ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

2008年、戦後最大、米失業者259万人増、NYダウ143ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2009-01-10 12:48:43 | 経済学
 戦争中、疎開をしていたとき、食事をまともにいただいたことがないという話をしても、なかなか通じないことがよくある。ところが先日テレビニュースで上野公園「炊き出し」現場で「ご飯がこんなにおいしいとは思わなかった」と話す若者の声を聞いて妙にほっとした。

食べるということでは、最近、特に気になるコマーシャルがある。以前、あるお相撲さんが「うまい!!」とご飯を掻き込む場面があったが、最近は「うちの子供がねぇ、お茶漬けが大好きなの!」という母親のせりふが出てくる。ご飯は噛むもので掻き込むものではない。

亡父のすぐ下の弟は10歳で亡くなった。「あの子は小さいときからお茶漬けが好きだったからだ」と言っていた父の言葉がいまも耳に残っている。メタボで悩むご婦人がよく噛んで食事をはじめたら、お腹が着実にへこんできたというから噛むことの効用は絶大なようだ。

「噛む」ということばを広辞苑でひくと「上下の歯で物をおしくだく。咀嚼するなど」と出ている。「噛む」は「口」偏に「歯」と書く。「年齢」という文字にも「歯」という字が入っている。人生を噛みしめて送っておられる方に、稀に出会うとほっとする。

前置きが長くなった。米労働省が、12月の非農業部門の雇用者数が52万400人減少したと発表した。11月の改定数字では58万4,000人だったから「改善」とみる意見もある。年間通じてみると259万失業した。失業者は9月からの4ヶ月で一気に増えた。

今朝のWSJ紙によると、1月に入ってからでも、AT&T,デュポン、バンクオブアメリカ、アルコアなど米国のトップ企業が一斉に首切り(Job Cut)をはじめた。12月の失業率は7.2%へ上昇した。数ヶ月先には8%を越えるだろう。

ノンボランタリーの非正規社員を失業者に含めると12月の米失業率は、13.5%になる。一年前の失業率から6%以上増えた。時間当たり給与は前月比5セント増えて18.36ドルだったが、リセッションが賃上げを抑えていると今朝のWSJ紙は紹介している。

業種別では、サービス産業での失業増が27万3,000人と最大だが、次に大きい業種は、製造業で14万9,000人増、この内自動車関係で2万1,000人失業者が増えた。建設不動産は10万1000人増えた。米国が本格的なリセッション入りで失業が全業種に拡大してきた。

唯一明るい業種は、ヘルスケア、教育関係で4万5000人雇用が増加した。政府関係もわずかだが9,000人増加している。製造業や小売に比較的関連の薄いこれら関連の業種に人が流れ込んできているとWSJ紙は紹介している。

NY株式市場は、第二次世界大戦後最大という259万人の失業者が増えたという12月の雇用統計発表を受けて、売り先行で取引がはじまった。前日比143ドル、1.6%安、8,599ドルで取引を終了した。財務長官経験者のロバート・ルービン氏が辞職すると発表したシテー・グループの株価が5.7%急落したことも下げを助けたとWSJ紙は解説している。

NY原油(WTI)先物相場は、バレル81セント下げ、40.83ドルで取引された。金相場が安全投資先とされ、今週全体で見れば2.8%上げ854ドルで取引された。NY外国為替市場では、米失業増加を無視して、ECBの利下げ期待からドルが対ユーロで買われた。

ひもじい思いを経験したことがない人の話は信用できない。「職」を失うことはそのまま「食」を失うことにつながる。2008年米雇用が259万減った意味を噛み締めて欲しい。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする