誰でもが列車や電車の先頭に陣取って車外の景色を見るのが好きであろう。私も小さい頃は先頭車両の一番前に陣取って景色をみたかった。その上運転席が見えれば最高の気分であった。
さすがに中学生になったころにはもうそんな誘惑にかられても実行に移すことはなかった。ごく自然に、たまたま出くわしたような振りをして最先頭に陣取ったことはあったが‥。今では先頭車両に乗ることがあっても最先頭からは少し離れた位置で前方を見るのがせいぜいだ。しかし最先頭に陣取ってみたい衝動にかられることもある。
景色が押し寄せてくるのが楽しいという人、すべての後続の車両と乗客を後ろに従えている錯覚がうれしいという人、運転手になった気分を楽しむ人、いろいろいる。私は実は、レールを見つめているのが好きだ。人家や周囲の景色よりもレールを見つめているだけで飽きない。子供じみているが、それこそ一年に一度くらいは車両の先頭に陣取ることがある。
レールを見つめていると現れる分岐ポイント、これが私にはたまらなく面白い。分岐していくレールと電車が走行しているレールとを同時に見るのも楽しい。ポイント部の構造、刃のように細いレールを見るのも楽しい。そしてレールの継ぎ目を数えながら電車の振動に体をゆだねるのも楽しい。レールは機能美に満ち溢れているといえるのではないだろうか。
地方の列車でよく見ると波打っているように見える二本のレールの先端が次第に身近に迫ってきたり、いつまでたっても途切れることなく続く線路に感心したりしながらみるのも楽しいし、レールの間に草が生えているのを見るのも楽しい。
一方で都内の駅ごとに複雑に分岐を繰り返す線路を見続けるのもまた楽しい。レールを見ていると都内の線路は実に端正だ。線路が波打ったり、小さく曲がったりしていない。地方の線路ではそうではなく、電車・列車のゆれも大きい。よくも都内の線路はこうも端正に整備されているものだと感心する。
列車・電車の先頭にいなくとも、窓外に反対側の線路を見ているだけでもウキウキしてくることもある。
60歳近くになって恥ずかしい話ではあるが、一年に一度くらいはそんなワクワク、ウキウキした気分も悪くはない。本日は仕事帰りの電車、先頭に立って、こんな気分を味わった。
さすがに中学生になったころにはもうそんな誘惑にかられても実行に移すことはなかった。ごく自然に、たまたま出くわしたような振りをして最先頭に陣取ったことはあったが‥。今では先頭車両に乗ることがあっても最先頭からは少し離れた位置で前方を見るのがせいぜいだ。しかし最先頭に陣取ってみたい衝動にかられることもある。
景色が押し寄せてくるのが楽しいという人、すべての後続の車両と乗客を後ろに従えている錯覚がうれしいという人、運転手になった気分を楽しむ人、いろいろいる。私は実は、レールを見つめているのが好きだ。人家や周囲の景色よりもレールを見つめているだけで飽きない。子供じみているが、それこそ一年に一度くらいは車両の先頭に陣取ることがある。
レールを見つめていると現れる分岐ポイント、これが私にはたまらなく面白い。分岐していくレールと電車が走行しているレールとを同時に見るのも楽しい。ポイント部の構造、刃のように細いレールを見るのも楽しい。そしてレールの継ぎ目を数えながら電車の振動に体をゆだねるのも楽しい。レールは機能美に満ち溢れているといえるのではないだろうか。
地方の列車でよく見ると波打っているように見える二本のレールの先端が次第に身近に迫ってきたり、いつまでたっても途切れることなく続く線路に感心したりしながらみるのも楽しいし、レールの間に草が生えているのを見るのも楽しい。
一方で都内の駅ごとに複雑に分岐を繰り返す線路を見続けるのもまた楽しい。レールを見ていると都内の線路は実に端正だ。線路が波打ったり、小さく曲がったりしていない。地方の線路ではそうではなく、電車・列車のゆれも大きい。よくも都内の線路はこうも端正に整備されているものだと感心する。
列車・電車の先頭にいなくとも、窓外に反対側の線路を見ているだけでもウキウキしてくることもある。
60歳近くになって恥ずかしい話ではあるが、一年に一度くらいはそんなワクワク、ウキウキした気分も悪くはない。本日は仕事帰りの電車、先頭に立って、こんな気分を味わった。