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「昼得」キップは重宝だが、なぜか円高還元は進まない(学校で教えてくれない経済学)

2009-01-12 11:18:01 | 経済学
 神戸と大阪の間をいつの頃からか「阪神間」と呼ぶようになった。どの当たりをそう呼ぶか諸説ある。芦屋、西宮界隈を指していうひとが多い。住む場所によって多少は違うが、例えば大阪へ出るにも神戸へ出るにも、JRでも阪急、阪神でも30分前後で可能である。

JR本山や住吉界隈の住民も神戸市民だが、感覚として「阪神間」の人間だと思っているひとが多い。一度は「阪神間」に住んでみたいと思うひとは昔から多いようだ。少なくとも便利だという点では、文句がつけようのない場所である。

ところが、世の中うまい話ばかりではない。14年前の1月17日に阪神淡路大震災がその「阪神間」を痛撃した。「阪神間」は表向き綺麗になった。一皮むけば家族それぞれに、からだの奥深くまで傷を抱えている。神戸株式会社と揶揄された神戸市もその一例である。

JR本山駅から神戸元町まで10キロほどの距離がある。JRに乗れば170円かかる。土地のひとはなぜか俗にバッタ屋と呼ぶ、チケットを特売する場所で買えば、土曜、日曜と平日の午前10時から午後5時までの間であれば135円である。同距離、私鉄よりJRが安い。

いつものように話は飛ぶ。一年前たまたまベルギーへ出かける機会があった。その時のレートがバッタ屋で1ユーロ=170円だった。先週末のNY外国為替市場で、1ユーロ=121.77円前後で取り引きされた。バッタ屋で買えば多少高いが1ユーロ=130円で買えるだろう。

先のキップのことを土地のひとは「昼得」と呼んでいる。170円区間で35円「得」だから、大いに重宝している。生活防衛のせいだろう駅前のバッタ屋に並ぶ人が最近急増した。

170円区間を135円で買える。為替の世界では、1ユーロ=170円が1ユーロ=135 円で買えると置き換えれば分かりやすい。公式レートで計算すれば、160円だったユーロが121円で買える。25%分、日本円の値打ちが上り、日本はユーロ圏からその分安く買えるようになった。この逆で自国通貨の値打ちが下がれば、即狂乱物価である。

昨晩たまたまCNNテレビを見た。世界の場末でのランチタイムの食べ物店めぐりの番組を放送していた。日本もいれて、ホンコン、バンコック、イスラマバード、メキシコ、ロンドンなど一ヶ所3~4分程度の時間で足早に紹介していた。

その中には屋台もあった。異口同音に、不景気になった。客が2割3割減った。物価が上がった。値段は上げていないなどと答えていた。燃料代が上がった。小麦粉、家畜のえさ代が上がった。それ以上に通貨価値が下がった結果による輸入インフレの影響が大きい。

NY外国為替市場でみると先週末はユーロの値下がりが厳しかった。今週末開かれるECB(欧州中央銀行)が0.5%追加利下げするとの思惑がユーロ下げを助けたようだ。対円では1ドル=90.40円、1英ポンド=137円、豪州ドル63円、NZドル53円と円が買われた。

日本の貿易全体でみれば直近昨年11月データで、輸出が5兆3000億円(電機20%、機械20%、自動車25%)、輸入5兆5,000億円(鉱産物30%、食料9%)である。円高は輸出面では痛撃を与えた。同時に輸入には恩恵をもたらした。資源輸入大国にプラス面も多い。

通貨の値打ちが上がって外国から物を安く買える円高を国民が実感していない。円高メリットを迅速に庶民に還元するにはどうするか。この問題こそ国会で真摯に議論すべきだろう。

円高がももたらした国益は絶大だ。ドル90円ユーロ120円の意味を考えて欲しい。(了)

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