★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

高ぶることなく、ろばに乗って来る

2018-06-27 23:58:41 | 思想


娘シオンよ、大いに踊れ。
娘エルサレムよ、歓呼の声をあげよ。
見よ、あなたの王が来る。
彼は神に従い、勝利を与えらえた者
高ぶることなく、ろばに乗って来る
雌ろばの子であるろばに乗って。

――ゼカリヤ書


この予言は、イエスのエルサレム入城で果たされる。驢馬というのがとても良い感じであり、イエスの存在にある所謂ケノーシス(神聖放棄)というものに込められた優しさみたいなものをわたくしは感じる。

それにしても、ダ・ヴィンチの「受胎告知」の天使の羽根の生々しさは、キリスト教の世界が、物質の世界から絶えず脅かされてきたことを見るようである。ダ・ヴィンチの宗教画は、いまでいえば「デジタルネイチャー」(落合陽一)みたいなものだったかもしれない。しかし、それが美の方向に素直に流れていったとは限らないところが、わたくしが興味を持つ点である。


最新の画像もっと見る