続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『城』1543。

2014-02-22 06:17:17 | カフカ覚書
「もうお帰りになるのですか、測量師さん」
「変だとお考えですか」
「ええ」と、亭主は言った。「尋問のほうは、どうなさるんですか」
「尋問なんか、まっぴらごめんですよ」
「どうしてですか」
 Kは答えた。


☆大群(大勢の死んだ人たち)である測量師(土地を失ったことに気付いた人)はすでに去ってしまったのですか」と、Kは聞き、「不思議ですね」と、Kは言った。
「尋問なんか放っておkますよ」
「どうしてですか」と、亭主(監視)は言った。
「わたしにもわかりません」と、Kは答えた。

酸化を遅らせる術。

2014-02-21 06:54:43 | 日常
 何をしても疲れやすい、耐久力の減退。信じがたいほどの疲労感に襲われてしまう。
 年を重ねると、若い頃から鍛えた人との差異が明確に現われ、隠しようがない。友人のKさんは「山育ちだから」と言い、歩くことに抵抗を感じないばかりか、むしろ歩かないでいることに抵抗を感じるらしい。

 先日も開催場所のウェルシティを福祉会館と勘違いし、早足でやって来たけど、バス停で言えば三箇所くらいを飛ばしてきたのである。帰りはさらに遠くまでを徒歩で帰っていく勇姿に羨望!(こちらは至近のバス停から)

 「歩こう会」のメンバーにも猛者が多くて、行程を歩き終えた後でも「歩き足りないわ」と言って電車一駅くらいを澄まして歩いていく人たちがいる。

 みんな凄いわ、どうしてわたしはダメなの?(そう、若い頃から歩くの嫌いな引きこもりだったから、今ごろ付けが回ってきた)

 
 劣化烈しく錆び付いていくわが身を思うにつけ、日常の訓練、鍛えることの大切さがわが身を責める。今からでも遅くない(全然間に合わないけど)、今となってはリハビリ感覚で歩いている。

 酸化し老体になりゆくわが身を叱咤激励し、外へのイベント参加をわが身に課している。酸化を食い止める術は参加によるしかないと、他力本願でお願いしている。

『ポラーノの広場』246。

2014-02-21 06:46:59 | 宮沢賢治
「そこへお掛けなさい。」
 わたくしは警部の前に会釈をして座りました。
「君がレオーノ・キュースト君か。」警部は云ひました。
「さうです。」


☆皆(全て)は経(常に変らない)無である。
 全(全て)を解(さとること)は、借(仮の試み)である。
 座(人の集まる所)で訓(教え導く)気味(傾向)は計(はかりごと)の無い薀(奥義)である。

『城』1542。

2014-02-21 06:21:49 | カフカ覚書
むかい側のドアから宿の亭主が出てきた。そこの覗き穴のうしろで玄関の様子を見張っていたらしかった。彼は、上衣の裾を身体におさえつけていなければならなかった。玄関のなかにいても、風に上衣をもくられるのだった。


☆穴蔵のような住まいを覗き、見張っていた。彼は野原(荒野)にいても衝撃の悲しみを堪えていなければならなかった。自身の無力に空虚な不和(いらだち)があった。

『天天美食』

2014-02-20 07:12:45 | 日常
 誘われて中華料理の講習会に出席。講師は中国残留孤児二世で中国国家特一級調理師資格を持ち、中国天津では総料理長を務めた経歴の方。十五年前に日本人である両親と日本へ帰国したという。
「育ててくれた祖父も、その一族も多くは料理人で、中には有名な人もいます」といい、日本名を語った。現在は店を構え、横須賀でも料理教室を主宰しているとのこと。日本語も漢字も流暢かつ達者・・・時代の歪みの中を雄雄しく鍛え抜いてきた風貌に威厳すら感じてしまった。

「海老の塩味炒め」「青椒肉絲」「鶏ささ身の四川風炒め」「イカと野菜の葱姜炒め」「小松菜の塩味炒め」「椎茸チャーハン」の六品。
(出来上がりの写真と材料、作り方のレシピはファイルして配布された)

 えっ、これを短時間で作るの?

 すると講師は
「では、わたしが最初にここで作ってお見せします」と一品ずつ、実に手際よく(当たり前だけど)実演。ただ、ウェルシティの調理室はすべてIH(電離調理器)、揚げ物の温度が不足で、鍋を振り上げると消えてしまう。それを踏まえての調理だから、恐れていた燃え上がる火なんていう光景はなかった。

 海老や肉には必ず下味をつけることと、ふっくら仕上げのための卵白、片栗粉は欠かせない。それと、油通し。温い油に泳がせる感じでさっと引き上げておく。
 野菜は7分から9分の半生状態。「余熱ということが大事です、ピーマンなど緑色を失うようではいけません」

 調味料は、塩、胡椒、味の素、醤油、葱油、ごま油、山椒の粉、一味唐辛子、酒(老抽王、生抽王)など。
 一品ずつ味見させてくれたけど、全てシャリシャリの歯ごたえ、(ああ、この食感)と一応は胸に収めたものの、いざ自分たちで作るとなると、さあ大変!

 最後に講師が周って見え、指南。「この調味は、塩ですか、醤油ですか」って聞かれたけど、もうさっぱり記憶にない。叱られた小学生のように目が合わないように沈黙しきり。

 ちなみにライチ紅茶は、すごくいい香りで美味しかった。

 はてはて、何とか終了。後片付けをして市民プラザ(ウェルシティ)を出て一安堵。お茶を飲んで買い物し、帰宅したらすでに五時を回っていた。うろたえながらも楽しい実習、また行きたいな。

『ポランノ広場』245。

2014-02-20 06:44:51 | 宮沢賢治
 そこにはも一人正面の卓に書類を載せて鬚の立派な一人の警部らしい人が経ったいまあくびをしたところだといふふうに目をぱちぱちしながらこっちを見てゐました。


☆逸(かくれた)要である照(普く光があたる=平等)を、綿(細く長くつづけ)託(頼りにして任せ)、諸(もろもろ)累(次々重なる)。
 済(すくう)が、趣(志すところ)の律(きまり)であり、破(やりぬく)。
 逸(かくれた)要で継/つなぎ、奉/ささげる。腎(大切なところ)は黙って現われる。

『城』1541。

2014-02-20 06:22:48 | カフカ覚書
「おやすみなさい」と、Kは言った。「尋問というやつは、どれもみな気に入りませんのでね」そう言うと、ほんとうにドアのほうに歩いていった。
「やっぱり帰ってしまうじゃありませんか」と、モームスは、ほとんど心配そうにお内儀に言った。
「まさかそんな勇気はないでしょうよ」と、お内儀は答えた。
 それ以上は聞えなかった。Kはすでに玄関に出ていた。寒くて風がきつかった。


☆「いい小舟ですね」と、Kは言った。尋問というものはどれもみないやなものですね」そう言うと、真の企みに向かった。それゆえ、やはり入っていった。
「そんなことはしないでしょう」とお内儀(言葉)は言い、それ以上は聞えなかった。Kはすでに飛ぶように、冷静な先祖の大きな空虚の中で揺れていた。

一日を愛しむ。

2014-02-19 06:52:03 | 日常
 一日は二十四時間、誰かが「わたしの一日は二十三時間です、なぜなら一時間は走っているからです」と、コメントしていた。
 一時間も走る・・・なんて素敵な習慣なんだろう。

 歩くことがせいぜいなわたし、走るなんてムリ、無理。しかも一時間も走ったらその後疲れ果てて一日は丸つぶれ。
 地道な努力で若さや体力を維持する人の笑顔を正視できない。

 一日という時間を再考してみると、無駄な時間が圧倒的に多い。そうした時間は非常に短縮されて霧消し、意味なく押し出されるように時間のレールに放り出されていることに気づく。

 食べて寝て・・・何か有効な手段で生産活動に参加することもなく、ひたすら消費活動に専念している今のわたし。
 せめて、せめて・・・強迫観念のように背中に圧しかかる思い。


 無為な一日に対する罪悪感、そして襲うように訪れる虚無感。(これでいいのだろうか)正しくゼロ活動。人生の中の負債(子育てでも介護でももっと為すべきことがという後悔)が、時折胸を衝く。
 補いの付かない思いに駆られながら、今日という時間を潰していく。過去に身を投じることは魂の浮遊にすぎないかもしれない。
 
 もっと、もっと・・・背中を押す未知への挑戦。がんばれ、がんばれと!と。子供たちの指針にもなり、天国の両親も納得してくれるであろう生き方はないものか・・・。



 けれど、敢えて言いたい。為すべきを横に置いて、今日という日を静かに愛しむことは無為ではない、六十七才のこの一日をぼんやりした眼差しで甘受してもいいのではないかとも思う。

『ポラーノの広場』244。

2014-02-19 06:42:45 | 宮沢賢治
「第十八等官、レオーノ・キュースト氏はあなたですか。」さっきの人がまた顔を出して云ひました。
「さうです。」
「では、こっちへ。」
 わたくしははひって行きました。


☆題(テーマ)は等(平等)、永遠の等(平等)である。
 完(欠けたところのない)施(ほどこし)を尽くすことう遂(なしとげる)薀(奥義)の講(はなし)である。

『城』1540。

2014-02-19 06:17:38 | カフカ覚書
しかし、それは、この調書とはなにも関係のないことであった。モームスは、ちょうどそのとき調書のうえで塩ビスケットを割りながら、ビールのつまみにしていたが、おかげでどの書類も、塩とカラウェーの実だらけになってしまった。

 塩ビスケット/Salzbrezel→Salz/辛辣、blinzen/目をしばたたかせる。
 カラウェー/Kummel→Kummer/深い悲しみ。
 ビール/Bier→bieder/俗物、偽善者。 

☆確実なことは、この記録とは関係のないことであった。モームス(要因)はちょうどそのとき辛辣に目をしばたたかせ、離れていった。偽善者を許し、疲れきり、無味乾燥で辛辣な深い悲しみにあふれていた。