続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)女正月。

2020-07-29 07:31:27 | 飯島晴子

   女正月眉間に鳥の影落つる

 女正月なんていうけれど、結構忙しく休む間もないことは眉間の皺で分かるでしょう?

 女正月はジヨ・ショウ・ガツと読んで、徐、証、合。
 眉間はミ・ケンと読んで、実、兼。
 鳥はチョウと読んで、重。
 影落つるはエイ・ラクと読んで、営、楽。
☆徐(おもむろに)証(ありのままをのべて)合わせると、実は重ねて営(つくる)楽しさがある。

 女正月はジョ・ショウ・ガツと読んで、叙、章、合。
 眉間はミ・ケンと読んで、三、兼。
 鳥はチョウと読んで、調。 
 影落つはエイ・ラクと読んで、曳、絡。
☆叙べる章(文章)を合わせると、三つを兼ねている。
 調えて曳(ひきずる)絡(筋道)がある。


『飯島晴子』(私的解釈)㉘+

2020-07-29 07:02:37 | 飯島晴子

   髪で捲く鏡や冬の谷底に

 髪で捲く鏡、女の命で覆う鏡(自分自身)を、緑のない殺伐とした谷底へ捨てましょう、という決意。厳しさや寂寥感が震撼として伝わり、慟哭までをも聞く思いがする。

 髪で捲くはハツ・ケンと読んで、発、件。
 鏡はキョウと読んで、驚。
 冬の谷底はトウ・コク・テイと読んえ、盗、告、態。
☆発(明らかになった)件(事柄)に驚く。
 盗(盗作)を告げる態(ありさま)。

 髪で捲くはハツ・ケンと読んで、発、兼。
 鏡はキョウと読んで、胸。
 冬の谷底はトウ・コク・テイと読んで、套、告、訂。
☆発(放つ)兼(二つ以上のものを併せ持つ)の胸(心の中)。
 套(被って)告げる訂(ただすこと)。


R.M『田園』

2020-07-29 06:45:27 | 美術ノート

   『田園』

 田園にしては暗く陰鬱な画面である。
 絵の中の床に交錯する線状は、地層のような印象があり、その間をくぐって凝視すると木々が逆さになっている。
 手前の切り取ったような片面的な木の枝は、画面そのものを逆さにすると木の根になる。

 つまり、上下のない世界である。上下がないということは重力の働かない仮想空間であり、重層は時間をも遡っている。《時間・空間》を現実から切り離した構想である。
 
 美しくなく、焦点もなく、意味の分かり難いこの画は、異空間への旅を志向するデュシャンの宣言である。少なくとも鑑賞者の関心を惹くものではなく、自身のための自身の作品を決行するという意思表示である。


 写真は『デュシャン』展・図録より


『注文の多い料理店』3.

2020-07-29 06:32:21 | 宮沢賢治

「鹿の黄色いろな横つ腹なんぞに、二三発お見舞うしたら、ずいぶん愉快だろうねえ。くるくるまはつて、それからどたつと倒れるだらうねえ。」


☆化(教え導く)講(話)は、往(人が死ぬ/そののち)である。
 複(二つ)を字で算(見当をつける)。
 初めて験す部(区分け)は、二つに解(離れること)を套(被っている)。


『城』3466。

2020-07-29 06:15:36 | カフカ覚書

そして、かつかつ酒場に必要なだけの器量しかそなえていないフリーダが、あっというまに大美人になってしまったのです。それどころか、ほとんど美しすぎ、尊大すぎて、酒場にはもったいないくらいです。事実、世間の人々は、フリーダがいつまでも酒場にいることを不審におもうようになりました。


☆しかしながらクラムには十分でした。変更は驚くべきことではなく、フリーダは非常に美しくなり、先祖に作り話をもたらしたのです。しかし、すでに酒場(死の入口付近)には不十分だということになっていました。


『飯島晴子』(私的解釈)初蝶や。

2020-07-28 07:32:54 | 飯島晴子

   初蝶や屋根には子供の屯して

 初蝶、初めて蝶を見る、早春である。
 屋根には子供の屯して、当然人間の子供ではない(危険だし屋根が壊れる)。
 瓦屋根の隅でスズメが卵を産み、孵った雛(子供)が4,5羽屯しているという景である。
 スズメは24g、ツバメは18g。ツバメはスイスイ飛ぶが、スズメはチョンチョン、屋根の上で屯するようなものはスズメの雛くらいしかいない。うまく飛べるようになればこの屋根(瓦屋根の隙間)には戻ってこない。

 初蝶はショ・チョウと読んで、初潮。
 屋根はオク・コンと読んで、憶、今。
 子供はシ・キョウと読んで、死、脅。
 屯してはトンと読んで、遁。
☆初潮を憶(思う)。今は死に脅え、遁(秘かに逃げている)。

 初蝶はショ・チョウと読んで、諸、調。
 屋根はオク・コンと読んで、臆、混。
 子供はシ・キョウと読んで、詞、協。
 屯してはトンと読んで、団。
☆諸(もろもろ)調べる臆(胸の内)。
 混ぜた詞(ことば)を協(合わせて)団(一つにまとめる)。


『飯島晴子』(私的解釈)㉗+

2020-07-28 07:05:09 | 飯島晴子

   冬の川十一面のばらまかれ

 冬の川は流れが細く浅い。そこへ十一面(観音)が鎮められたという。なにか非情な感じがするが、災難を避けるためむしろ護るために川に隠したという話である。

 冬の川はトウ・センと読んで、悼、千。
 十一面はトウ・イツ・メンと読んで、党、溢、面。 
 ばらまかれ(散撒)はサン・サンと読んで、賛、惨。
☆悼(死を悲しみ)千(たくさん)の党(なかま)で溢(いっぱいになった)。
 面(うわべだけ)賛(たたえているのは)惨(痛ましく思った)。

 冬の川はトウ・センと読んで、套、潜。
 十一面はトウ・イチツ・メンと読んで、透、逸、面。
 ばらまかれ(散撒)はサン・サンと読んで、参、惨
☆套(おおい)潜(隠しても)透(透けて見え)逸(もれている)。
 面(向き合い)参(仲間に加わるのは)惨(みじめである)。


R.M『色彩の変化』②

2020-07-28 06:32:27 | 美術ノート

 絵というものは決定であって、動くような変化はない。しかし、兆しというものは有るかもしれない。
 よく見るとフレームは床に着地もしていないし壁に張り付いてもいない。浮遊状態であるから、いずれ落下するに違いない。
 枕は床線を隠しているので分かり難いが、明らかに斜面の上であるから次第にずれていく可能性を孕んでいるにもかかわらず、その大きさと安定感からむしろ枕の側に重みを感じ床の傾きを相殺している印象がある。
 ゼブラ模様の面は右の壁の影から推して壁の背後にあるにもかかわらず、模様の鮮明さから壁より手前にあるように感じる。

 フレームの二つの画面も不穏であり、平面というより奥深い闇、果てしない宙宇として抜け感がある。
 それぞれが微妙に主張し、動く気配を潜ませている。決して動かない平面の作画があたかも変化を内包している兆しを感じる不思議な企画である。


 写真は『マグリット』展・図録より 


『注文の多い料理店』2.

2020-07-28 06:16:32 | 宮沢賢治

「ぜんたい、こゝらの山は怪しからんね。鳥も獣も一疋も居やがらん。なんでも構わないから、早くタンタアーンと、やつて見たいもんだなあ。」


☆算(見当をつけると)解(わかる)兆(きざし)が、重なっている。
 逸(隠した)諸(もろもろ)に拠る講(話)が、双(二つ)現れる。