ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

原油安、円高だが、なぜか庶民の生活に反映されない(学校で教えてくれない経済学)

2009-01-09 08:52:17 | 経済学
 たまたま一年前の08年1月9日の讀賣新聞朝刊の経済欄のスクラップが手元にあった。昨年1月8日の日経平均株価14,528円、対米ドル顧客売りレート110.01円、米ドル外貨預金6ヶ月物金利2.71%と出ている。

 一年後の1月9日の同朝刊によると、日経平均株価8,876円(前年同日比61%),対米顧客レート93.78円〈同85%〉,対米ドル外貨預金6ヶ月物金利0.01%(同0.36%)である。

 一年前の1月8日の記事に、「NYM原油反発、バレル97ドルで取引された。1月3日、史上最高値の100.09ドルをつけた。」と出ていた。一年後の1月8日のNY原油はバレル41.70ドルで取引を終了した。様変わりである。為替はドル=91.13円である。

 昨年9月15日、リーマンブラザーズが破綻した。ここへ来て金融不安は沈静化の兆しが出ているが、商品相場下落、米雇用情勢は悪化したままで回復のメドは立っていない。オバマ米大統領の政策期待はあるが、米小売不振を嫌気してNYダウは前日比27ドル安、8,742ドルで取引を終了した。一年前の67% である。

 日本の株価の下げに比べNYダウも下げたがまだ下げ方は少ない。日本円の値打ちは対ドルで15%上がった。株価は39%値下がりした。外国人にコントロールされている日本の株式市場の構造が裏目となり、外人の換金売りが日本株に集中的に出た結果である。

 為替レートで見れば、一年前と比べて、日本円は対ドルで15%値上がりした。対ユーロでは22%、対英ポンド35%、対豪州ドル31%、対韓国ウオン39%と値上り幅の大きさが目立つ。しかし、99%海外から資源を輸入する日本の店頭価格になぜか素直に反映しない。

 一年前の新聞には「原油急騰、家計を直撃」と題して、NY原油がバレル100ドルをつけたことを取り上げ、原油値上りが日用品に波及することを警戒した記事を掲載している。現在、原油もガソリンも1/3以下に値下がりした。値下がり効果を新聞は取り上げない。

 一年前全ての金融機関は、外貨預金を庶民に奨励していた。対米ドル外貨預金レートの0.01%ほどでないが、対ユーロ0.99%〈一年前は2.90%〉、対英ポンド0.75%〈同3.96%〉と金利低下が著しく、一年前に外貨預金した人は利下げと為替目減りのダブルパンチである。

 英国中央銀行(ECB)は、1月8日、主要政策金利を年2.0%から1.5%へ引き下げを決めた。1694年設立以降最低の金利ということで欧米メディアも一斉に取り上げている。英国の金利は英国景気が米国以上に悪いことからゼロ金利に限りなく近づく見通しである。

 ECBの利下げの余波を受けて、ユーロ金利も金利低下期待する専門家は多い。日本の専売特許だった「ゼロ金利」に加えて、欧米の中央銀行が「金融量的緩和」との「併せわざ」で金融危機乗り切ろうとする姿勢が最近特に目立ってきた。

 為替レートでは、中国人民元は一年前は15.02円だった。今年1月8日のレートは13.57円と約10%日本円は値上がりした。台湾ドル17%、香港ドル15%と韓国ウオンほどでないがアジア通貨に対しても日本円の値打ちは上がっているが店頭価格に反映してこない。

 原油、穀物相場が値下がりし、円高が一段と進んだ。ところが電気代、ガス代も下がらず、庶民生活に反映してこない。国会では「定額給付金」を巡り不毛の議論を展開している。

 一年前の新聞が結構いろいろなことを教えてくれる。是非国会でも議論して欲しい。〈了〉

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする