1985年1月17日、朝5時46分、阪神淡路大震災に、再建前の自宅マンションの寝床の中で襲われた。突然、頭をわしづかみにされ、振り回され、たたきつけられたような感触が14年たったいまも残っている。
人間は動物の中でももっとも忘れ易い動物であるのかもしれない。震災を自ら体験したひとも、地震の話をほとんど全くといっていいほど触れなくなった。再建マンションは昨年12月改装された。10年先の大規模修繕のときは、生きていないだろうという人も増えた。
マンション内に限らない。神戸に限らず、日本全体で老齢化が間違いなく進んでいる。いつまた同規模の地震が起こるかもしれないと頭では分かりながら、あれほどひどい地震はまず来ないだろうと思っている。災害は忘れたころにやってくる。こころしたいと思う。
誰が言い始めたのか知らないが、いま100年に一度という言葉で、世界金融危機が取り上げられている。米国や欧州における深刻な状況が連日のように、欧米のメディアを通じて伝えられる。今朝のCNNテレビは、ロシアが天然ガスを止めたニュースを流していた。
巨額の投機資金が商品市場に流れ込んだ。それが相次ぐ大手の欧米の金融機関の破綻を契機に商品市場からの引き揚げをはじめた。9月15日のリーマンブラザーズ破綻以降、資金引き揚げ、相場下落、相場下落、資金引き揚げと悪循環がエスカレートしていった。
ロシアからの資金引き揚げは、ルーブル下落をを催促した。昨年7~8月ごろまでは1ドル=24~25ルーブルを維持していた。その後下げ続け、現在1ドル=32ドルまで値下がりしている。今朝のWSJ紙は、数ヶ月中に1ドル=50ルーブル割れも十分あると予測した。
欧米において金融不安が再燃している。欧州ではドイツ銀行が赤字決算を発表した。米国では、前四半期決算で、不良債権処理に伴い、バンクオブアメリカが17.9億ドル(1,611億円)の赤字、シティーグループが82.9億ドル〈約7,461億円〉赤字を発表した。
NY株式市場は、1月16日、大手金融機関の赤字決算にも関わらず、大型の公的資金投入効果に対する期待感から前日比68ドル高い8,281ドルで取引を終了した。オバマ米次期大統領就任に対する期待感の高まりが相場を下支えしている。
NY外国為替市場では、ユーロが久しぶりで買われ、1ユーロ=1.3345ドル、1ユーロ=120.31円で取引された。ECBが0.5%下げ後のユーロ値上りである。目先の不明な状態がECBの利下げにより、不確定要因が一つはずれたとして目先筋の買いが入ったようだ。
NY原油〈WTI〉先物相場は、需要不振、在庫増を無視して、前日比バレル3.1%上げ、バレル36.51ドルで取引された。調製をいれていた金相場も反発、オンス32.60ドル高い839.30ドルで取引された。商品相場がドル先安を見越して動き始めたのかどうか興味深い。
不良債権という地下のマグマがいつ吹き出してきてもおかしくない。にもかかわらず、オバマ期待は絶大で、1月20日の新大統領就任式をわくわくしながら迎えようとしている。
阪神青木駅から徒歩5分にある西林寺で、朝5時46分に、大震災犠牲者の追悼法要があった。「前(さき)にうまれしもの 後を導き 後にうまれしひと 前を訪(とむら)う」という親鸞上人のことばが紹介された。震災で幸い「いのち」を戴いたひとが亡くなったひとを訪ねる意と説明された。いのちを大切にして、100年に一度の不景気を乗り切りたい。(了)
人間は動物の中でももっとも忘れ易い動物であるのかもしれない。震災を自ら体験したひとも、地震の話をほとんど全くといっていいほど触れなくなった。再建マンションは昨年12月改装された。10年先の大規模修繕のときは、生きていないだろうという人も増えた。
マンション内に限らない。神戸に限らず、日本全体で老齢化が間違いなく進んでいる。いつまた同規模の地震が起こるかもしれないと頭では分かりながら、あれほどひどい地震はまず来ないだろうと思っている。災害は忘れたころにやってくる。こころしたいと思う。
誰が言い始めたのか知らないが、いま100年に一度という言葉で、世界金融危機が取り上げられている。米国や欧州における深刻な状況が連日のように、欧米のメディアを通じて伝えられる。今朝のCNNテレビは、ロシアが天然ガスを止めたニュースを流していた。
巨額の投機資金が商品市場に流れ込んだ。それが相次ぐ大手の欧米の金融機関の破綻を契機に商品市場からの引き揚げをはじめた。9月15日のリーマンブラザーズ破綻以降、資金引き揚げ、相場下落、相場下落、資金引き揚げと悪循環がエスカレートしていった。
ロシアからの資金引き揚げは、ルーブル下落をを催促した。昨年7~8月ごろまでは1ドル=24~25ルーブルを維持していた。その後下げ続け、現在1ドル=32ドルまで値下がりしている。今朝のWSJ紙は、数ヶ月中に1ドル=50ルーブル割れも十分あると予測した。
欧米において金融不安が再燃している。欧州ではドイツ銀行が赤字決算を発表した。米国では、前四半期決算で、不良債権処理に伴い、バンクオブアメリカが17.9億ドル(1,611億円)の赤字、シティーグループが82.9億ドル〈約7,461億円〉赤字を発表した。
NY株式市場は、1月16日、大手金融機関の赤字決算にも関わらず、大型の公的資金投入効果に対する期待感から前日比68ドル高い8,281ドルで取引を終了した。オバマ米次期大統領就任に対する期待感の高まりが相場を下支えしている。
NY外国為替市場では、ユーロが久しぶりで買われ、1ユーロ=1.3345ドル、1ユーロ=120.31円で取引された。ECBが0.5%下げ後のユーロ値上りである。目先の不明な状態がECBの利下げにより、不確定要因が一つはずれたとして目先筋の買いが入ったようだ。
NY原油〈WTI〉先物相場は、需要不振、在庫増を無視して、前日比バレル3.1%上げ、バレル36.51ドルで取引された。調製をいれていた金相場も反発、オンス32.60ドル高い839.30ドルで取引された。商品相場がドル先安を見越して動き始めたのかどうか興味深い。
不良債権という地下のマグマがいつ吹き出してきてもおかしくない。にもかかわらず、オバマ期待は絶大で、1月20日の新大統領就任式をわくわくしながら迎えようとしている。
阪神青木駅から徒歩5分にある西林寺で、朝5時46分に、大震災犠牲者の追悼法要があった。「前(さき)にうまれしもの 後を導き 後にうまれしひと 前を訪(とむら)う」という親鸞上人のことばが紹介された。震災で幸い「いのち」を戴いたひとが亡くなったひとを訪ねる意と説明された。いのちを大切にして、100年に一度の不景気を乗り切りたい。(了)