片付け、一大事業である。
ああ、これは…などと思い出に浸っていたら日が暮れてしまう。五十代くらいまでは(まだ、これは必要)とばかり処分は避けていた。けれど、七十も後半に差し掛かると、もう終点が見えている。
Xデイ、残った家族には迷惑をかけたくない。着ることはないであろう服を袋に放り込んでいく。みんな安物のオンパレード、惜しくはない。
パッチワーク?もうやらないでしょ…諦念。残余の時間とを計りながら捨てていく。服は手作りが大半だから胸が痛いけど、みんな噴飯物。笑止・・・。
今日着るものがあれば十分、という気持ち。
だけど、これから作ろうとして買い込んだ服地の山(小さな山だけど)にため息をつく。処分の手が・・・。 わたしが死んだらみんな処分されるもの、なにを迷っているの!自分を叱り飛ばす。
さようなら、わたしの人生。跡を濁さずに…ああ、まだまだ未練があるのかなぁ。