★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

Close Encounters of the Third Kind

2010-11-25 22:12:49 | 映画


「Close Encounters of the Third Kind」(「未知との遭遇」)は大好きな映画ということに、私の中で、なっている。というのは好きな割には何回も繰り返してみてない気がするからだ。「スケアクロウ」や「ゴッドファーザー」とかの方が何回も見ている。しかし「未知との遭遇」の方が好きだと思っている――。なにしろ最後の20分ぐらいを頭の中で確実に再生でき、そこではジョン・ウィリアムズの音楽も本物よりも美しく演奏されているからである。もう2年も観ていないから、脳内再生されている映像が元の映画通りとは限らない。この前「ゴッドファーザー」をみたら、私が記憶していたはずの名場面がいくつか存在していなかったから、「未知との遭遇」もあやしいな……。私の脳内再生では、もう最後は、確実に私の脳細胞が全て昇天するほどの勢いで神秘的であるはずなのであるが、というわけで、違いが怖くてDVDを観られない。

そういえば、(違いが?)怖くて何かから逃げる、そういえばスピルバーグのある種の映画のテーマだな。

スピルバーグはたぶん、トラウマと感動が非常に似たものであることを理解している。映画は共同製作だから、彼の作家性が本当はどこにあるのかは分からないけれども。