続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)老蝉の。

2021-11-12 07:43:23 | 飯島晴子

   老蝉の眼を人の走りけり

 老蝉はロウ・センと読んで、朧、山。
 眼を人の走りはゲン・ニン・ソウと読んで、限、認、喪。
☆朧(ぼんやり霞む)山、限(境目)を認(見分けること)を喪(失う)。

 老蝉はロウ・センと読んで、浪、戦。
 眼を人の走りはゲン・ジン・ソウと読んで、原、尽、嗾。
☆浪(無駄な)戦い。
 原(事の起こり)は尽(すべて)嗾(けしかけたこと)による。

 老蝉はロウ・センと読んで、労、選。
 眼を人の走りはゲン・ニン・ソウと読んで、厳、認、想。
☆労(力を尽くして働き)選(多くの中からえらぶ)。
 厳しく認(見分ける)と、想いがある。


M『色彩の変化』

2021-11-12 07:07:19 | 美術ノート

   『色彩の変化』

 奇妙な絵である、色彩とは何だったか・・・物事のもつ傾向、性質。

 枕・・・夢/非現実。
 フレーム…提示すべきものを掲げるもの、強調。
 壁と見えるものは壁だろうか、床面との空間を仕切るものではないが、フレームの影があり、間隔、距離、隙間を見せている。
 フレームは浮いているように見え、落ちることなく固定し、形は変形であり二つの画面を示している。一方はブルーに雲のような流動的なものが浮遊しており、他方は漆黒の闇、黒である。
 その後ろ、背景は無限に続くような黒白の模様であり平面に見える。

 全体、奥行きのない空間に見えるが不安定であり、時間の概念を外している。

『色彩の変化』・・・ある種の予感、静謐・流動・現実・非現実・重力の否定…はっきりしているのに不明な画面構成、混沌。
 枕の持つ現実と夢想、色彩とは精神界かもしれない。

 写真は『マグリット』展・図録より


『水仙月の四日』46。

2021-11-12 06:50:41 | 宮沢賢治

「さうして睡つておいで。布団をたくさんかけてあげるから。さうすれば凍えないんだよ。あしたの朝までカリメラの夢を見ておいで。」
 雪わらすは同じとこを何べんもかけて、雪をたくさんこどもの上にかぶせました。まもなく赤い毛布も見えなくなり、あたりとの高さも同じになつてしまひました。
「あのこどもは、ぼくのやつたやどりぎをもつてゐた。」雪童子はつぶやいて、ちよつと泣くやうにしました。

 赤い毛布…釈(薄い)《亡・訃》は見えなくなり・・・。
「あのこどもは、ぼくのやったやどりぎ《一時的に身を置く鬼(死者)》を持っていた。雪童子(死の導師)は、少し泣くようにしました。
 雪童子(死の導師)には迷いがある。雪婆んご(死神)に翻弄されながらも救済を願っている。

 物語の下には交錯する思いが二重になっており、正負のせめぎあいが静かに揺れている。