続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)男ありて。

2021-11-04 07:11:33 | 飯島晴子

   男ありてなんてんの木に泪せり

 男ありて(男有)はダン・ユウと読んで、断、猶。
 なんてん(南天)はナン・テンと読んで、納、展。
 木に泪はモク・ルイと読んで、黙、累。
☆断(ことわること)を猶(ためらい)納(受け入れる)と展(広がり)、黙っていても累(かかわり)ができてしまう。

 男ありて(男有)はダン・ユウと読んで、暖、邑。
 なんてん(南天)はナン・テンと読んで、南、展。
 木に泪はボク・ルイと読んで、北、類。
☆暖かい邑(むら)は南を展(広く見わたし)、北も類(同じよう)である。

 男ありて(男有)はダン・ユウと読んで、団、結う。
 なんてん(南天)はナン・テンと読んで、難点、転。
 木に泪はモク・ルイと読んで、目、涙。
☆団(丸く)結うのは難しい。転(ひっくり返す)と、目に涙(がっかりしてしまう)。

※男ありて難点(処理が難しい、困難な事柄)に黙って泪する。


M『女盗賊』2.

2021-11-04 06:44:19 | 美術ノート

 黒衣の人物らしきの肩は《男》に見える。しかし、女盗賊とあるから《女》なのだと納得してしまう。
 言葉と景、観念と視覚(目に見えるもの)には差異がある。言葉による洗脳は打ち消しがたく残る。見えたものは錯覚かもしれない・・・言葉と景の優位性は主観によるもので正否の決定は曖昧である。この曖昧な異空間がこの作品の時空である。

 盗まれたものは失ったものであり、現今存在を消失しているものである。
 この盗賊らしきものが開けることを拒むように手で抑えつけた箱、箱の中身への言及はなく、鑑賞者に委ねている。
 マグリットにとって大切な存在、喪失感にさいなまれ希求してやまない亡母への思いを察することは容易かもしれないが、それを拒む作家の意思も垣間見える。

 大いなる喪失、それは大いなる定め(女盗賊)によるものだった。これがマグリットが導き出した自身を納得させる答だったのかもしれない。

 写真は『マグリット』展・図録より


『水仙月の四日』40。

2021-11-04 06:30:22 | 宮沢賢治

 雪童子は、も一度走り抜けながら叫びました。子どもは口をびくびくまげて泣きながらまた起きあがらうとしました。
「倒れてゐるんだよ。だめだねえ。」雪童子は向ふからわざとつきあたつて子どもを倒しました。

 起きあがろうとしました。→起上はキ・ショウと読んで、鬼、生。鬼(死者)として生まれる/死。普通に読めば起きあがろうとするのは、生きようとする意。何気ない行間に二重の意味が揺れている。
 倒れているんだよ。→倒はトウと読んで、闘あるいは禱(祈る)。
 雪童子は子どもを死なないように救済を念じている。