ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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米国人が突然貯蓄をはじめた。米国景気回復は遅れる?(学校で教えてくれない経済学)

2009-01-07 10:43:36 | 経済学
 「大学生の学力低下をどう防ぐ」というタイトルが今朝の讀賣新聞の社説に出ていた。中身を読めば背景に大学全入時代を迎えて、高校生が勉強しなくなったと書いてあった。日本と言う国がいかに恵まれた国だということがこれだけでも十分理解できる。

ワシントンに滞在していたとき、マレーシアから語学研修に来ていたLim君と言う19歳の青年と話をしたことがある。「Kenは英語を勉強しなくても生きていける。僕は英語を勉強しないと生きていけない」と、こともなげに言った。

ワシントン駐在時代に、日本の新聞社の特派員の一人Oさんに、「新聞社は新入社員教育をどのようにやっているのか」と伺ったことがある。彼は「勉強は自分でやるものだ。ひとに言われてやるものでない。」と言われて妙に納得したことを今もよく覚えている。

いつものように話は飛ぶ。昨日のWSJ紙にアメリカ人が貯金に突然熱心になり始めたと、ケリー・エヴァンス記者がロッキー山脈ふもとのアイダホ州BOISEという町で2家族から取材した記事を載せていた。

リックとノーレン・キャップファミリーは、クレディツトカードを減らし、貯金を始め、二人の子供をレストランに連れて行くのを止めた。ジェシカとアレン・ミュールファミリーは、子供服はバーゲン専門に切り替え、野菜は近所の家族と纏め買い、暖房の薪は近くの山に出かけるようにした。

米国の家計の負債は、米FRBが正式に統計を取り始めた1952年以来はじめて2008年第3四半期で前年同期比マイナスを記録した。米国の個人消費は、同じ期間、17年来最低を記録した。

米国政府は、家計の収入と支出の差を貯蓄と計算している。ここ数年アメリカ人は収入以上に支出し、貯蓄率はゼロ以下になっていた。エコノミストは、2009年には、それが3~5%いやそれ以上になる。貯蓄が増えれば消費は減る。米国ではGDPの70%は個人消費である。貯蓄増加により昨年第4四半期のGDPを少なくとも5% 引き下げると予測している。

Boiseの町に15の都市銀行の支店がある。売り上げは全部あわせて7億200万ドル(約670億円)である。銀行のまとめによると、昨年12月時点で、預金口座を新規開設件数が前年比26%増加した。失業者が増えると預金口座開設が増えるという珍現象が起っている。

Boiseの失業率は07年11月2.7% だったが昨年11月に6%になった。それでもアメリカ全体の6.7%より低い。ところがこの町も失業が増え2010年には10%と予測している。

オバマ次期米大統領は、経済閣僚との会合のあと記者会見して米国の財政赤字は1兆ドルに達すると発表した。米FRBが発表したFOMC(連邦公開市場委員会)議事録は、「失業が増え、GDPは落ち込み、一部にデフレ懸念が指摘された。」と厳しい内容だった。製造業受注高が前年比4.2%落ちている。足元の米国経済は深刻化を続けていることを示した。

NY株式市場は、はじめ130ドル上げ、あと一時マイナス圏に突入、最後は前日比62ドル上げて9.015ドルで取引を終了した。投資家の不安心理が落ちつきのない相場展開に現れた。原油相場もウクライナとイスラエル紛争材料に一時バレル50ドルまで値上がりした。

米国人が貯蓄を始めた。オバマ景気刺激策が不発に終らぬことをひたすら祈りたい。(了)

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