Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

鴨南蛮のネギ

2012年11月13日 20時26分38秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 今日の夕食は近くのお蕎麦屋さんに出向くことにした。私はお酒、妻は生ビールのグラスでアルコールはおしまい。そして鴨南蛮蕎麦にハーフサイズのミニの天丼を注文した。二人分の食事ではないが、私どもには量的にちょうど良い。
 久しぶりの鴨南蕎麦だが、とてもうれしかった。というのは入っているネギが焼いてある。焦げ目がついているのだ。私の記憶ではこの焼いてあるネギが入っている南蛮蕎麦はほとんど記憶がない。どこだったか旅行した先で注文した際に焼いてあるネギが入っていて、こんなにもおいしいものなのか、と感心したことがある。それ以来だ。都会ではまったく記憶がない。いつも焼かずに煮込んで出されるネギが、このように下拵えされるととても新鮮に感じられた。
 実はこの蕎麦屋さん、これまでにもずいぶん何回も来ているが、南蛮蕎麦を食べたことがない。今回はじめて注文したのだが、焼加減がとてもよく、ぐちゃぐちゃにならず、歯ごたえもしっかりしている。そして焦げたネギの甘味が何ともいえずうれしかった。これは蕎麦の汁や蕎麦の味に隠れてしまうネギの味ではなく、蕎麦の味を引き立てる役割を果たしている。そしてネギだけを食べても十分においしい。とてもうれしかった。

「再発見!鎌倉の中世」展

2012年11月13日 16時49分00秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 本日、晴れの予報にもかかわらず、雲の多い日となった。




 午後から関内の馬車道にある神奈川県立歴史博物館へ「再発見!鎌倉の中世-掘り出された中世都市鎌倉-」展を見に出かけた。これは「武家の古都・鎌倉世界遺産登録推進3館連携特別展」の一環として12月2日まで開催されている。3館とはこの県立歴史博物館のほかは、鎌倉国宝館での「古都鎌倉と武家文化-武士たちの信仰と美術-」及び神奈川県立金沢文庫での「鎌倉興隆-金沢文庫とその時代-」の2つの会場でやはり12月2日まで開催している。







 歴史博物館での展示はいつもながら私などには解説がとても少なくて、ただながめるだけのものが多いのだが、今回も変わらない。ただし図録(1200円という良心的な値段)を購入すると詳細な説明がなされているので、これを購入するのが歴史にのめりこみたい方はお勧めだろう。
 今回の展示では以前から聞いてはいたが、当時の鎌倉での中国製や朝鮮半島製の青磁・白磁が大量に使われ、そして貴重なものは武士階級のステータスシンボルとして重宝されていたということが、大量の発掘遺物の存在から浮かび上がっていた。
 私は陶器に関しては素人だし、その美的な鑑賞眼も持ち合わせていないが、それでも遊行寺などに残されている青磁の壷などの輝きに目を奪われる。形も釉薬の色も、引き込まれるような感じがする。あのような落ち着いた色合いの壷を鑑賞する当時の支配階級のセンスというか、鎌倉という都市の持つ文化水準に脱帽の思いだ。
 同時に私が目を奪われたものに、漆器のすばらしい紋様と形がある。青磁・白磁が渡来物とすれば漆器は列島の産物と思われる。この繊細な紋様、特に紅葉や植物などの紋様に示された美的な感覚にも脱帽である。器は小さいものであるが、紋様が繊細、そして色は地の濃い赤のほか、木の葉などがとてもあかるい色で表されている。色が現在まで褪せずに輝いていることにも驚いた。あのような美しい器物に盛られた食の文化、あるいは生活全般の文化の水準は実に高度なのではないだろうか。あらためて実感した。
 それらの発掘・保存に携わった研究者の努力についても展示されていた。展示としては心配りが感じられた。

 3館連携特別展ということだが、私の興味としては鎌倉国宝館での「古都鎌倉と武家文化-武士たちの信仰と美術-」なのかも知れない。鎌倉武士たちの発願した慶派仏師の仏像などが多く展示されているようだ。さらに宋・元の影響を受けた絵画や工芸作品の展示もあるとのこと。これは是非行きたいと感じた。明日訪れることが出来ればいいのだが。
 金沢文庫も見たい気はするが、古文書が中心らしいので理解がおよばず、ということになりそうだ。
 ただし12月8日から横浜市歴史博物館で開催予定の「武家の古都・鎌倉」世界遺産登録推進事業関連「称名寺を掘る」(仮称)は近くでもあり、是非見に行ってみたいと思う。