展・図録より


『城』3619。

2021-03-25 06:15:51 | カフカ覚書

「それは、つかまったからですわ。わたしたちのところにいらっしゃれば、つかまることなんかありませんわ。だれも、あなたのことを、知らないでしょう。知っているのは、わたしたち三人だけですわ。ああ、愉快な生活になりますわ。わたしは、いまからもうあそこの生活がつい先ほどまでよりずっと耐えやすいような気がしてきました。いまなら、この酒場から追いだされても、あるいはたいして失うものがないかもしれませんわ。


☆わたしたちのそばにいれば、捕まることはありません。誰もあなたを知らないでしょう。知っているのはわたしたち三人だけです。楽しくなるわ。わたしは来世の生活も今よりずっと楽しいものになると思います。たぶん、そこ(酒場/死の入口付近)を通って来世に行かなくてはならないとしても、失うものはありませんから。