自民党のつまらない総裁選挙、「身内の選挙だからとやかく言うな」というのは、総裁が総理大臣となるという意味合いの重さを無視している。
この「選挙」の評価はただひとこと、自民党には自浄能力はないということ。日本という国が、戦後世界の理念である憲法を頂点とした政治理念や歴史観とは切り離されてしまって孤立を深めるばかりであることをさらに国の内外に宣言したに等しい。
水準としては中国などの政治理念にますます近くなっている。憲法よりも閣議決定が上位であり、立法権よりも行政権が上位となり、議論を重視するのではなく上意下達で済ませてしまう政治である。
議論が出来ない議員、憲法に則った政治理念はなく明治維新の亡霊にすがった議員しかいない自民党ということである。それが国会で圧倒的に多数を占めてしまったという呆然とするような現実。
多分、政治の対立はますます亀裂が広がり、修復するのは今後ますます困難になると思われる。富の格差の拡大、貧困の深刻化、国民の階層の両極化、議員も官僚も経営も世襲化が進行、経済・教育・技術・科学あらゆる面で世界水準から取り残されることは間違いなさそうである。頭脳の国外流出も加速される。
戦後75年といわれる。また新たな戦前になったともいわれる。しかし私はすでに国家の崩壊が始まっていると危惧している。
たかが「政治」によって戦後75年が崩壊させられている、という危機意識が私の中で大きく膨らみ続けている。