「知っておきたい金の知識」と題して、WSJ紙〈1月25日〉は、ジェフ・D・オプダイク記者の記事を掲載している。「ゴールド・シャインド・イン2008.クッド・2009・ビ・アズ・ブライト?」(金にとって2008年は輝いた年だった。2009年は明るい年としてとらえられるか?)という文でその記事ははじまる。
株式、社債、キャシュその他もろもろ、多くの投資対象の中で、金は昨年来、相場を維持している数少ない物件のひとつである。2008年通して、おびただしい数の投資家が、未曾有の金融市場混乱で姿を消した。その中で、金相場は4.3%値上がりしたと文は続く。
金曜日に上げて買いゾーンに入った後、2009年、今までのところ、金相場は、約0.7%値上がりした。サーフインで波乗りするようなおっかなびっくりの米経済を立て直すために、米政府の未経験の政策が、金相場の値上がりに火をつけるかもしれないと記者は書いた。
そんなことが起るかどうかは、誰にもわからない。しかし、この先さらなる混乱が予想される経済状況にヘッジしておきたい投資家にとっては、「2009年の金投資はベリーグッドだろう」と語ったと、セントルイスのエヴァー・バンク・ワールド社長、Chuck Bulter氏のコメントを紹介している。
米政府が景気刺激策としてドルの供給を増やせば、ドル価値が下がる。ドル価値が下がり(インフレが進む)と見れば、インフレヘッジの手段として金は選択肢となる。ただ、現時点ではインフレの兆候は現れていない。「インフレには金」との早とちりを戒めた。
米政府が金保有を制限すれば、深刻な経済状態でも資産価値の目減りを防げる。ただ、銀行が破綻する緊急事態の可能性は消えていない。銀行の貸金庫から金地金を取り出せないとまで書いた。14年前の震災で、神戸の銀行でも似たようなことが現実に起こった。
銀行に預けている間、金の価値は維持される。定期的に監査も受けられる。依頼すれば手元に届けてくれる。ただ、名義換えをやっておかないと、企業倒産で権利を喪失する。
保険や保管手数料が不要のためコストがかからない。売り買いは瞬時に成立する。ただ、金の先物取引の収益に対して28%が課税される。税額は株式の倍だと注意を喚起している。
金鉱株を買うより金地金の方が倍利回りが高い。ただ、金の生産には地政学的リスクが大きい。エネルギー相場が反発すれば、逆に、金相場の値上りにブレーキがかかる。
決めるのはあなた。足元に注意して、余裕資金のある方に限り、金も一つの投資方法であることを、WSJ紙のオプダイク記者は記事をまとめた。
NY金先物市場は、先週末、突然前日比4%以上上げてオンス895ドルで取引を終了した。いろいろな要素が考えられる。そのひとつに英ポンドが下げ止まらないことが指摘できる。
痺れを切らした投資家の背中をポンと(ポンド?)押したことは十分考えられる。
一年前英ポンドは219円だった。週末の相場は1英ポンド=127円である。ポンド急落は9月15日のリーマンブラザース破綻が引き金だ。英国の仮面を被った産油国が英国に見切りをつけた形跡がある。金相場反発はポンド、ユーロ、ドル安の予兆かもしれない。〈了〉
株式、社債、キャシュその他もろもろ、多くの投資対象の中で、金は昨年来、相場を維持している数少ない物件のひとつである。2008年通して、おびただしい数の投資家が、未曾有の金融市場混乱で姿を消した。その中で、金相場は4.3%値上がりしたと文は続く。
金曜日に上げて買いゾーンに入った後、2009年、今までのところ、金相場は、約0.7%値上がりした。サーフインで波乗りするようなおっかなびっくりの米経済を立て直すために、米政府の未経験の政策が、金相場の値上がりに火をつけるかもしれないと記者は書いた。
そんなことが起るかどうかは、誰にもわからない。しかし、この先さらなる混乱が予想される経済状況にヘッジしておきたい投資家にとっては、「2009年の金投資はベリーグッドだろう」と語ったと、セントルイスのエヴァー・バンク・ワールド社長、Chuck Bulter氏のコメントを紹介している。
米政府が景気刺激策としてドルの供給を増やせば、ドル価値が下がる。ドル価値が下がり(インフレが進む)と見れば、インフレヘッジの手段として金は選択肢となる。ただ、現時点ではインフレの兆候は現れていない。「インフレには金」との早とちりを戒めた。
米政府が金保有を制限すれば、深刻な経済状態でも資産価値の目減りを防げる。ただ、銀行が破綻する緊急事態の可能性は消えていない。銀行の貸金庫から金地金を取り出せないとまで書いた。14年前の震災で、神戸の銀行でも似たようなことが現実に起こった。
銀行に預けている間、金の価値は維持される。定期的に監査も受けられる。依頼すれば手元に届けてくれる。ただ、名義換えをやっておかないと、企業倒産で権利を喪失する。
保険や保管手数料が不要のためコストがかからない。売り買いは瞬時に成立する。ただ、金の先物取引の収益に対して28%が課税される。税額は株式の倍だと注意を喚起している。
金鉱株を買うより金地金の方が倍利回りが高い。ただ、金の生産には地政学的リスクが大きい。エネルギー相場が反発すれば、逆に、金相場の値上りにブレーキがかかる。
決めるのはあなた。足元に注意して、余裕資金のある方に限り、金も一つの投資方法であることを、WSJ紙のオプダイク記者は記事をまとめた。
NY金先物市場は、先週末、突然前日比4%以上上げてオンス895ドルで取引を終了した。いろいろな要素が考えられる。そのひとつに英ポンドが下げ止まらないことが指摘できる。
痺れを切らした投資家の背中をポンと(ポンド?)押したことは十分考えられる。
一年前英ポンドは219円だった。週末の相場は1英ポンド=127円である。ポンド急落は9月15日のリーマンブラザース破綻が引き金だ。英国の仮面を被った産油国が英国に見切りをつけた形跡がある。金相場反発はポンド、ユーロ、ドル安の予兆かもしれない。〈了〉