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ウクライナは遠い国か?(学校で教えてくれない経済学)

2009-01-02 12:27:04 | 経済学
 ウクライナのユーシェンコ大統領は、「ロシア、ウクライナ間の天然ガス供給停止問題に関する交渉は妥結に近づいており、1月7日までに終了する」と発表したとWSJ紙(1月1日付け)は伝えた。
 日本に住んでいるとロシアがウクライナに天然ガス供給を止めると聞いてもピンと来ないひとが大部分である。日本の電力発電の30%が原子力で、次いで25% が天然ガスに依存していると話しても、日本人はなかなか自分の問題として受け止めようとしない。
 日本は資源の99%を海外から輸入している。にもかかわらず世界の動きに関心がほとんどない。NHK・BS「おはよう世界」という優れものの番組がある。日本人のなかで一体何人の人があの番組を見ているのだろうか。年寄りはいいから、特に若者に見て欲しい。
 ロシアはウクライナへの天然ガスを2006年にも止めたことがある。天然ガスの供給のほぼ80%をウクライナ経由のパイプライン通じて輸入している西欧諸国は真っ青になった。水面下ではロシアと何らかの動きをしているのだろうが、今回は表面化していないようだ。
 WSJ紙は、ロシア国営企業ガスプロム(Gazprom)はウクライナ政府に,09年の天然ガスの売り渡し価格を200ドル程度と想定していた。1000立方メートル当たり08年の179.5ドルから250ドルへ引き上げたので拒否したと伝えている。
 昨日のWSJ紙によると、昨年10月からウクライナはガスプロムに未払い状態が続いていた。ガスプロムは昨年の原油高騰につれ高した天然ガス相場急騰の恩恵を受けて、第2四半期の純利益が前年同期の3倍、3000億ルーブル(1,020億ドル)を記録した。
 ところがその後原油暴落の影響で天然ガス相場が急落、原油相場がバレル40ドル前後で止まれば、ガスプロムの利益は09年で320億ドル、10年には175億ドルまで減ることになる。危機感を持ったガスプロムが出荷削減に踏み切ったとWSJ紙は解説している。
 ベルリンの壁が崩壊して2009年は20周年を迎える。ウクライナは人口5000万人、教育レベルも高く、産業基盤もしっかりしており、旧ソ連邦の中でも経済的にも突出した地域だった。ウクライナはソ連邦崩壊で分離独立して誕生した。
 ロシアは昨年8月、ウクライナの隣国グルジアの南オセチアへ侵攻した。ロシアとウクライナの緊張がにわかに高まり、ロシアは冷戦時代へ回帰かとの懸念まで言われた。この事件後ウクライナのNATO加盟にブレーキがかかったと指摘する専門家は多い。
 日本では経済のことはわからないと平気で口に出す総理は多い。政治と経済は密接に関係していることを政治家自身が十分理解していないから寒々しい思いだ。今回のウクライナとロシアとの天然ガス供給停止も経済問題でありながら政治と不可分であると教えている。
 原油相場が高値のバレル147ドルから現在40ドルまで値下がりした。ロシアはサウジアラビアについで世界第二の産油国である。天然ガスでは世界トップの生産国で世界シエアの25%を占めている。昨年末、ガス版OPECを結成したことは記憶に新しい。
 ウクライナの小学二年の教科書に松尾芭蕉の話が出ているそうだ。間もなく大相撲春場所が始まる。大鵬幸喜といえば第48代横綱、幕内最高優勝32回の大力士である。大鵬の母親は日本人だが父親はウクライナ人である。ウクライナの動きにも注目して欲しい。(了)

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