続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)くれなゐは。

2021-09-18 06:16:58 | 飯島晴子

   くれなゐは鳥の貌にも山曇り

 くれなゐ(紅)はコウと読んで、荒。
 鳥の貌はチョウ・ボウと読んで、懲、防。
 山曇りはサン・ドンと読んで、散、吞。
☆荒(でたらめ)を徴(こらしめ)防(さまたげる)には、散(自由気まま)を呑(滅ぼすこと)である。

 くれなゐ(紅)はコウと読んで、更。
 鳥の貌はチョウ・ボウと読んで、調、謀。
 山曇りはセン・ドンと読んで、選、呑。
☆更(新しく入れ替え)調(整える)謀(計画)、選(多くの中からえらび)呑(他を取り込む)。

 くれなゐ(紅)はコウと読んで、厚。
 鳥の貌はチョウ・ボウと読んで、弔、亡。
 山曇りはサン・ドンと読んで、惨、鈍。
☆厚(てあつく)弔(死者をいたむ)亡(死)、惨(傷ましく)鈍(動作が遅い)。

 くれなゐ(紅)はコウと読んで、稿。
 鳥の貌はチョウ・ボウと読んで、帳、謀。
 山曇りはセン・ドンと読んで、専、貪。
☆稿(下書き)の帳(ノート)には謀(はかりごと)がある。
 専(自分の思うまま)に貪(過度によくばっている)。


鈴木しづ子(私的解釈)あきのあめ。

2021-09-17 07:38:34 | 鈴木しづ子

   あきのあめ衿の黒子をいはれけり

 秋の雨。物寂しく、終わりを告げる気配である。
 不意に男が耳元でささやく「こんなところにホクロが・・」と。
 男の顔は、男の唇は女に被さる位置にあり、胸と胸がかさなり、予感が走る。
 時が止まる瞬間の高鳴り・・・けれど、この恋はすでに秋の雨と化している。

 未練、離れがたい情念のほとぼり。男は黒子を想い、女は消えない黒子にため息をつく。過ぎた時間に容赦はない。


『飯島晴子』(私的解釈)アネモネの。

2021-09-17 07:27:25 | 飯島晴子

   アネモネのむらさき落ちてゐる戦さ。

※アネモネのお紫の花びらが落ちている、きわめて鮮やかである。

 むらさき落ちて(紫落)はシ・ラクと読んで、糸、絡。
 ゐる戦さ(居戦)はキョ・センと読んで、去、専。
☆糸が絡(からまる)のを去(取り去る)専(ひたすら)。

 むらさき落ちて(紫落)はシ・ラクと読んで、枝、落。
 ゐる戦さ(居戦)はキョ・セアクアクンと読んで、巨、剪。
☆枝を落とすのに巨(数が多いとき)は剪(切り揃える)。

 むらさき落ちて(紫落)はシ・ラクと読んで、詩、楽。
 ゐる戦さ(居戦)はキョ・センと読んで、拠、千。
☆詩を楽しむ拠(より所)は千(たくさん)ある。


D『与えられたとせよ:(1)落ちる水、(2)照明用ガス』3。

2021-09-17 07:02:53 | 美術ノート

 人間の証明、あくまで人間はどう生まれ、生かされてきたのかを追及し尽くし、結論を思いあぐねたのではないかと思われる。

 人間が生きる必須の条件、落ちる水と照明用ガス。
 重力と水、太陽と空気はすでに与えられている。そこに誕生したであろう人類の秘密。裸体の女が手に持つ灯り、これこそが人が手にした原初の知恵であり、生きる糧である。
 人のDNAをどこまでも探っていくとアフリカにお母さんに行き着くと言われている。女ありきで人は家族・社会を形成していったのだろうか。
 扉を覗くと、仰向けに寝転んだ大股開きの女性の裸身が見える造りになっているらしい『与えられたとせよ:(1)落ちる水、(2)照明用ガス』の作品。

 人が人である理由。存在の連鎖、繁栄とは、差別とは・・・。
 原野の動物と隔てた知恵、叡智。女が高く掲げもったアーク灯、エネルギーの転嫁が今日の礎であり、生命の連鎖・進化を助けたのかもしれない。


 写真は『DUCHAMP』 www.taschen.comより


『水仙月の四日』10。

2021-09-17 06:28:04 | 宮沢賢治

 雪狼どもは頭をふつてくるりとまはり、またまつ赤な舌を吐いて走りました。

 大神たちは信仰をかざし、赤(釈・意味を解き明かす/事情を説明する)舌(言葉)を放って走りました。

「カシオピイア、
 もう水仙が咲き出すぞ
 おまへのガラスの水車
 きつきとまはせ。」
 雪童子はまつ青なそらを見あげて見えない星に叫びました。

 カシオピイアは周極星、北極星を回っている。話の舞台は天と地、現世と冥府、生死の境界の彷徨の時空にある。


『飯島晴子』(私的解釈)幼子の。

2021-09-16 07:32:19 | 飯島晴子

   幼子の手の腥き春の空

 幼子はヨウ・シと読んで、庸、指。
 手の腥およんできはシュ・セイと読んで、趣、凄。
 春の空はシュン・クウと読んで、瞬、食う。
☆庸(つね)に指(指さす)趣(考え)は凄まじく瞬(またたく間)に食う(相手を負かすこと)である。

 幼子はヨウ・シと読んで、鷹、姿。
 手の腥きはシュ・セイと読んで、狩、征。
う 春の空はシュン・クウと読んで、瞬、空。
☆鷹の姿を狩で征(撃つ)瞬(またたく間)は空(虚しい)。

 幼子はヨウ・シと読んで、容、姿。
 手の腥きはシュ・ショウと読んで、殊、粧。
 春の空はシュン・クウと読んで、悛、空。
☆容姿を殊(特別)に粧(装うこと)を悛(あらためる)。
 空(無駄である)。

 


D『与えられたとせよ:(1)落ちる水、(2)照明用ガス』2。

2021-09-16 07:10:58 | 美術ノート

 与えられたとせよ、命令形である。ここより前は問うまいという覚悟である。
(ここから)ここを基点としてルーツ、原点の扉を展いていく。

 長い(あるいは短い?)歴史、人類の根拠に迫る。
 長い時間をこの古びた扉に集約させている。人が人たりうる人智、覗き穴(視覚)、手垢の汚れ(触覚)を凌駕する好奇心、閉じられたもの、忘れられたものへの郷愁と探求心、あらゆるものの集合であるこの扉。
 内部の設置はより厳密に計画され、覗くという行為でしか推しはかれない時間の隔絶がある。

 連綿と続いてきたはずの人類の歴史/時間、原初に迫る問い。

 現在の複雑さを解く鍵がこの原初に秘められていたのかを探索する試みである。扉は決して開かない。覗き穴という極小の視野が鑑賞者の脳裏を刺激するだけに留まる工作かもしれない。


 写真は『DUCHAMP』 www.taschen.comより


『水仙月の四日』9。

2021-09-16 06:44:15 | 宮沢賢治

雪狼のうしろから白熊の毛皮の三角帽子をあみだにかぶり顔を苹果のやうにかがやかしながら、雪童子がゆつくり歩いて来ました。

 大神のうしろから白(あきらか)に熊(ユウと読んで幽、死者)である毛皮(モウ・ヒと読んで、亡・秘)の死装束である冠(三角帽子)を阿弥陀にかぶり顔(face→faith/信仰)をかがやかしながら、雪童子(説/道を示す人)がゆっくり歩いて来ました。


『飯島晴子』(私的解釈)六月や。

2021-09-15 07:21:10 | 飯島晴子

   六月や白き羽毛を身にもどし

※梅雨寒である。

 六月はロク・ガツと読んで、麓、月。
 白き羽毛はハク・ユウ・モウと読んで、薄、有、望。
 身にもどし(身戻)はシン・レイと読んで、森、嶺。
☆麓の月が薄く有(存在している)。
 望(遠くを見る)森の嶺(山の頂)である。

 六月はロク・ガツと読んで、録、合。
 白き羽毛はハク・ウ・モ及んでウと読んで、白、迂、猛。
 身にもどし(身戻)はシン・レイと読んで、真、励。
☆録(書き記して)合わせる、と白(申し上げる)。
 迂(遠回り)に猛(激しく)真(まじめに)励(力を尽くしている)。

 六月はロク・ガツと読んで、碌、合。
 白き羽毛はハク・ウ・モウと読んで、白、有、亡。
 身にもどし(身戻)はシン・レイと読んで、審、零。
☆碌(役にたたないさま)の合(太陽と惑星が同一方向にある状態)は、白(何もない)。
 有(存在する)が、亡(逃げて姿を隠す)。
 審(つまびらかにする)と、零(ゼロ)である。


D『与えられたとせよ:(1)落ちる水、(2)照明用ガス』

2021-09-15 06:59:08 | 美術ノート

   『与えられたとせよ:(1)落ちる水、(2)照明用ガス』

 このタイトルは何だろう…存在の原初を考えるにつき、落ちる水と照明用ガスは与えられていたという前提から始めねばならない、という。

 たしかに、水地球であり、落ちるとは、重力である。照明用ガスは光と空気を指し、太陽の足下の地球が生物(人間)の根幹であり、落ちる水と照明用ガスは既に与えられている時点から始める、あるいは遡ってみようという実験である。

 煉瓦で縁取られた入口、すでに上部は曲線になっており(キー・ストーン)で抑えるというデータは準備されている。木材の使用、伐採から加工まで、そして留め具(釘)の付いた板戸は、生活を守る必須である。

 長い時間を経たらしい手垢、部分の劣化、継ぎはぎの修正。人の眼の高さには覗き穴も確認できる。
 人が人として立つ必要かつ十分条件の提示である。


 写真は『DUCHAMP』 www.taschen.comより