昨日から本日にかけて、岩波書店の広報誌「図書」2月号に目を通した。読んだのは次の諸編。
・[表紙]はやりかぜのおまじない札 加藤静允
・式年造替遷宮から「物の歴史」を読み解く ジョルダン・サンド
・ヘルメス神が導く名著選び 大江健三郎と『へるめす』の知
秋満吉彦
・谷崎潤一郎の書簡と〝幻の人魚図〟 前田恭二
・証言する木 移ろう民の記憶のそばで 与那原惠
「真珠湾攻撃により日本人兵士の処遇に苦慮した米軍であるが、ハワイ防衛のためハワイ日系人兵士を組織した「第100歩兵大隊」・・・。1943年には日系人強制収容所にいた青年も志願し、「442連隊戦闘団」が組織された。この連隊所属の「552野戦砲兵大隊」はドイツ国内に侵攻、1945年4月、ミュンヘン近郊の「ダッハウ強制収容所」の解放を行った。ナチスのユダヤ人への絶滅政策、大量虐殺の犠牲者を生み出した強制収容所。それを目撃した日系人兵士は家族が残る収容所をかさね、言葉を失っただろう。」
戦争とは、当事国ともに国内に抱える「異質な存在」を作り上げ、彼等を利用して国家の一体性を担保するものであることがわかる。国家とは常に内部矛盾を過剰に生み出し、それによって国家の存立をより強化しようとするものである。
・父の友人たち(上) 松本礼二
・ガザをめぐる雪合戦 長坂道子
「憎悪と悲しみを克服し、人を複数形ではなく単数形で見ること、属性に閉じ込めないことを説く言葉を私は持たず、ただ途方に暮れている。正義感や信念にかられ、どちらかの側から声高に糾弾する非当事者達の雪合戦のような勢いが、冷たい針のように腰砕けの我が身を刺すのだ。まずは停戦を、そして何十年かかろうが、宥和を。」
・ゆうやけ七色 近藤ようこ
・和田英作校長時代とその周辺 新関公子
貴重な訪問記、拝読させていただきました。ありがとうございました。