ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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円高を生かせぬ企業は生き残れない、ドル89円、ユーロ117円(学校で教えてくれない経済学)

2009-01-15 08:45:32 | 経済学
 JR神戸線に住吉という駅がある。14年前の大震災のあとすっかりさびれていた。六甲アイランド線と接続しているが、快速電車が停車するようになってから徐々に乗降客が増え始め、最近は見違えんばかりに活気が出てきている。

 JR住吉駅から徒歩3分ほどのところに国道2号線がJR神戸線と平行して東西に走っている。2号線に面して元あった外食店デニーズが業績不振で閉店、そのあとにセブンイレブンが1月14日オープンした。

オープン記念に食パン5枚入り一袋の無料券つきのチラシが朝刊に入っていた。「チラシに引かれてコンビ二参り」と相なった。スパゲッティ、焼きそば、サラダ各種、その他菓子類など多くの商品が20%引きで棚に多数並んでいた。

大幅値引きには慣れていても、食パン一袋無料、一個100円強の品物が50円引きという値札をちらつかされると、つい衝動買いする。おにぎり4種類を各一個買って帰宅した。安くすればまだ売れる。外食店を閉めてコンビ二店に転換した。世相の一端を教えてくれる。

一方、米国の消費動向を占う上で注目された12月の米小売高が予測の2.1%減を大きく上回り、前年同月比2.7%減と6ヶ月連続でマイナスとなったと米商務省が1月14日発表した。変動の大きい自動車を除くと3.1%減少した。1月以降も米消費は低迷している。

米FRB(連邦準備制度理事会)は、米国の主要地区の景況感をまとめたベイジュブックを発表した。銀行の貸し渋りと個人消費の落ち込みの影響を受けて、全地区で業況は悪化した。

米フイラデルフイァ連銀総裁が米国を現在のペースで制約なしで財政出動を続けていくと米FRBが機能麻痺を起こす。極めて危険であると警告したと今朝のブルームバーグニュースが伝えていた。オバマ新政権のなりふり構わぬ刺激策に一石を投じた格好だ。

オバマ次期米大統領に財務相に指名されたガイトナー前NY連銀総裁が過去に税金未納問題が出た結果、米議会での承認が21日以降にずれることになった。同氏はオバマ氏による景気刺激策の目玉閣僚である。新政権に少なからずダメージを与えるとの見方が多い。

米国以外では、ドイツ銀行が、10~12月期決算で、48億ユーロ(約6,200億円)という巨額の赤字を出したと発表した。前期は10億ユーロの黒字だった。ここ50年で赤字は初めてと言う。ひとり堅調を維持していたかに見えたドイツのお台所での事件は衝撃だった。

悪いニュースが山積する中、1月14日のNY株式市場は冴えない展開に終始した。一時300ドル以上値下がりしたがなんとか248ドル安に踏みとどまり8,199ドルで終了した。ダウ採用30銘柄全て値下がりした。シテイーが22%急落、金融株の値下がりが目立った。

NY原油(WTI)先物相場が米石油在庫の増加を嫌気して続落、一時バレル35.52 ドルまで下げたが37.43ドルで取引を終了した。天然ガスも値下がりし一時5ドルを割った。

NY外国為替市場では、欧米での金融不安再燃で、安全通貨、避難先として日本円が買われ、対ドルで89.08円、対ユーロ117.19円で取引された。木曜日開催予定のECB(欧州中央銀行)会合で0.5%以上の利下げとなれば対ユーロで円相場がさらに上昇しそうだ。

食パン無料券に釣られてコンビ二で買い物した。高級品で稼いでいたデパートの凋落が目立つ。個人消費がカギを握る。円高を生かせない企業はいよいよ生き残れないだろう。(了)

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