メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『社長三代記』

2008-11-24 21:16:52 | 映画
『社長三代記』(1958)
監督:松林宗恵 助監督:岡本喜八
出演:森繁久彌、越路吹雪、小林桂樹、三好栄子、雪村いづみ、加東大介、杉葉子、団令子、司葉子、太刀川洋一、三木のり平、中田康子、扇千景、トニー谷 ほか

「社長シリーズ」を順序立てて観ようと思っていたけど、TSUTAYAに「続・へそくり社長」がなくて
4作目?にあたる今作を借りてみたら、「社長シリーズが本格化した記念すべき一編」らしいのに
森繁久彌演じる二代目社長・淺川が渡米する機会に、営業部長の大場が社長代理になってそのまま三代目になりそうな勢い。
とにかく森繁久彌よりも加東大介が主演のようでちと寂しい。

story
技術提携問題のために渡米を目前に控えた二代目社長・淺川は、奥さんの目を盗んでは芸者遊びやらバーのママさんからお呼びがかかって大忙し。
そのたびに秘書の長谷川は急にゴルフ接待が入っただの会議が入っただのと言い訳を作って損な役周り。
渡米した淺川の代理には質実剛健がモットーの大真面目な営業部長・大場が抜擢された。
なんでも自分でやらないと気が済まない大場。急に定時に帰れるようになった長谷川は逆にもてあましてしまい、
恋人の明子(以前のタイピストから秘書課に変わってる)から「完全にノイローゼよ」とからかわれる。
ヤル気まんまんな大場は、社内に流感が大流行して社員も次々病欠する中、「気がゆるんどる!」と檄を飛ばしていたが自分も高熱を出してダウン。
その間に淺川が契約を見事まとめて帰ってきた。
取引先の夫婦を座敷に接待してまたおバカな宴会芸を披露していたところを先代末娘・トメ子の8ミリに撮影され、未亡人が見てしまった。
淺川はニューヨーク支店にしばらく行くよう命じられ、再び代理を任された大場は「英語も習わなければ」と大はりきり。


通訳がトニー谷ってとこが可笑しい。淺川や長谷川も英語が達者だと思われてるみたいだけどあやしいものw
大場が「半玉って英語で何てゆうんだ?」長谷川「え~とハーフボール?いや、ハーフエッグですね」ってw

先代社長未亡人のはからいで淺川は結局ニューヨーク支店に飛ばされてしまうが
「帰ってきたら大きな仕事を任せますから、それまでは辛抱ですよ」と奥さんに言い含めているところをみるとまだまだ二代目は続くのかな?
わたしなんて中小企業を渡り歩いてるせいか社長ってゆってもふつーのおじさんにしか見えないが(失礼)
昔は大企業の社長さんなんてゆったら別格な扱いだったみたい(今もそうなのか?
でも扱ってる商品が「トランジスタラジオ」とか「テープレコーダー」ってゆうのが面白いw

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熊出没注意

2008-11-24 18:00:47 | 日記
ゾーヴァの本をまとめて借りて(1冊予約期間が過ぎてしまって流れてしまったが)読んでいる。

ミヒャエル・ゾーヴァ
▼『魔笛』(モーツァルトが生涯の最後に完成させたオペラとのこと。夜の女王に娘を助けて欲しいと言われた王子が太陽の神殿?に行っていろんな試練を受け、娘を奪還するまで。奥が深そう。映画化されてたような気がするからそちらも要チェック。
▼『少年のころ』(ゾーヴァの絵に那須田 淳さんが自由な発想で文を添えている
▼『ゾーヴァの箱舟』(画集に短い文がついてる。本格的に描くと凄い迫力!
▼『エスターハージー王子の冒険』(お菓子ばかり食べてカラダが小さくなってしまった子孫を心配した伯爵が、王子たちにお嫁探しの旅をさせる。条件はただ一つ。大きなお嫁さんを探すこと。ベルリンの壁崩壊を織り交ぜてる
▼『プラリネク―あるクリスマスの物語』(いつも遠い国に出張ばかりしてるお父さんがクリスマスの晩、息子にお話をして聞かせる。それはお菓子の箱でできたロボットのお話。箱に書いてある文字が会話に混ざってしまってるのが可愛い。
▼『思いがけない贈り物』(サンタの手元に1つだけ残ってしまったお人形。一体誰に届ければ一番喜んでくれるのか?

まだまだあるみたいだから、図書館に置いてあるか調べてみよっと♪♪♪
『ヌレエフの犬―あるいは憧れの力』
『ミヒャエル・ゾーヴァの世界』
『キリンと暮らす、クジラと眠る』

意外とクリスマスの話が多くて、時季的にもピッタリだから、今日は雨が降らないうちに図書館に行ってクリスマスの本をいろいろ借りてきたv

セブンにチケ引き換えに行った際「北海道フェア」をやってて思わず買ってしまったこちら↓
北海道ラーメン醤油味 熊出没注意
スープは濃い色だけど意外とあっさり。麺は縮れた細麺。実家から送ってくれたほうれん草を茹でて、ワカメとかのせて食べたら美味しかったv
でも、なぜ熊出没注意なんだろう・・・??? 「白クマ塩ラーメン 白熊出没注意」も買えばよかった。

追。ジャガイモの余りは今度はフライドポテトにして食べてみた。こちらも美味い!
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『祇園囃子』

2008-11-24 16:34:49 | 映画
『祇園囃子』(1953)
原作:川口松太郎 監督:溝口健二
出演:木暮実千代、若尾文子、河津清三郎、進藤英太郎、浪速千栄子、田中春男 ほか

こうして観ると、この頃の配役って似たり寄ったり?w 木暮実千代はいつもちょっと年上の薄幸美人だし、
浪速千栄子はいつも芸者を取り仕切る「お母さん」役で頼りにもなり、したたかさもありで本当にハマり役。
初々しい若尾文子が芸者デビューする日の華やかさはモノクロ映画じゃもったいない。

story
芸者・美代春を頼って16歳の栄子が「芸者にしてくれ」と頼みにくる。
母を亡くして、カラダを壊した父に冷たくあしらわれ、他に頼りもないからどんな苦労でもするとの決意に負け、しこむことに。
早朝から起きて、三味線、鼓、踊り、華道などなど山ほど習って、ついにお披露目の日。
衣装は世話になってる茶屋の女将から30万円借りて揃え、名は美代栄となった。
その日のお座敷ですでに会社経営者・楠田から旦那になりたいとの声がかかるが、
まだ何も知らない美代栄に可哀想だと断る美代春もまた、楠田の大手取引先の神崎に一目ぼれされる。
楠田に東京見物に誘われた2人。美代栄は楠田に迫られ抵抗した挙句怪我をさせ、
美代春も神崎の誘いを断って恥をかかせたと女将から怒られ、どこのお座敷も呼ばれなくなる。。

華道のお師匠さんが、芸者さんはいまや外国人観光客から見たら日本を代表する文化のひとつだから
誇りを持つようにと自覚させるシーンがあり、美代栄も銀座に連れて行ってもらう際、
「この着物姿がわたしたち祇園芸者の制服なのだから」と胸を張って出かけようとするが、
裏のドロドロしたやりとりを知って愕然とし、辞めようと考えるも、他に頼るあてもなく。
今の芸者さんは今作で描かれてるような身売り行為はしないんだろうけど、そこは男女のこと。
長く受け継がれる伝統の世界で、いろんな駆け引きやらで華やかだけじゃない苦労も多いんだろうな。
みんな一人で生きてるわけじゃない。困った時も支えあって生きていかなきゃならないんだと美代栄を説き伏せる美代春のセリフが沁みる。

DVD特典は予告編と撮影のニュース映像、撮影風景写真。
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