メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『ひめゆりの塔』

2008-11-15 17:59:43 | 映画
『ひめゆりの塔』(1953)
監督:今井正
出演:津島恵子、香川京子、藤田進、清水元、信欣三、河野秋武、岡田英次 ほか

戦後の現代に生まれて幸せだなぁ・・・
こんな風に3日3晩何も食べずに、雨降る泥だらけの中を負傷者を背負って歩きとおしたり、
爆弾がいつ頭の上に落ちてくるか分からない恐怖と闘ったりしなくて済んだだけ。
今のおばあちゃんや、おじいちゃん達は体験者だろうし、親だって戦後の混乱期を体験してるだろうけど、
わたしの周りにはそんな生々しい話をする人は誰もいなかった。
途中ところどころホッとするシーンもあるけど、始終眉間にシワ寄せて観終わったらぐったりしてしまった。

story
昭和20年。アメリカ軍が沖縄に上陸したとの噂。女学生たちは親と泣く泣く別れて
各々の部隊と共に最前線へ向かい、壕内に運びこまれた負傷兵らを看護したり、
おにぎりを作ったり、水を汲みに行ったり、戦死した兵を埋葬したり、
ロクに眠らず、満足に食べもせず。
追い込まれた軍は立ち退きを命じ、砲弾と雨降る中、まだ歩ける兵を背負いながら別の壕へと避難を続ける。
辿り着いた民家では多少の芋などの野菜を分けてもらい束の間の休息を味わうが、
失明した女子が「お母さんにもう一度会うまでは死ねない」と言ったひと言で皆号泣する。
村も爆撃され、いよいよ米軍に取り囲まれ、ついに軍は教師と学生らに解散を命ずる。
海から脱出する隊も、壕に逃げ込んだ隊も、銃弾や爆弾に次々と倒れ、手榴弾での自決を余儀なくされる。。


2大女優、津島恵子と香川京子は歳がそれほど違わないだろうに、
昔の邦画って学生役もスター俳優が実年齢関係なく学生服着て演じてたりするからなんだかフシギ。
今はダイビングやらですっかり南の楽園的イメージの観光スポットの沖縄にも、
こんな暗い歴史があったことをわたしたちはいつまでも忘れてはいけないんだ。
女学生たちまでが白ハチマキをして戦争に駆り出されるなんて狂気の沙汰は。

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