メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『さすらい』

2008-09-07 17:47:19 | 映画
『さすらい』~IL GRIDO(1957)イタリア
監督・脚本:ミケランジェロ・アントニオーニ 音楽:ジョヴァンニ・フスコ
出演:スティーヴ・コクラン、アリダ・ヴァリ、ドリアン・グレイ、ベッツィ・ブレア、リン・ショウ ほか

近所のレンタル屋の1週間100円VHSシリーズ。
以前観た『情事』『欲望』『夜』『太陽はひとりぼっち』を撮ったアントニオーニ監督作。

story
イルマは出稼ぎ中の夫が死んだ報せを受け、7年間暮らして娘もいるアルドに別れを告げる。
イルマの浮気も家を出ることも理解できずに苦しむアルドは、娘ロジーナを連れてあてのない旅に出る。
最初に訪れたのは昔の恋人エルヴィア。ダンスに行ったりしても心の傷は癒えない。
ヒッチハイクで日雇いの仕事をしていたが、途中で降ろされたスタンドのオーナー、ヴィルジニアとも
娘に見られて気まずい思いをし、ロジーナをイルマの元へ帰し、再び別の仕事場に移る。
そこで出会った気儘な女アンドレイーナは明るく振舞っていても悲しい娼婦。。
アルドはふらっと故郷に帰ると、そこは飛行場建設でモメて、かつて勤めた工場も閑散としている。
イルマには別の男との子どもがいるのを見て、アルドはふらふらと工場に向かった。。


日雇い労働者の放浪と、男女のこんな物語りは今でもよくある話なんだろうな。
次から次へと美女が出てくる、ドンファンみたいな主人公の話は、フェリーニ映画のマストロヤンニを思い起こさせる。
風来坊な暮らしで女にモテるならいいじゃないかって思っても、本人は昔の女、娘、生まれ故郷のことが一時も忘れられないんだから不幸に違いない。
それにしても夫の出稼ぎ中に他の男と7年間も暮らして、娘もできたのに夫が亡くなったのをキッカケに別れて、別の若い男と暮らすイルマって女性も理解しがたい。
それこそ監督が何度も繰り返し描きたかった「愛の不毛」ってやつか。
でも、愛の不毛をいくら一生懸命イタリア人に説明しても、そっちのほうが不毛だと思うんだけど
とにかく、いくら絶望したからって意味もなく人が死ぬラストはよくない。唐突じゃないですか監督さん?

行って責任者に「仕事あるかい?」て聞けば即答してくれる日雇いのゆるいシステムにちょっと驚く。
どこもこんな感じなのかな?こうゆうシステムも必要だよね。いろんな働き方が選べるって大事だと思う。
金になる相応の技術を持ってて、身体ひとつで生きていけるっていうのもステキ
会社で「技術士」の月刊誌も扱っていて、技術者の中からさらに資格を持った技術士を育てることが、
これからの日本の産業や経済を救う、みたいなことが書かれてて納得。
それには「プロフェッション」としての誇りと責任感が必要だし、それ相応の優遇もされないといけないとか、
医師や弁護士ばかりが増える世の中よりも技術士が増える世の中にしないとダメだとか。なるほど。

技術士(ウィキ参照)


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心の中のベストフィルム~『ラビリンス』(1986)

2008-09-07 10:21:55 | 映画
『ラビリンス』~LABYRINTH(1986)
監督:ジム・ヘンソン 製作総指揮:ジョージ・ルーカス
出演:デビッド・ボウイ、ジェニファー・コネリー

忘れた頃にやってくる「心の中のベストフィルム」コーナー。
ボウイのことを書きたいと思って、急にまた観直したい衝動に駆られたんだけど、
まずDVD化されてたことに感謝v で、置いてあるところを探して最近レンタル屋を渡り歩いてたw
今作でボウイの妖しい中性的な魅力に初めて出逢って、彼が歌うシーンを何十回もリピートして観たっけ
ぱつんぱつんのタイツ?には何度観ても閉口するけど

story
童話の世界に夢中なセラは、継母との約束を忘れてごっこ遊びをしていて怒られ、
腹違いの弟トビーの子守を頼まれるが、泣き止まないのを怒って魔法の呪文をかける。
それは王ジャレスを呼び寄せ、トビーはゴブリンシティに連れ去られ、迷路を抜けて
13時間以内に見つけないとゴブリンの仲間にされてしまうという。
「It's a piece of cake!(カンタンよ!)」と歩き始めるが、途中ゴブリンたちが道順を変えたり、
謎解きをさせたりして邪魔ばかりされ、口癖の「It's not fair!!!(フェアじゃないわ)」と癇癪を起こすと、「いつも何と比べてフェアじゃないんだい?」とジャレス。
案内人ホグルと友だちになるが、ジャレスの命令ですべてを忘れてしまう果実をセラに渡すハメに。。


ジェニファー・コネリーは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』、『フェノミナ』に続くこれが映画出演3作目。
当時はアイドルとして何度も映画雑誌の表紙を飾ってた。
左右対称のまさに非の打ち所がないカンペキでピュアな美しさで、まだ幼さが残る今作は初々しいかぎり!
最近はダークな役もこなして、アイドルから演技派の役者になって、才色兼備な大好きな女優でなにげに出演作は毎回チェックしてるかも。

楽曲の魅力も大きいが、なんといってもジム・ヘンソンに息を吹き込まれたパペッツの世界。
毎回DVDを借りて見ると、メイキングを見るかどうかで悩むのだけど、ついつい見てしまった(たっぷり1時間はあった
画面でまるで生きているように自然に動いている様々なクリーチャーが実際は
脚本家らのイマジネーションから生まれ、それぞれの才能を生かした人々の職人技でよりリアルに生まれ変わり、最終的にはセットとカメラと演技する俳優、人形師たちとの連携によって素晴らしいアートに結実して、観る人たちを喜ばせる。
昼夜問わず関わったスタッフ一人ひとりの人生が懸かってるんだってことが分かる

その脚本家がモンティ・パイソンのテリー・ジョーンズだと知ってびっくり!!!
童話作家としても活躍する彼のインタビューで嬉々として話す姿はほんとに楽しそう!
ボウイのレコーディングシーンや、演技指導を受けるシーンもあったりして貴重v
まあ、魔法の裏側を見なくても何度でも観たくなる1本。


As the world falls down

Magic Dance

Underground

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changes

2008-09-07 10:20:40 | 音楽&ライブ
とゆうわけで、夏休みはとっくに過ぎたけど、まだまだつづく特別企画第2弾は、デビッド・ボウイ
洋楽に一気にハマったキッカケ。最初に知ったのは前述の映画『ラビリンス』だと思う。
それで借りてきたのが『Let's Dance』で、その中の♪China Girl でノックアウトされたんだった。

China Girl/David Bowie
こんなにsexyな声を今まで聴いたことがなかったし、男性のゾクっとくる色っぽさってのを初めて知った瞬間。
ソロでのラストライブと、その後Tin machine てバンドを組んだ際のライブを見に行ったな~。

Heaven's In Here/Tin Machine
いったんソロに区切りをつけて始めたバンドはタイトでソリッド。

常に時代の先を読んで、自由自在に自らを変化させてゆく好奇心の強さと柔軟性が
これだけ長くトップスターの座にいられるコツじゃないだろうか。
「コツは活動を長く続けることさ」って本人が半分冗談っぽくゆってたけど。
中性的な美しさは勿論、左右違う色の瞳も、スマートなスーツの着こなしも、
アートなファッションセンスやステージング、イギリス独特のtの発音とかも好きだけど、
わたしがどっぷりハマった1番の理由は、その曲の難解な詩の世界に拠る。

初期のアルバムから好きな曲をあげたらキリがないけど、真剣に聴いたのは『Black Tie White Noise』くらいまでかな。
今でもばりばり活躍してる様子をたまに見かけて、その時々の美しさに思わず見とれてしまう

たしか演技の勉強もしてたとかで、初期のライブは舞台劇のようだったし、映画出演も多い。
ナスターシャ・キンスキー主演の『キャット・ピープル』のサントラもやってるし(こちらもいつか「わたしの中のベストフィルム」に取り上げる予定v
長い活動の中には刺激的なコラボもたくさんある(フレディとの♪Under Pressure や、ジョンとの♪Fame とか
周囲を取り巻く人たちも刺激的。イギー・ポップや、ルー・リードetc...
あまりに多才で多彩なため、なんだか話が中途半端で散漫になってしまったが
これからも美しいままで、わたしたちに永遠に妖しい幻想を見せ続けて欲しいな。


changes
Oh, look out you rock'n rollers
Pretty soon now you're gonna get a little older
Time may change me
But I can't trace time


CHANGESBOWIE

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