続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)大枕。

2021-10-22 07:21:00 | 飯島晴子

   大枕つくれば冬の露がつく

 大枕はタイ・チンと読んで、頽、沈。
 つくれば冬の(作冬)はサ・トウと読んで、砂、塔。
 露がつく(露付)はロ・フと読んで、露、風。
☆頽(崩れて)沈む砂の塔、露(さらけ出した)のは風である。

 大枕はタイ・チンと読んで、他意、陳。
 つくれば冬の(作冬)はサ・トウと読んで、査、到。
 露がつく(露付)はロ・フと読んで、露、譜。
☆他意を陳(述べている)。
 査(調べて)到(いたりつく)と、露(あらわれる)譜(物事を系統的に書き記したもの)。

 大枕はタイ・チンと読んで、滞、賃。
 つくれば冬の(作冬)はサ・トウと読んで、嗟、党。
 露がつく(露付)はロ・フと読んで、漏、腐。
☆滞(とどこおる)賃(報酬としてもらう金銭)を嗟(嘆く)党(仲間)の漏(内情)に腐(心を痛めている)。


M『喜劇の精神』3.

2021-10-22 06:58:27 | 美術ノート

 切り紙細工の人型も、背景も、地上(床)も単色(フラット)であり、地上と背景の距離が分からない。人型の影が地上で切れており、大きな溝、間隔を予感させるのですが、背景自体の具体性に欠けるため関係性は不明、深淵の時空である。

 地上はフラットでありながら片足を軽く埋没させている。しかし人型が紙状の軽さゆえ、危機感を感じさせない。かなりの勾配の坂を直立で立ち、不安感を与えない。 
人型を人間に置き換えて見ると、このポーズはあり得ないほどのエネルギーを要するはずである、むしろ立っていることは困難である。

『喜劇の精神』というのは、ごく軽く見えて、内実は予想をはるかに超えたパワーの起爆があるとマグリットは進言する。そして、わたしの作品においても、と呟いているのではないか。

 写真は『マグリット』展・図録より


『水仙月の四日』32。

2021-10-22 06:23:27 | 宮沢賢治

 雪婆んごの、ぼやぼやつめたい白髪は、雪と風とのなかで渦になりました。どんどんかける黒雲の間から、その尖つた耳と、ぎらぎら光る黄金の眼も見えます。

☆白髪が渦になる…幻想的な大きな空間は、宇宙から地上を覗いたような景色です。
 どんどんかける黒雲の間から…非情な速さ、この激流は異空間、非現実的な様相を呈しています。とにかく時空を超越した景色です。
 尖った耳と、ぎらぎら光る黄金の眼…四日の月。

 西の方の野原から連れてこられた三人の雪童子も、みんな顔いろに血の気もなく、きちつと唇を嚙んで、お互挨拶さえも交はさずに、もうつづけざませはしく革むちを鳴らし行つたり来たりしました。

☆西(冥府)の方の野原(field/物理的力の場、界)から連れてこられた三人の雪童子(死の導師/阿弥陀仏・観音菩薩・勢至菩薩)も、みんな血の気もなく(青はショウと読んで照/あまねく光が当たる=平等)、きちつと唇を嚙んで(無言)、お互挨拶さえも交わさずに、もうつづけざませわしく革むち(革はカクと読んで覚/さとり)を鳴らし(鳴はメイと読んで、命→申しつける)行ったり来たりしました。


『飯島晴子』(私的解釈)秋の婿。

2021-10-21 07:08:25 | 飯島晴子

   秋の婿城照らす燈真青に

 秋の婿はシュウ・セイと読んで、衆、生。
 城照らす燈はジョウ・ショウ・トウと読んで、常、照、燈。
 真青はシン・セイと読んで、新、生。
☆衆(大勢の人)の生(命)は常に照(あまねく光が当たる=平等)である。
 等しく新しく生まれたものである。

 秋の婿はシュウ・セイと読んで、師友、棲。
 城照らす燈はジョウ・ショウ・トウと読んで、浄、衝、棟。
 真青はシン・ショウと読んで、浸、床。
☆師友の棲(住まい)を浄(きれいにする)。
 衝(かなめ)は棟(建物)の浸(水がしみ込んだ)床である。

 秋の婿はシュウ・セイと読んで、周、星。
 城照らす燈はジョウ・ショウ・トウと読んで、常、衝、当。
 真青はシン・ショウと読んで、真、消。
☆周(ぐるりと回る)星の常、衝(外惑星が地球から見て太陽と正反対の方向にほぼ一直線に並んだ状態)に当たるのは真(本当)であるが、消(消えて見えない)。


M『喜劇の精神』2.

2021-10-21 06:38:12 | 美術ノート

 喜劇・・・観客を愉快にさせる劇(仕事)である。
 自分の中のエネルギーを燃やし、自分を無にして臨む。自分の本当の姿は見せない。

 紙切れのように所在なく立つ穴の開いた人型(シルエット)、しかし足元の片方は地(床)にめり込んでいる。つまり坂の上に立つ人型は転倒を余儀なくされるはずだが、顔は反対側を向き体は垂直に立っている。
 これは相当なエネルギー消費である。死力を尽くして、平然としていると言ってもいいかもしれない。

 四方(上下左右)に連鎖(解放)された精神の広がり。見かけはごく軽い風情であるが、『喜劇の精神』は過酷を踏まえた超人の技(仕事)である。

 写真は『マグリット』展・図録より


『水仙月の四日』31。

2021-10-21 06:22:17 | 宮沢賢治

「ひゆう、ひゆう、さあしつかりやるんだよ。なまけちやいけないよ。ひゆう、ひゆう。さあしつかりやつてお呉れ。今日はここらは水仙月の四日だよ。さあしつかりさ。ひゆう。」

 ひゆう→非有。
 今日は水仙月の四日だよ→今日、限定である。
 水仙の咲くころ(晩秋から初春がろまで)。
 四日、朔日の月は見えない。三日、あるいは四日の月は地平線から垂直に舟の形になる。
☆非有(存在の否定)、非有(存在を失くす)、さあ、しっかり、現世の姿を消すんだよ、なまけちゃいけない。非有(存在=生を消す)、非有(向こうへ送る)、さあ、しっかりやっておくれ。今日はこの辺りの月は水仙月の四日(死の日)だよ。


『飯島晴子』(私的解釈)黒き板。

2021-10-20 07:31:46 | 飯島晴子

   黒き板はつてたのしむ花婿たち

 黒き板はコク・バンと読んで、石、版。
 はつてたのしむ(張楽)はチョウ・ラクと読んで、彫、絡。
 花婿たち(花婿達)はカ・セイ・タチと読んで、果、成、質。
☆石版を彫る絡(筋道)は、果(思い切りやる)と成(出来上がる)質(内容)である。

 黒き板はコク・ハンと読んで、酷、叛。
 はつてたのしむ(張楽)はチョウ・ガクと読んで、長、愕。
 花婿たち(花婿達)はカ・セイ・タツと読んで、果、凄、撻。
☆酷(容赦なく厳しく)叛(さからうこと)に長(団体、機関の最上位の人)は愕(おどろき)、果(結末)は凄(すさまじく)撻(鞭でたたく/反撃を食う)。

 黒き板はコク・バンと読んで、古句、番。
 はつてたのしむ(張楽)はチョウ・ガクと読んで、帳、学。
 花婿たち(花婿達)はカ・セイ・シツと読んで、暇、生、質。
☆古句を番(代わる代わる)帳(ノート)で学ぶ。
 暇(仕事のない手すきの時)の生(暮らし)の質(内容/中身)である。


M『喜劇の精神』

2021-10-20 07:03:21 | 美術ノート

   『喜劇の精神』

 喜劇→面白おかしく観客を笑わせながら人生の真実を表そうとする劇。
 人型に切られた薄い切り紙状のものが、地上に立っている。薄い切り紙状のものが、地上に立っている。たつことはたつことは地は坂(斜めの傾いている)であり、何らかの力(エネルギー)の作用が無い限り立つことは不可能である。

 紙(平面)は垂直にはそれぞれが線対称になっており、上下にはどこまでも続く連鎖の模様になっている。つまり、無限、永遠をまとっている。

 いかにも転倒を余儀なくされる風体(外見)、しかも向こうが透けて見えている(中身の無)、吹けば飛ぶしかない見かけは観客に危惧を念を起こさせ優位を抱かせる。
 喜劇の精神の観客への旺盛なサービス精神、喜劇の精神は観客を魅了するとともに大いなるエネルギーを燃やすものである。

 写真は『マグリット』展・図録より


『水仙月の四日』30。

2021-10-20 06:22:45 | 宮沢賢治

 雪童子はまるで電気にかかつたやうに飛びたちました。雪婆んごがやつてきたのです。
 ぱちつ、雪童子の革むちが鳴りました。狼どもは一ぺんに跳ね上がりました。雪わらすは顔いろも青ざめ、唇も結ばれ、帽子も飛んでしまひました。

 電気はデンキと読んで、伝奇/不思議な話。
 雪婆んご→猫のような耳をもち/猫はビョウと読んで平(偏らない)、耳はジと読んで慈(いつくしみ)。猫はcatからcatch(捉える、太陽の光をとらえる存在としての月)
 革むち→革はカクと読んで、覚(さとり)、むちは鞭(あるいは無智を悟る)。
 顔いろも青ざめ→顔はfaceからfaith(信仰)、青はショウと読んで、照(あまねく光が当たる=平等)。
 唇も結ばれ→シン・ケツと読んで、心血(精神と肉体すべて)。
 帽子→ボウ・シと読んで、亡、死。
 飛ぶ→ヒと読んで、秘(人に見せないように隠す)
☆死の導師はまるで不思議な話のように飛びたちました。雪婆んご(月)がやってきたのです。
 ぱちっ、死の導師の覚(悟りの無智)がなりました。大神たちも一度に跳ね上がりました。信仰の平等も心も体も死亡も見えないようになりました。


『飯島晴子』(私的解釈)婿かへる。

2021-10-19 07:20:19 | 飯島晴子

   婿かへる朝山秋の青葉嚙み

 婿かへる(婿帰)はセイ・キと読んで、征、企。
 朝山秋はチョウ・サン・シュウと読んで、挑、散、衆。
 青葉嚙みはセイ・ヨウ・ゴウと読んで、勢、様、剛。
☆征(遠くへ行くこと)を企(計画し)挑(いどむ)散(自由気ままな)衆(人たち)は勢いがある。
 様(ありさま)は剛(強く勇ましい)。

 婿かへる(婿帰)はセイ・キと読んで、制、紀。
 朝山秋はチョウ・サン・シュウと読んで、帳、参、修。
 青葉嚙みはセイ・ヨウ・ゴウと読んで、政、要、合。
☆制(とりきめ)を紀(書き記す)帳(ノート)がある。
 参(比べ合わせ)修(整えて)政(祭りごと)の要を合わせる。

 婿かへる(婿帰)はセイ・キと読んで、製、機。
 朝山秋はチョウ・セン・シュウと読んで、調、専、就。
 青葉嚙みはショウ・ヨウ・ゴウと読んで、匠、様、豪。
☆製(作る)機(精密な働きをする道具)を調(整える)。
 専(ひたすら)就(成し遂げる)匠(たくみ)の様(姿)は豪(優れている)。