続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『畑のへり』21。

2014-11-27 06:52:04 | 宮沢賢治
そんなこともあるんだ。それにたうもろこしの娘さんたちの長いつやつやした髪の毛は評判なもんだ。」

 娘はジョウと読んで、帖。
 長いはチョウと読んで、調。
 髪の毛はハツ・モウと読んで、発、蒙。
 評判はヒョウ・ハンと読んで、標、範。


☆帖(書き付け)を調べて発(明らかにする)。
 蒙(おおいかぶさった)標(目印)を範(手本)とする。

『城』1807。

2014-11-27 06:15:34 | カフカ覚書
それに、彼の態度には、なにかしら命令的なところがあった。しかし、子供らしい無邪気さがそのきまざっていたので、Kとフリーダは、半分は正直に、半分はからかいながら相手のたずねることに答えてやった。


☆彼の態度には高圧的なところがあった。しかし、子孫には罪はないので、半ば正直に半ば冗談めかし、ややもすれば相手の言うとおりにした。

不安。

2014-11-26 06:37:31 | 日常
 自分を初めとして、次第に周りの人たちが老いてくるのを感じる。当たり前と言えばそれまでだけど、それが明らかに目に見えるようになると、抱えきれない暗雲のような漠とした不安がわたしを襲うのである。

 わたしも老いつつあるけれど、近隣、友人たちにもその徴候は判然としてきている。病気、歩行困難、施設への入居・・・。

 けれど、いつか消えてしまうという結末を簡単には理解できない。あんなに元気よく笑いさざめいていた日常に亀裂が入り薄い雲がかかる、近くにいたものが遠くへ行ってしまう寂寞に耐えられない。

 少しづつ壊れていく。
 昨日出来たことが今日は出来ない。
 気合い(精神)があればという次元は超えてしまい、精神そのものが壊れかかっているのを感じる時、わたしはひそかに涙している。
 思いがけない言葉を発し自制できない結果が、自分を追い詰めていくこともあるかもしれない。十分注意しているつもりでも転んでしまう。

 幼い子供に「よく気をつけなければいけませんよ」などと注意する。そのまま老いた自分に言い聞かせている、「よく気をつけなければいけませんよ」と。

 世間を知らない子供の時以上に、日常茶飯事すべてにおいて細心の注意を払うべきはむしろ老いてからである。不安を抱え込んだ老いの姿勢は惨めで悲しいけれど、払拭するべきアイデア(機転)を持たなければいけない。
 不安を凌駕するものは、大いなる慈しみの心かもしれない。人をも我をも心から愛する気持ち、それを老いの精神の基本にしたい。

『畑のへり』20。

2014-11-26 06:28:32 | 宮沢賢治
人といふものは頭の上の方に十六本の手がついてゐる。

 人はニンと読んで、忍。
 頭はトウと読んで、套。
 上はショウと読んで、照。
 方はホウと読んで、法。
 十六本はジュウ・ロク・ホンと読んで、重、録、翻。
 手はシュと読んで、趣。


☆忍ばせ套った照(あまねく光があたる=平等)の法(仏の教え)は重(大切)であると、録(文字に書き記す)。
 翻(形を変えてうつす、つくりかえる)の趣(考え)である。

『城』1806。

2014-11-26 06:07:31 | カフカ覚書
初めのうちは、気遅れのせいか、おずおずとしていたが、まもなくKとフリーダに慣れてきて、やがて熱い上等のコーヒーをふるまってもらうと、いきいきと元気になり、うちとけてきた。そして、熱心にいろんな質問を発して、根掘り葉掘りたずねはじめた。それは、できるだけ早くいちばん重要な点を訊きだして、Kとフリーダを助ける資料にしゆとしているかのような様子であった。


☆初めのうちは内気なことが妨げとなっていたが、まもなくKとフリーダ(平和)に慣れてきた。やがてまったく気楽な様子で活発になり、先祖の切願などを熱心に質問し始めた。それはもしかしたら馬鹿話のいちばん主要な点を訊きだして、Kとフリーダ(平和)のためになろうと決心したのかもしれなかった。

モチーフは干物。

2014-11-25 06:42:19 | 今日の一枚。
 美味しそうな鯛の干物とカマスに目刺し・・・。
 Yさんが持参してくれたモチーフ。どうやって描いたらいいのか見当がつかないまま、普通に描いてしまった。もっと違う見方があってもよさそうなのに平々凡々。
 月日は風のように去って行く。それに少しでも抵抗しあがいている。愉しいおしゃべりのサークル、もっと気楽に自由に描ける方向を目指したいな。

『畑のへり』19。

2014-11-25 06:32:14 | 宮沢賢治
豚なんといふものは鼻がらっぱになってゐる。口の中にはとんぼのやうなすきとほった羽が十枚あるよ。また人といふものを知ってゐるかね。


☆頓(整える)備(用意)の考えを注(書き記す)。
 有(存在)の等(平等)を毎(そのたびに)忍ばせ、致(いきつかせている)。

『城』1805。

2014-11-25 06:06:29 | カフカ覚書
それで、いま、きびしい罰を受ける危険を覚悟のうえで、となりの教室から脱走兵のようにこっそり抜けてきたのだった。彼の頭を支配しているのは、なによりもこのようないかにも男の子らしい義侠心であるらしかった。彼の動作からうかがわれるまじめさも、それに相応して男の子らしかった。


☆それでいま、きびしい罰をうける危険にもかかわらず、独断で罰(責任)をテーマとして、こっそり抜け出してきたのだ。彼を支配するのはきっちりとした保証(確証)であるらしかった。彼の言葉や行為からは真面目さがうかがえた。

毛利彩乃先生の授業。

2014-11-24 06:27:16 | 美術館講座
『愛読書からつくるフランス装仕立てのブックカバーとノート』(神奈川県立近代美術館 鎌倉)

 予めの知識ゼロ、「よく分かんないけど、行って見よーっと」という安易な気持ちでの参加。
 ただ造本というものにはすごく魅かれるものがあって、ハウツー本を買ったり、造本の講座は過去二度ほど受講している。(追浜公民館/あみのたまよ先生/2005年、横須賀三浦教育会館/ねもとよしたか先生/2014年)
 いつか一冊だけの自分の本を、という絵空事の夢を見ている(笑)

 フランス装の歴史・本の装丁・・・本がものすごく大切で宝物だった時代を思い描きながら先生のお話を伺っていると胸が熱くなってしまった。
「本の文化は決して無くなりませんからね」と、先生。
 本文(内容)と装丁の関係が一つの世界を創りあげるという大前提を忘れがちな傾向にある。あまりにも当たり前に見ているので深く考えてないのかもしれない。にもかかわらず、本を手に取ったときの印象は少なからず装丁によることが大きく、音楽におけるイントロの魅力如何に共通しているかもしれない。

 本を指し、「ここが天、こちらが背、この部分が前小口・・・」丁寧な説明。本そのものを愛しているのがよく伝わってくる。
(何でもいい加減なわたし、反省すること仕切り)先生の説明、細部にわたるプロセスの指導・・・丁寧で優しい語り口。
《この講座の受講生15名のために、あんなに一生懸命説明して下さっている》と思うと感動。アシストして下さった美術館の方々皆さん親切。家に閉じこもっていてボォーッとしては味わえない心地よさ。


 持参した本は「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」の二冊。「不思議の国のアリス」の方を選びコラージュした表紙を作成。美術館側で用意してくださった素材は、アクリル・水彩・クレヨン・色鉛筆、チラシ、ポスターなど様々。なかに数字や文字などをカットして抜く道具などもあることを終了後に知り、(ああ、これがあれば、「鏡の国のアリス」のイメージが・・・と、ちょっぴり後悔)
《もっと時間があれば》というのは楽しい傾向、ありがとうございました。


*本というもの、活字というものを覚めた目で見ている昨今、やっぱり『本は無くなりませんから』の言葉は胸に響いた。(信じていいんですね)

『畑のへり』18。

2014-11-24 06:15:51 | 宮沢賢治
「ははあ、しかし世の中はさまざまだぜ。たとへば兎なんと云ふものは耳が天までとゞいている。そのさきは細くなって見えないくらゐだ。

 世の中はセイ・チュウと読んで、省、注。
 兎はトと読んで、図。
 云ふはウンと読んで、運。
 耳はジと読んで、字。
 天はテンと読んで、展。
 細くはサイと読んで、際。
 見えないはゲンと読んで、現。


☆省(注意してみる)注(書き記す)図りごとを運/めぐらせている。
 字を展(ひらく)際(とき)に現れる。