続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『城』1804。

2014-11-24 05:51:42 | カフカ覚書
ハンスの説明によると、女教師が猫の爪でKの手を引っかいてみみずばれができたのを見て、そのときKの見方をしようと決心したのだという。


☆ハンスによると、残虐な線条を通って外に出た。いかなる空虚もKの国似たいへんなことを惹き起すことを刻みつけたので、その汚点を助けるために決心したのだという。

バードウオッチング④

2014-11-23 06:48:30 | 博物館講座
 久里浜/花の国でのウオッチング。

 ハイタカ・ノスリは空高く飛翔しているものを先生のご指摘で(ふうん)と眺めた。(あんなに空高く飛ぶ鳥の違いを、飛び方やわずかに確認できる尾羽の形態で分かるなんてスゴイ!)
 コゲラはギィギィという鳴き声で、モズもキチンキチンという鳴き声で「ああ、コゲラ(またはモズ)がいますねぇ」と、先生は仰る。こちらは耳を澄ませてなんとか(そうなのか、そうらしい鳴き声が・・・)と納得。
 ヤマガラ・シジュウカラを見て、ウグイスは地鳴きの声だけを確認。
「ヤマガラは照葉樹林/常緑樹に生息し、極東ヨーロッパには確認されません。シジュウカラはヨーロッパにも分布されています」とのこと。

 ヒヨドリはこの季節多く見られるという。ヒヨドリに比して小さく飛んでいるのはメジロ、メジロも多く確認できた。
 お馴染みのスズメ・・・(数は減っているらしい)
 チョンチョンと飛び方に特徴のあるハクセキレイ。
 カワラヒワはピーッ、ピーッという鳴き方でわかるらしい。

 ほかにウソの鳴き声を先生は確認されたらしい。ピッピッとオスもメスも同じ鳴き方をするという。

 山というよりは丘をぐるりと一周。耳目をもっての野鳥観察、とても先生の域には及びませんが楽しい散策となりました。

 稲森先生、萩原先生、そしてメンバーの方々ありがとうございました。

『畑のへり』17。

2014-11-23 06:37:11 | 宮沢賢治
それにマントを六枚も重ねて着るなんて、聞いた事も見た事もない贅沢だ。おごりの頂上だ。」

 六枚はロク・マイと読んで、録、毎。
 重ねてはチョウと読んで、挑。
 着るはキと読んで、記。
 聞いたはブンと読んで、文。
 事はジと読んで、字。
 見たはゲンと読んで、現。
 事はジと読んで、弐。
 贅沢はゼイ・タクと読んで、説、託。
 頂上はチョウ・ジョウと読んで、調、帖。


☆録(文字に記す)毎(そのたびごとに)挑(けしかける)記である。
 文の字が現わす二つの説は、託(頼りにして任せ)調える帖(書き付け)である。

『城』1803。

2014-11-23 06:20:16 | カフカ覚書
「きみの名前はなんと言うの」
「ハンス・ブルーンスヴィックと言います」と、少年は名のった。「第四学級の生徒で、マドレーヌ通りで靴屋をしているオットー・ブルーンスヴィックの息子です」
「なるほど、ブルーンスヴィックと言うんだね」と、Kは言って、さっきより少年にやさしい態度をしめした。


☆「きみの名前はなんて言うの」「ハンス・ブルーンスヴィックと言います」と少年(新しい/ユダヤ人)は言った。内密の罪で追放された人の息子です」「なるほど、ブルーンスヴィックと言うんだね」と、言い、Kは彼に親しみを抱いた。

他人の恋路。

2014-11-22 06:48:45 | 日常
 バス停で遇ったAさんとの会話。

「まったく、妹は十日も風邪で寝込んでわたしに看病させておいて、今日は澄まして出かけたの」
「あらっ、元気になったならいいじゃない。」
「元気でもないのよ、だから心配もしているの」
 Aさんの妹はAさんより一回り年下、わたしより四つほど年上である。その彼女、夫の死後Aさん宅に同居。気ままな振る舞いにAさんを困惑心痛させている模様。

「歌舞伎座へ行ったのよ」
「いいわねえ」
「うん、彼がね、切符を送ってきたの」
(ほぉーっ、お忍びって訳ね)

 相手の彼だって相応の年齢と察するけど、長年連れ添った奥様はきっと判っていて様子を鋭く観察しているかもしれない、(今日の旦那は浮いているな)とか・・・。


 七十過ぎの恋・・・アリかも、というか、あるんだね。(まあ、そのうち遅からず現世とはサヨナラするのだから、お愉しみ得)楽しく笑ってサヨナラするのが一番。妹さんに一票!

『畑のへり』16。

2014-11-22 06:39:05 | 宮沢賢治
足から頭の方へ逆さに着てゐるんだ。

 足はソクと読んで、仄。
 頭はトウと読んで、等。
 方はホウと読んで、法。
 逆さはゲキと読んで、激。
 着てはキと読んで、記。


☆仄(ほのめかす)等(平等)の法(仏の教え)がある。
 激(感情が昂ぶるほどに)記している。

『城』1802。

2014-11-22 06:23:12 | カフカ覚書
「それで、なんの用だね。早く言いなさい!」と、Kは、すこし少年のほうに身をかがめた。というのは、少年の声が小さかったからである。
「なにかお手つだいをしましょうか」と、少年はたずねた。
「この子は、ぼくたちのお手つだいをしてくれるんだってさ」と、Kは、フリーダに言うと、さらに少年にむかって、


☆「要するに何がお望み、馬鹿話!」とKは言った。先祖の少し前の屈服、新しい言葉はかすかな声だった。
 「なにかお手つだいをしましょうか」新しい人は聞いた。
 「彼がわたしたちを助けてくれるって」と、Kは、フリーダ(平和)に言うと、さらに新しい人に向かって、」

三浦半島の自然(魚)

2014-11-21 06:22:30 | 博物館講座
【萩原先生の授業】

 魚は食べるもの、あるいは観賞するものという認識しかなかったけれど、期せずして『魚』の講座を受講することになった。
 
 分類学上でみると、魚は脊索動物門(背中に棒状の神経を持つ動物)であり、脊椎動物亜門(背骨をもつ動物)として、無鰐網(ヤツメウナギ・ヌタウネギ)・軟骨魚網(ギンザメ・サメ・エイ)・硬骨魚網(チョウザメ・ほとんどの魚)に分類され、世界には2万8000種、日本には4220種が確認されているという。

 魚が地球上に現れたのは、古生代のカンブリア紀後期(約5億年前)と推測され、最古のものは無鰐網であるが、ほとんどが古生代のうちに絶滅し、現在無鰐網のヤツメウナギ/顎はなく吸盤状(ビタミンAが豊富でトリ目の特効薬とされる)やヌタウナギ(顎も目もない)の直接的な遺伝子の解明は確認されていない。
 軟骨魚網はシルル紀に出現し、デボン紀に発展。生きた化石ともいわれる現在のサメ、ラブカは三浦半島近海でも採集されている。夏の海辺に出現したラブカを係員たちが捕縛、地中の埋めるところを知人の電話を受け飛んで行った経由のある『ラブカ』は、現在博物館に収納されているとのこと。(ちなみにサメの肌は歯が変化したもの)
 硬骨魚網はデボン紀(約4億1600万~3億6000万年前)に出現、現在、最も繁栄しているのはスズキ目であり、世界に1万2千種が確認されているという。

「生活型から見ると、純淡水魚(コイ・フナ・ドジョウ・ミナミメダカなど)、通し回遊魚(ウナギ・マルタ・サケ・アユ・ヨシノボリ類・ウキゴリ類など)、周縁性淡水魚(アカエイ・ボラ・スズキ・クロダイ・ゴンガメアジ・コトヒキ・マハゼ・クサフグなど)に分けられます」とのこと。「ちなみに(回遊魚である)ヨシノボリは4メートルほどの絶壁の壁を水流に逆らって登ることを印をつけておいたヨシノボリを翌日上で確認しております」
「絶滅した三浦半島の淡水魚にホトケドジョウが生息していましたが、1980年代の環境破壊により、湧水がないと生きていけない/水温に変化がないことの条件を欠いたため絶滅してしまった由。なお、博物館には確かに生息したというべき標本があります」(ホトケドジョウはヒゲが6本、普通のドジョウは10本という差異がある)
「絶滅寸前の淡水魚にミナミメダカがありますが、品種改良、交雑などの影響で在来の血統は激減し、純粋の野生個体が生息される場所は三浦半島では一箇所のみの確認になっています」等々のお話。

 三浦半島の幾つかの川にも外国原産の魚が多く見つかる昨今、本来の生態系が破壊され、生物の多様性が危機的な状況にあるらしい。「佐渡のトキも・・・あれも外来種であって、わが国のトキは絶滅したのですから」と先生も苦笑。
「カダヤシ(北アメリカ原産)オオクチバス(北アメリカ原産)ブルーギル((北アメリカ原産)などの本来三浦半島には生息しない繁殖が確認されています。サケなども目撃されていますが、三浦半島は水温が高いため繁殖の例は確認されていません」
「生物多様性が叫ばれていますが、種類を多くというのでなく、元々の在来種が殖えていくことを望む運動とのことをいいます」と、先生。

 聴講生の「『マンボウは最も進化した魚の一つです』とのことですが、最も進化したというのはどう言うことでしょうか」という質問に、「遺伝子の変化が最も多く認められるということです」との答えがあった。「また生死を境に色の変化が見られる魚があります。真鯛の紅色は餌からくるアスタキサンによるものであり、また他に構造色による変化などもあります」と、説明。
 

 知らないことばかりの魚のお話、萩原先生、ありがとうございました。
 研究のためとはいえ、昼夜に関わらず、川や海の生物を確認探求されているご様子。建築学の菊池先生は気になる建物の周辺をうろついて怪しまれた経験をお持ちらしい、大変ですね。

『畑のへり』15。

2014-11-21 06:15:39 | 宮沢賢治
「緑色のマントは着てゐるさ。しかしあんなマントの着様が一体あるもんかな。

 緑色はロク・シキと読んで、録、私記。
 着てはキと読んで、基。
 着様はキ・ヨウと読んで、記、要。
 一体はイツ・タイと読んで、逸、他意。


☆録(文字に書きしるす)私記である。
 基(基本、根本)の記の要は、逸(隠れた)他意である。

『城』1801。

2014-11-21 06:01:46 | カフカ覚書
「なんの用があってここへ来たのかね。授業はとなりの教室でしているよ」
「ぼくは、となりの教室から来たんです」と、少年は答えて、大きな、茶色の眼で落着いてKを見あげ、身をすっくとのばし、両腕をからだにぴたりとつけた。


☆「なんでここへ来たのかね」と、彼は言った。「教えていただくためです、来世から来たんです」と、新しい人は答えた。
 自身の重要な企みのある機関をKは見た。直立に立ち、身体に力をみなぎらせていた。