メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『王妃の紋章』

2008-11-01 17:50:03 | 映画
『王妃の紋章』~満城尽帯黄金甲(2006)中国
監督:張芸謀(チャン・イーモウ)
出演:チョウ・ユンファ、コン・リー、リウ・イエ、ジェイ・チョウ、リー・マン、ニー・ダーホン、チェン・ジン、チン・ジュンジエ ほか

滑稽なほど度を超えた贅を尽くした王朝の模様を、ここまで豪奢に再現した映画製作側にも驚く。
いったいどうゆう政治をすれば、ここまで金品が一箇所に集中出来るのか。
でも、ありあまるお金の中に暮らす王族は誰一人しあわせじゃなかった。
いつの時代も、どこの国でも常に権力者は他の侵略を恐れ、家の中でも継承者争いに気が抜けない。
物語が終わったあとも、なぜ王が王妃を毒殺しなきゃならなかったのかが分からなかった。
親・子殺し、近親相姦、あらゆるタブーにまみれて混乱する王朝。
今作も他と同様に、史実に沿って作られたかどうか気になった。

storyはgoo参照
中国、五代十国、後唐の時代。重陽節を前に王家の人々は王宮に帰って来ていた。
王と王妃の間は冷え切り、王妃は継子の皇太子と不義の関係を続けていた。
しかし、皇太子は、侍医の娘で後宮の女官と付き合っている。
王妃は、密偵を放ち、王が王妃の健康のために毎日運んでくる“薬”の中身がトリカブトという猛毒であることを突き止める。
密偵を務めた侍医の妻もまた、悲しい過去があり、王に恨みを抱いていたのだった。。

毒を盛られていることを知りながら、息子の王位継承のために飲み続ける母親役に
ベテランのコン・リー、渾身の演技で観ているほうが息苦しくなるほど
次男役のジェイ・チョウは精悍な顔立ちでカッコいい(ちょっと見シャカの植松くんに見えなくもない
なんと彼がラストの主題歌を歌っている模様。重い史劇のあとのラブロマンスみたいな歌がなんともフシギw

いちいち詩?を詠みながら時間をゆって回る人や、何千、何万とゆう後宮で働く女官たち、
庭に敷き詰められた菊の花、誰も手をつけなくても運ばれつづける高級な食事などなど
毎日費やされてゆくハンパない額のお金と手間ひまは、見ていて馬鹿馬鹿しいほど。

忍びがいるのは日本の時代劇と同じだけど、なんだか最近の中華系の映画は、
ムダにワイヤーアクションがありすぎるのが目に付く。
流行りが過ぎて、あとで観直したらきっと苦笑ものだろう。
『レッドクリフ』も予告を観たらかなりワイヤーな予感。。

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『天と地と』

2008-11-01 13:26:10 | 映画
『天と地と』(1990)
原作:海音寺潮五郎 製作・監督:角川春樹
出演:榎木孝明、津川雅彦、浅野温子、伊武雅刀、大滝秀治、室田日出男、夏八木勲、渡瀬恒彦 ほか

「製作費53億、興収100億以上、歴代日本映画第5位を記録した超大型時代劇」とのことで
有名な今作も今回初観、なんと、川中島の合戦の話だったのね(遅/汗
今年、ゆかりの地を訪ねたりして話も聞いたのに、地元ながら本当に歴史に疎いわたしは、
何度聞いてもどっちがどっちなのかもイマイチ分からない(謝)ながら、大筋の記憶をたよりにしても充分見応えのある時代劇。

story
戦国時代。越後を守る長尾景虎(後の上杉謙信)は、甲斐の武田晴信(後の信玄)の信濃侵攻の際
寝返った昭田常陸介の目の前で妻子を斬ったことを憂い、僧侶となって城を去るが、
途中出くわした武田の兵に家来を殺され、煩悩も情けも捨てて武田討伐を決意する。
一番信頼を置いていた家臣・宇佐美の裏切りを知り、一騎打ちで成敗する。
彼の娘・乃美とも心通わせていたが、戦時中に亡くなった報せが届く。
とうとう武田軍は海津城に、上杉軍は妻女山にそれぞれ陣を構えて相対するが、数日間動きなし。
二手に分かれて上杉軍を攻める計画だったが、兵の煮炊きで動きを知った上杉軍は、
夜の間に妻女山を降り、濃い霧を味方に翌朝、武田軍に奇襲をかける。(・・・合ってる?


ウィキには「川中島の戦いの主な戦闘は、計5回、12年余りに及ぶ。一般に川中島の戦いとは八幡原の戦い(1561)を言う」とある。
そんなに長かったんだ!これじゃ何度聞いても理解できないわけだ(ムリ、ムリ
映画の中に地元の地名もたくさん出てきて、改めて身近に感じると共に、
現在の町の姿からは想像もつかない昔の戦乱の世が信じられなくもある。
唐突な終わり方が気になるが、「上杉軍の戦死者が3000余、武田軍が4000余と伝えられ」、
どっちも「勝ち」を主張してるらしいからこんなラストにならざるを得なかったのか?
しかも、山本勘助って武田軍側だったのか(いまごろ

それにしても時代劇のヒロインに浅野温子はちとバタ臭すぎ(まあ、榎木&津川も充分濃いが
ロケ地がこれまた素晴らしい!と思ったら、なぜかカナダでビックリ。兵のエキストラの数もハンパない。
誰が誰につくかからはじまり、敵がこう来たら、二手に分かれて、ひとつはここで待ち伏せして、
ひとつは裏をかこうなどなど、ゲームや策略好きの武将なら、その通りに進めば鳥肌がたつほどやりがいのある仕事だったろうけど、一番下っ端の歩兵などはもっとドロドロな戦いだったろう。
傍目から見る限り、黒い旗と赤い旗がせめぎ合う戦闘シーンは勇壮な美しさすらある。


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