続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)紅梅を。

2021-11-02 07:31:04 | 飯島晴子

   紅梅をはたき幻てのひらに

 紅梅はコウ・バイと読んで、公、売。
 はたき幻(叩幻)はコウ・ゲンと読んで、恒、厳。
 てのひらに(手平)はシュ・ヒョウと読んで、取、評。
☆公売(差し押さえなどで得たものを公告して入札、競売すること)は恒(つね)に厳しい。
 取(手に入れる)には評(品定め)をする。

 紅梅はコウ・バイと読んで、好、唄。
 はたき幻(叩幻)はコウ・ゲンと読んで、恍、顔。
 てのひらに(手平)はシュ・ビョウと読んで、殊、猫。
☆好きな唄に恍(うっとりする)顔の殊(普通と違う/特別な)猫がいる。

 紅梅はコウ・バイと読んで、講、倍。
 はたき幻(叩幻)はコウ、ゲンと読んで、構、源。
 てのひらに(手平)はシュ・ビョウと読んで、手、描。
☆講(はなし)を倍(多くする)構(しかけ)が源の手(やり方/方法)で描いている。


M『女盗賊』

2021-11-02 06:53:10 | 美術ノート

   『女盗賊』

 黒衣の人物、女盗賊というタイトルなので女かと思うが、男の肩ではないか。長い手に比して下半身は短い。黒衣から出ている手は明らかに人間の手である。その手が抑えている木製の箱、脇には小箱も見える。
 盗賊、何を盗んだのか。

 木箱の中に盗むに値するもの、盗まれることを断固拒否したいものが入っているに違いない。
 マグリットの中での喪失感を考えると・・・母、母を盗んでいった盗賊との対峙である。

 女盗賊は直立しておらず少し左に傾いでいる、力を込めて箱のふたを抑えている。決して開けることは叶わないというように。
 この世のものではない使い(使者)は堂々マグリットに向き合っている。「あなたのお母さんをお守りします」あの世の使者である。使者(守護神)は、逞しい男であるより、女であってほしいマグリットの願いかもしれない。

 写真は『マグリット』展・図録より


『水仙月の四日』39。

2021-11-02 06:32:31 | 宮沢賢治

「うつむけに倒れておいで。ひゆう。動いちゃいけない。ぢきにやむからかぶつて倒れておいで。」雪わらすはかけ戻りながら又叫びました。子どもはやつぱり起きあがらうとしてもがいてゐました。
「倒れておいで。ひゆう。だまつてうつむけに倒れておいで。今日はそんなに寒くないんだから凍えやしない。」

 うつむけに倒れて(俯倒→不凍)・・・凍えやしない。
 (雪わらす)であって、雪童子ではない。
 (子ども)であって、子供ではない。
 この微妙な差異は生死の状態や心理の揺れを描き、子供(死境)と雪童子(死の導師)が《生》の領域に引き戻るようなニュアンスを醸している。

「倒れておいで。ひゅう、だまってうつむけに倒れておいで。今日はそんなに寒くないんだから凍えやしない。」
「じっとしていれば、死んだりしない!」と雪童子(死の導師)は生への救済を叫んでいる。