転倒後、病院から施設に移った友人、かれこれ、すでに三年。コロナになり施設を訪ねることもできないまま月日が流れた。
彼女は、家の階段に手すりをつけないと帰れないと言い、「息子は忙しい」からとも言った。
「さっさと家に帰らないと呆けちゃうわよ」と軽く笑い飛ばし「家に帰ったら必ず電話してね」と約束。
何時まで待ってもかかってこない電話・・・思い切って掛けて見たら、「はい」って彼女の声。
三年前「母は認知ですから、今日あなたが見舞いに来たことも明日には忘れてしまします」と息子さん。
でも、だって・・・の思い。
「わたし、いつ帰ってきたのかしら、覚えてないの。一年前、いえ、一、二か月くらい前かしら」という。
とにかく自宅に戻り、手も足も伸ばしてのびのび暮らしていることを想い一安心。
それにしても、(聞いたことある声)のわたし。あんなに仲良くどこへでも出かけたのに、悲しい。