メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『深夜放送のハプニング』 眉村卓/著(角川文庫)

2018-06-16 14:18:31 | 
眉村卓/著 カバー/木村光佑 (昭和60年初版 平成2年7版)

「作家別」カテゴリーに追加しました。

[カバー裏のあらすじ]
いつものように、人気イラストレーター島浦紀久夫によるDJ番組“ミッドナイト・ジャンプ”がオン・エアーされた。
しかし、その日不思議なリクエストカードが舞い込んでいた。

「ぼくがだれだか、教えてください。ぼくには、自分がだれだか、わからないのです。
 ぼくは、自分が何歳で、何をしていたのか、まったく知りません・・・」と書かれていた。

このカードを放送したことから、奇怪な事件が相次いで起こったのだった・・・。
甦るミッドナイトSFミステリーの傑作! 同時収録「闇からのゆうわく」



ラジオもやっていた眉村さんの経験も活きているのだろう
当時のテレビやラジオ、イラストレーターのことがいろいろ分かるのも興味深い

ところどころで流される名曲は、今も昔も変わらないんだな
眉村さんの音楽嗜好も入っているのか?

短篇2本目は、久々のジュヴナイルで、『ねらわれた学園』ちっく
少年探偵団みたいで読んでいて楽しい

これまで読んできて、平成に刷られた眉村さんの古本がamazonから届いたのは初めて
昭和から平成まで、長く読まれていることが分かって嬉しい


あらすじ(ネタバレ注意

【深夜放送のハプニング】

第一話「過去のないリクエスト・カード」
ラジオ昭和、第4スタジオ 夜11時~翌朝0:30までの深夜放送「ミッドナイト・ジャンプ」

金曜と土曜を担当する28歳の新鋭イタストレーターの島浦紀久夫は、DJを担当して1年経ってもまだ緊張する
テーブル上のカフを上げて、挨拶をし、テーマミュージックが流れる

リクエストカードを数枚読んで、最初の曲は♪青空のファンタジア/ピンク・フロイド
(昔ってなぜ洋楽にわざわざ邦題をつけてたんだろう 映画もそうだけど

トークバックでディレクターの森に話しかけると、イヤホンを通じて森が答える

この番組のパーソナリティは、DJ以外の本職を持つ者が担当し
月・火はSF作家、水・木は探検家(探検家が毎週2日ラジオに出るってムリがないか?

次の曲は人気のナッツ・ロッカー
島浦ははじめに読むつもりだったカードを読み始めた

ぼくがだれだか、教えてください。ぼくには、自分がだれだか、わからないのです。
 ぼくは、自分が何歳で、何をしていたのか、まったく知りません
 記憶は半年前までで、ぼんやり立っていたところをある人に助けられ
 その人のすすめで、架空の履歴でパチンコ店で働いています
 お心当たりの方、この番組にお便りをくれませんか 僕のほうから連絡させてもらいます」

島浦は副調整室に行くと、電話によるリクエストは受け付けていないにも関わらず
「うちの子じゃないだろうか」などという問い合わせの電話がたくさんかかってきた

はがき常連の中学生・湊口伸一郎が入ってきて、7ヶ月前にいなくなったクラスメートの水浪かもしれないと言う
はがきの字を見たら分かると言い、森は明日、問い合わせてきた全員を午後3時に集合させるから島浦にも来て欲しいと頼む

家に戻り、5時まで仕事をしていた島浦は、イラストを雑誌社に渡す約束にすっかり遅刻してしまった

その後、放送局に行くと、全員「筆跡が違う」と帰ったが、後から来た伸一郎が見ると「とてもよく似ている」と言う
「水浪の家族に知らせて連れ戻す」という彼を止める島浦
島浦:住所が分からなければどうしようもない 警察に言っても、これだけの材料で動くかどうか・・・

今日配達されたハガキをパーソナリティごとに分けていた事務の今西広子が
同じ筆跡のカードを見つけ「この人、殺されるって書いてあるわ!」

「下宿のおばさんがカードを読んでしまい、身元引受人が来て、もう勤めには行かなくていい
 つまらぬマネをすると殺すと脅された 僕を利用して、パチンコ店の給料をピンハネしていたようだ
 今では外出も出来ない このハガキは放送で読まず、読んだことを知らせるために
 ビートルズの♪イエロー・サブマリン をかけてください」

前の消印は渋谷、今度のは目黒
暗号に使うならもっと普段聴けない曲にするのでは?と疑う島浦
記憶喪失じゃないかという広子 とりあえず局の制作部長に報告するという森
広子は都内の地図で調べると、目黒近辺にはやたらに郵便局が多いと分かる

放送コードでは、特定の人物に対して、個人的なことを放送で喋ることは許されていない
話し合った末、住所か連絡先を書いてくれと呼びかけ、曲を流すことにした
最初はCCR、シルビー・バルタンの次にビートルズのメドレーをかけ、その最初が♪イエロー・サブマリン だ

そこに制作部長が入ってきて、知人に警視庁の人がいて、有名な投書魔がいると話す
警察にも捕まり、今度は新聞に投書しつづけて、新聞社も気づいて相手にしなくなった
その男は30過ぎだが、ハガキの筆跡は10代に見える

その後、警視庁が検分したところ別人と分かる
そして、先日の放送を聞いて、住んでいる場所についていろいろ書いてきた

島浦、森、伸一郎、広子は、新しく来たハガキの場所をヒントに探しに出かける
タバコ屋はたくさんあって難儀するが、それらしき家が見つかり、
怪しまれないよう伸一郎と広子が行くことにした

店先でなにか尋ねていると、一人の男が飛び出してきて、くってかかってきた
「我々が人を閉じ込めているなんていいがかりだ! 放っておいてください!」

自分たちがラジオの者だと名乗り、少年を助けに来たと事情を話すと
「助けに来てくれたんですか? ありがとう」と人影が現れたが、彼は60歳ちかい男だった

怒っていた男が事情を明かした

「今、いた男女は私の叔父と叔母なんです 叔父は自分を少年と信じ込んでいます
 定年で勤めを辞めて5年経ち、お金には困らないが、寂しいのか私に「若返りたい」と相談してきた
 叔父はテレビで催眠術で“幼児逆行”する実験を見たんです
 あまり気が進まないがやむを得ず、叔父に暗示をかけました

 放っておくとじきに解けるから、連続でかけ続けなければならず
 辻褄を合わせるため、叔父は記憶喪失で、叔母は下宿のおばさんと言った
 パチンコ店も暗示です ウソがだんだん大きくなったんです
 明日は叔父の催眠術を解きますよ」

再びラジオの日
トップナンバーは♪光ある世界/チェイス ♪ライオンは寝ている/ロバート・ジョン

その後、「たずね人コーナー」が好評になり、ハガキは増す一方になった



第二話「夜はだれのもの!?」
土曜の午後、島浦はいつもなら午後9時に局に来るが、今日はたまたま早く立ち寄った
いつのまにか自分も、夜中でも「おはよう」と言う業界の習慣がついてしまった

森は、ある学校のクラスの生徒が番組のファンで、大勢がハガキをくれたから、
来週にでも学校に探訪して「音取り」をしたいと言う
最近の中学生のものの考え方をインタビューするという企画

その日の放送 アナウンス室上部のスピーカーからは♪母と子の絆/ポール・サイモン が流れた
次は♪恋の玉手箱/チッコリー ♪哀しみのシンフォニー/シルビー・バルタン

森は放送中に1通の封書を持ち込み、島浦にごく自然に読んでくれという
その手紙は、まるで彼が話している形式で書いてあった

「♪哀しみのシンフォニー をリクエストしたのは「死の使者」とあります
 あなたはあまりに多忙で、深夜放送までやっているため、体にムリがたたり、もう寿命がつきたのです
 だから、あなたはこの放送中に倒れて死ぬことになっています あ、苦しい・・・!」

そこに♪哀しみのシンフォニー がかぶさる

「ディレクターの森です 今日は皆さまをかつがせていただきました あいすみません
 あんまりよく出来た手紙をいただいたもので」

森も、副調整室の連中もみなゲラゲラ笑っている
しかし、その後、次々電話がかかってきて、対応が大変だった
アナウンス室には電話がないため、副調整室の様子を島浦はざまみろと見ていた

ADが「1人だけ、いくら説明しても分かってくれず、電話を切ってもまたかけてくるんです」と困っていて
島浦が出ると、険悪な男の声が跳ね返ってきた

「ふざけたことをしては困るね 大体、私は深夜放送などおかしいと思う
 勉強しなければならない年頃の若者にくだらぬお喋りをして恥ずかしくないのか


こうした深夜放送反対論は島浦もよく出会う
深夜放送を聴いたことのない年代を納得させるのはほぼ不可能だ
島浦の仕事、イラストレーションも、年配の人からはいまだまともな職業に認めてもらえない場合がままある



森、広子は、島浦の運転するオンボロ車で伝統学園に向かった
森から女子校だと聞いて、急に緊張する島浦

門をくぐろうとした時、「何の用だ!」と50歳くらいの男に吠えられた
その声は先日の抗議の声だった

森が「校長の許しを得ている」と言うと、高校の教頭だという男は、
「伝統学園には高校と中学の両方を見る校長がいて、その下にそれぞれ教頭がいる」と言う

森「生徒さんと約束してあるので、中止にするならお目にかかってご連絡したいのですが」と低姿勢に出る

担任が中学の高見沢先生と聞いて、自分も同行するということで同意した
名刺交換をして、相手の名前が前田と分かる

高見沢先生は快活な青年教師で、島浦の高校の後輩と分かり、大歓迎して迎えた
「番組で独身のパーソナリティは島浦さんだけでしょう?
 私は今年のはじめに結婚して、女子校で既婚者となると株がガタ落ちになりますよ

教室に入ると、女子生徒が60~70人溢れかえり、一斉に叫び声を上げ
島浦は恐怖を覚えて棒立ちになった 「サインして!

そこに前田教頭が来て、教室はしいんと静まり返った

「教室は芝居小屋じゃありません あなたは先生です 師と仰がれなければならない人物だ!
 校長は新しいものに理解がある方ですが、みなさんの娯楽のためではありません
 若い清純な心を世に訴え、ともに考えるためになさったことなんです 今後も道徳や秩序を大切にしたい



島浦のマンションになどめったに来ない森がやって来た
あの日の音取りは完全にしらけて失敗した

その上、前田教頭が、深夜放送を禁止せよ、という運動を起こし、系列の昭和テレビが嗅ぎ付けて
禁止運動側と深夜放送側とを、今度の日曜のテレビ番組で論争させよう」と言い出したという

2、3度しかテレビに出たことのない島浦は断るが、最悪の場合「欠席裁判」になりかねない
森は本来裏方だから、自己弁護にしか聞こえず説得力がない
教頭はPTAの会長だかの主婦と組んで出るから、こっちは月・火担当のSF作家・円城と2人態勢にするという



午前11時からの生ワイド番組の3コーナー目
簡単な打ち合わせの後、カメラリハーサルがあり、FD(フロアディレクター)が往来している
しかもこのスタジオ上の副調整室には番組ディレクターらがいる

テレビ出演には島浦はいつも空しさを感じる
ラジオは少人数で、DJは番組の大きな比重を占めるが、テレビはすべて分業化され
司会者さえ、全体を知らぬまま狂言回しを務めるだけだ
ディレクターでさえ、カメラマン、スイッチャーらの機構を動かして予定のルールを守るのが役目
ラジオの柔軟性と比較にならない

「ドライ・リハ」と「カメ・リハ」があり、カメ・リハは全員が揃って入念に行われる
その後、化粧室で化粧するが、教頭は「今日こそ、お前たちの正体を暴露してやるぞ」と言った
何のことだ?



司会者とホステス(隣りにいる女性のことか?)が照らされ、番組が始まった
円城は、教頭の足元にラジコンがあるのを見つけ「あれは相当な高級品だぞ」

まず、PTAの女性が深夜放送有害論をぶちはじめた
人は夜眠るもので、若者の心身をむしばみ有害無益である・・・と型通りのもので
円城は反論し、島浦も補足したが、話は平行線をたどるばかり

だしぬけに教頭がラジコンをかざして立ち上がった

みなさん! 彼らは普通の人間ではないのです!
 私の学校は道徳に力を入れているが、近年言うことをきかない生徒が増えている
 真相は、全日本的な陰謀なのです!
 ラジオの電波には、人心をコントロールする音が混じっている 証拠をお目にかけましょう」

島浦の番組の録音で♪ダイスをころがせ/ローリング・ストーンズ が流れてぎょっとした

「これを一度戻して、別のスイッチを押すと、低い切れ切れの音がモールスのように出る
 これは人の声だけを消す装置がある それでも消えないこの音は何ですか?
 この音が人心をコントロールするのです! 私は殺されるのを承知で暴露した かれらは悪魔の一味だ!」

円城は冷静に答えた

「あなたは妄想に囚われている 時代とともに若者の考え方が変わるのについていけずでっちあげたんだ
 これは、今の先生の声を録音したものです 音声消去を作動させると断続音が出る
 あなたもコントロール音を出しているんですか?」

円城はラジカセの仕組みを説明し、「こういうものに対する知識不足が原因でしょう」



円城:
昨日はあれで済んだが、深夜放送自体の問題はちっともカタがつかない
またどこかで再燃するにきまってる



第三話「呪いの面」
銀座の画廊の準備室で、島浦は他の3人の仲間と「イラストレーター4人展」という企画をはじめた
島浦は仲間から「本業の仕事量を減らしてるのでは?」と言われてぎくりとした
深夜放送は意外とエネルギーが必要で、本業も頑張ろうとすると質が量か選ぶことになる

マンションに森から電話が入り、ピンチヒッターで急遽ラジオに出て欲しいと頼まれる
水・木担当の探検家・鷲戸が先週の放送後、ミクロネシアに飛んだが、小笠原諸島あたりで飛行機が不時着して戻らない
困った時はお互いさまと島浦は引き受けた

森は選曲表を書き、ADにレコード室で探すよう指示

「今日はカードは使いません それから見学者が4人いるんですがいいですか?
 原則として入れないことになってるが、鷲戸さんの出身中学の放送部が副調にいます」

文句を言うヒマもなく、スタジオに入る
森「お喋りはオールアドリブで」

なにかイラストに関することでも喋ろうと考えていると、鷲戸が戻ってきたと連絡が入る
スタジオ到着まで30分は1人で、その後も2人で喋ることになった

勝利への讃歌 が消えてCMに入る
次は♪ブラック&ホワイト/スリー・ドッグ・ナイト

脅えたような顔で鷲戸が入ってきた

「飛行機だけじゃなく、妙な事故がいろいろ続いて
 新聞社の人が怪我をしたり・・・どうも呪われているらしいんです

 向こうで面白いお面を見つけて、原住民とウイスキーと交換したら
 その面を見た現地の人が皆悲鳴をあげるから尋ねると、
 すごい力を持つ神さまの象徴で、粗末にすると災いが起きると言う
 私も迷信だと思ったが、譲った原住民が崖から落ちて死んだという」

その面を知らずにながめていた中学生たちは身をこわばらせ、床に落としてしまい、スタジオ内は凍りつく
森の声で我に帰る島浦
ラジオで10秒も沈黙すれば、副調整室の装置が鳴り、20秒音が止まれば全局内に警報が響くらしい

「次の曲は♪ブラック・マジック・ウーマン/サンタナ
黒魔術の女・・・こんな偶然があるだろうか

鷲戸の言う面を見て、島浦は電気に打たれたような気がした デザインが強烈だったのだ
森「このお面の話は、これ以上オンエアでは触れないでください 聴取者に不安を与えますから」

その後、問い合わせには冗談だと誤魔化し、なんとかなった

森:
僕は技術者のはしくれですから信じませんよ 心理作用だと思います
何事もこうだと信じると、すべてがそう見えてくる


鷲戸は、明日飛行機で岡山に行き、新幹線で帰らなきゃならないと不安になると

森:
私が鷲戸さんが帰るまで預かりますよ
死んだ原住民は、お面を他人に手渡したから罰を受けたなら
僕が大事に預かるなら大丈夫では? もし祟るなら僕のほうだし



明日また仲間と打ち合わせのある島浦は眠らなければならない
酒の勢いを借りて眠ると悪夢を見た あの面が眼前にいて声が流れてくる

「汝ら、機械文明の孤児たちよ 汝らは忘れている 人間の心の中にある力を・・・
 汝らを我々は呪う 自然の中で生き、死んでいった無数の魂が集まりが罰をくだすため」


絶叫しても声が出ない 汗だく目が覚めて、寝不足のまま仲間と落ち合い、お面の話をかいつまんで話すと、仲間の1人が
「ぜひ僕も見たいものだ イラストレーターは、ショックを与えるような色や形をいつも求めているわけだろう?」

鷲戸もお面に惹かれて譲ってくれと頼んだ そこになにか鍵があるのかもしれない

心配で局に電話すると森が出た
お面を家に持ち帰り、壁にかけて眠ったら悪夢を見たという
しかも、ゆうべの中学生たちは、帰りのタクシーが交通事故を起こし、軽症で済んだのが不幸中の幸いだと話す

今夜、鷲戸さんに返すと話していると、どさっと倒れる音と「今西くん、大丈夫か?!」という声
「今西くんが貧血で倒れたから救護室に連れていく



その晩、島浦の部屋を仲間の一人が訪ね、どうしてもお面が見たいと頼む
「ぜひそのお面のパターンを見たいんだ」

押しきられて、島浦と局に着いたのはちょうど番組が終わる頃
お面はむき出しのまま、副調整室の隅にある
そこに恰幅のいい年配の男が座っている

鷲戸は大阪で骨董屋をしている知人に偶然会い、ぜひ譲って欲しいと言われたという

「あちこち買い込みに旅行に行くが、なかなか掘り出し物はないが、こいつはええもんでっせ!
 呪いなんてアホ臭い 今の世の中にそんなもんがありますかいな 迷信でっせ」


これから大阪に帰ると男は面を買って去る
売るまで帰らないと言われ、根負けしたと言う鷲戸
他人に手渡したら鷲戸さんが危ないのでは・・・

鷲戸:
あの人は自分の金儲けのために承知の上だからどうでもいい
祟りがもしあるなら、番組スタッフにふりかかるより、私にかぶさるほうがいいと思いたいんです

森は「陽気に食事にでも行きませんか?」と皆を誘い
鷲戸が自分の車で先に立ち、森、島浦、イラストレーター仲間らは局のクルマで後を追った

仲間:
あのお面のデザインのせいじゃないかという気がする その大部分は人間のほうが自己暗示にかかった
音にも人を不安にさせたり、ウキウキさせるものがある 色もそうだ 形もそうなのでは

ミクロネシアの長い年月のうちに作り上げられた無数のお面の中で
あれは、人心に恐怖を呼ぶ組み合わせになっているのかも
大体、信仰の対象となるものなら、それくらいの効果がないと役に立たないのでは?

仲間の意見にあり得るかもと思った瞬間、森が絶叫して急ブレーキをかけた
前を走っていた鷲戸のクルマに、横から飛び出したダンプカーがぶつかり
鷲戸のクルマはぐしゃぐしゃに路面に叩きつけられ、吹き出した炎が包み込んだ

これは呪いか? 偶然か? 分からないまま、島浦は走り出していた

(ほんとうの神さまは呪い殺したりしない
 自己暗示、集団催眠もあるだろうけど、ツタンカーメンの呪いでも死んだ人と何もなかった人もいるし
「呪」はヒトの「念」 強く信じる心じゃないだろうか?
 面を彫ったヒトの念が強かったのかも

 ラジオの選曲がいろいろあって面白い趣向


【闇からのゆうわく】

もうすぐ3学期が始まるが、浦上公一は朝からプラモデルにハマっている
セットについていた接着剤では足りなくなり、買いに行こうとすると
母に見つかり「勉強しろ」といつもの説教
階下に行くと、父がいて「頭がいいと言われてもいい気になるな」とこれも始まったら止まらない

数学教師の上田が急に転任になったとPTAの回覧電話が来て、その隙に外に出る

新しい先生は誰だろうと思いながら歩いていると、後ろから声をかけられる
「石塚中学はどう行けばいいか教えてくれません?」

振り向くとハッとする美人だが、目が底光りして威圧感を感じる女性がいた
ここから説明するのは難しい道順だが、「なんとか分かると思うわ」と彼女は歩き出した



翌日、上田先生のあとを引き継ぐのは松葉先生だと紹介したのは、昨日の女性で驚く公一

「すげえ美人じゃん!」とはやす高見沢 副委員長の白川ミミが制した
「妬いてるのか 今までは白川が文句なしミス石塚中学だったけど」と高見沢

1時間目は数学だ
松葉先生はすぐに授業を始めて、高見沢が自己紹介もないのかと聞くと

「朝礼で冷やかしたのは高見沢くんね 今度あんなことしたら無事では済まないわ
 私、こう見えて気が短いの」


それから1週間後、松葉先生の厳しさは恐怖の的になっていた
息詰まるような授業、毎回の小テスト

白川:
若い独身の先生方は、みんな松葉先生に好意を持ってるようだし、
古い先生たちは教育はこうでなくちゃならんと喜んでいるって噂よ

でも、方法はあるわ みんなで一斉に反抗してギャフンと言わせるのよ
みんなも協力してくれない?


公一は図書部員で、閲覧室で本を読んでいると、誰かにずっと観察されている気がして
見ると思った通り松葉先生だった なぜ自分にばかり話しかけてくるのだろう

「本が好きなのね 私、この学校に読書研究会を作ろうと思うの 浦上くんにも参加して欲しいんだけど
 もう仲間も10人ほどいるわ」

また先生の目が気味悪く光を帯び始め、何をされるか分からない感じになったが断ると
「私は諦めないわよ あなたは、私たちの仲間になるの」

そこに高見沢が来て「君が先生とあんなに親しいとは思わなかった まさかさっきの計画を・・・」
「なにを言うんだ!」

公一は両親に話そうかと思ったが、父はいつも忙しく帰宅が遅いし、
母には話したが、異様な圧迫感などはオーバーに言ってるだけと解釈し
先生がレヴェルの高い生徒を集めていることしか伝わらず、
「気にしないで、勉強に没頭したほうがいいんじゃないの?」
と大人によくあるありふれた返事しかなかった



翌日の数学授業の直前、白川は立ち上がって皆に呼びかけた

「私、もう辛抱できないわ! 先生はまた小テストするでしょうけど、その用紙を破ってみせるわ!」
「僕もやるぞ!」と高見沢がのっかる

教室の戸が開いて、張り詰めた空気の中、入って来たのは教頭だった

「松葉先生は抜けられない用事が出来たので、自習となる
 それだけじゃない 松葉先生の厳しさに反抗して騒ぎを起こす噂を聞いたが
 親もお困りになるだろうから自重してもらいたい」

白川「誰か告げ口したのね」
高見沢「浦上が言ったんだ 昨日、先生と話しているのを見た 彼はスパイだ」
いくら抗弁しても誰も聞いてくれなかった

放課後もクラスメートは誰も公一と帰ろうとせず、口もきかない
高見沢のせいだ、いや松葉先生のせいかもしれないと考えながら歩いていると
用事があると言っていた松葉先生からまた声をかけられた

聞こえないふりをして進もうとすると「待つのよ!」
途端に、見えない壁のようなものを感じ、どうしても体が進まない

「あなたは仲間になる素質はあるけど、まだその力の使い方を知らないんだから」

まるで彼の心を読んでいるかのようだ 彼は抵抗出来ないまま高層マンションまで来て
松葉先生の部屋に入ると、信じられないほど贅沢な部屋で驚く
これが下宿? 彼女はどこかの金持ちのお嬢さんか、それともモデルなどで収入を得ているのか

「違うわ そう 私はあなたの心を読み取る能力がある あなたにもそうなる素質がある
 訓練次第では、もっと別の能力を駆使することができる

 “ミュータント”って知ってる? 私たちの体質や容姿などを決めるのは遺伝子で
 時々、突然変異した“ミュータント”が生まれる

 ある遺伝を伝える部分が欠けたりする場合は、普通より周囲に適応する力が劣ってしまう
 放射能の影響が問題になるのはそのためだけど、他にも優れた力を備えた者が現れることがある

 そうして獲得した新しい形質が遺伝されていく
 そうした一族は、これまでの仲間を圧倒して、生物は進化してきた

 ホモサピエンスではなく、次の新しい人類ホモスペリオールとも言うべきものがもう出てきているの
 しかも、1個体だけでなく、ほとんど同じ頃にあちこちから出現する説もある

 読心力、透視力などを備えていても、単に勘がいいとか言われるだけで、能力を開発できず埋もれていくけど
 今はそうじゃない 密かに仲間が集まって組織を作り、訓練しているの

 私はその一員で、能力でいくらでも高い収入を得ることができるから
 勤める必要はないけど、指令を受けて、学校の先生になっているの

 素質のある少年少女を集めて、高度な訓練を受ける前の予備的な教育を行うために
 あなたに会った時、その素質があるとすぐに分かった だから誘っているの どう?」

「考えさせてください」

目がまた光ったが
「いいわ もう少しなら待ってあげる でもあまり待たせると、あなたの身に何が起きるか保証できないから」

何が起きるのか、それは誰がやるのか 混乱と恐怖は増すばかりで親になにもかも言おうとしたが
もし仮に信じたとしても、学校に行ってただそうとしても、先生に否定されたらそれまでだ

電話だと母に呼ばれて出ると

「石塚中学の生徒だ 忠告するが、早く決心しないと君は消されてしまう
 先生からそう言うよう伝言があったんでね じゃ」


親には「読書研究会のことだ」としか言えなかった

翌日、「読書研究会に入る決心はついた?」と松葉先生が話しかけてきた
それを聞いた白川と高見沢は、「やっぱり、そうじゃない」と言った瞬間
先生の目が光り、2人は見えない力で突き飛ばされたように仰向けに倒れた

「バカものたち!」先生の目がギラギラ光っている
周りの生徒が「お化け!」と騒いだが、それでも先生はそうなることが分かっていた様子だ

「こうなれば、あなたも決心するほかないでしょう 従うのよ いいわね」
公一を孤立させたのも先生の作戦だったのでは?

1時間目は数学だ
「おい、浦上、説明しろ! 松葉先生は何ものなんだ?」

松葉先生が出席をとろうとして白川が抵抗した

「いやです 先生は・・・化け物です! 目が光っていました」
「人間は自己暗示が強いと病気になることもあるわ 集団催眠という現象もある」

先生は錯覚ということにするつもりだ

クラス委員長が「授業を始めてください 僕は馬鹿げたことは信じません」
高見沢「そういえば、先生としては脱線が長過ぎるもんな!」と皮肉を言うと
先生の顔色が変わり、右手を向けると、火の玉が現れ、机に焦げ跡が残った
高見沢が反射的によけなかったら火傷していただろう

先生は笑っていた

「どうやら私は失敗したようね もともと先生なんて柄に合わなかったのよ
 浦上くんが誘いを拒否するのは決定的ね
 私は去るけど、誰かがあなたを消すことになるでしょう」

公一は見えない力で吹き飛び、後ろの壁に叩きつけられ気を失った

意識が戻り、これまでのいきさつをクラスメートに話したが
また白眼視されるのを怖れ、公一も新人類かもしれないということは伏せた

「すると、学校にはまだ仲間がいるわけだ 誰だろう」

松葉先生はその日、辞職願を出してさっさと帰ってしまった
騒ぎを聞いたほかの教師が事情を聞き、学校中が騒ぎとなった
PTAも乗り出し、教師が生徒に暴力を振るったと問題視した

だが、松葉先生は辞めてしまい、生徒も軽症で済み、話はうやむやとなった
松葉先生はマンションに閉じこもり、記者も時が経つにつれて減っていった



それから2週間ほど後、公一は7、8人の生徒に囲まれた これが新人類の仲間に違いない
次第に暗い方向に進んでいく 車を止めて助けを求めようとすると、足が突っ張ってよろめいた
「立ってくれ それともまた我々が力を合わせて君を立たせなければならないのかい?」

“我々”ということは、彼らの力は先生に比べると劣るのでは?
公一は力を集めさせないよう、ジグザグにめちゃくちゃに走って逃げた
人の多い所では彼らも手出しは控えているらしい

プラモデル屋に入り、挟み討ちにされると気づき、裏口から出た
タクシーなら自宅まで帰れるかもしれない

「およしなさい あなたの心理傾向を分析して、ここで待っていたの
 タクシーを素通りさせるぐらいなんともないことよ

 私からの申請で、指令は取り消されたわ
 数少ない新人類をこんなことで失うのはもったいないし、私と同じケースが他にも多くて
 強引に教育するより、当分そのまま自由に才能を発揮させて、助力が必要になるまで放っておく方針に変わったの」

残念がる仲間に

「独力で自分の可能性を伸ばすのよ それに私が先生タイプでないことはよく分かったし
 他の道に進むことにしたわ よそへ引っ越すつもりだし
 5年か、10年先にまた会いましょう」

その後姿はどことなく寂しそうで、解放されたようだった
生徒たちも黙ったまま闇に消えた

同じ学校の3年生は
「実は、先生は君に好意をもって奔走したんだ 僕には先生の本心は分からないが・・・」と言って去った



それから半年経つ
あの3年生は卒業し、松葉先生の記憶は学校から薄れたが、すべて終わったわけではないと公一は知っていた
新人類はたしかにいて、時が来るのを待ち、力を養っている

そして、自分もその一人の可能性が高い
彼らが行動を起こした時、自分はどちらの側に立つのだろうか

分からないながらも、指令1つで動かされる組織でいいのかと気になる
そんなグループが、果たして真の意味での新しい世界を作りだせるのか?


もしかしたら松葉先生もそれを意識していたから、自分に好意を抱いたのではないか
みんながそれぞれ自由意志で動くやり方に惹かれていたのではないかと思う



【解説 新戸雅章 内容抜粋メモ】
SF界の名伯楽・石川喬司氏は、眉村作品には「平凡な下積みの生活人の、日常感覚」が行間ににじんでいると評したが
僕の印象はそのような私小説的イメージとはかなり異なっていた

最初に読んだのは『SFマガジン』に掲載された短篇『重力地獄』 これは悪夢のような作品だった
この出会いで、眉村はシェクリイなどに通じるモダンなSFホラーの名手として印象づけられた
SFの魅力は、私小説讃辞とは無縁ではないのか

もう1つ納得できなかったのは、眉村の持論の「インサイダー文学論」だった
作者自身から次のように語られている

「日本の文学は、反逆の形をとることによって成立したところがある
 ところが正直な話、30ぐらいになると、だんだん体制内で動かしているものの骨組みが分かってくる
 それを見ると、ふつう、みんな文学を放棄してしまう

 しかし、そういう現実を踏まえて、相手の弱点をつき、突っ込むような小説はできないだろうか
 それにはSFが一番いい というような意味でのインサイダー的ということなんです」


『SFマガジン』140号 座談会「SF人がこう評価する」

要約すれば、
「体制は内部から瓦解させなければならない SFはその最も有効な武器となり得る」

僕はSFにそれほどの力があるか 結局、体制に絡み取られるのがオチではないかと思った
『EXPO'87』を読んでも疑問は解消しなかった
眉村の標榜する「インサイダー文学」は、大衆の無力感を増幅させるだけではないだろうか?

しかしこうした違和感は、『あの真珠色の朝を・・・』で一掃された
彼らの夢と挫折を、成熟した文体で(内側から)描くことこそ
眉村の企図した「インサイダー文学論」の成果で帰結だったのだ

眉村の方法は、60年代末の時代風潮とは異質のもので、
僕を含め「造反有利」の世代に、保守的に映ったのも当然だったろう
だが、今にしてみれば、その内在的突破の方法がいかに優れた戦略かもはや自明だ

本書は作者お得意のジュヴナイル2篇を収めた中篇集だ
作者のDJ体験と重ね合わせて読むのも一興だろう

『なぞの転校生』に属する学園SF「闇からのゆうわく」の快作
超能力集団と、純情で正義感にあふれた主人公の絡みには、
作者の政治体験、青春体験が込められているかのようだ

(政治体験もあるのか???


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必見! フィギュアスケート演技集

2018-06-16 13:30:22 | フィギュアスケート
予録の消化です
ユヅくんがいないから、去年のGPファイナル@名古屋(12.7)前あたりか?
これまでのハイライトだから、これまで書いた記事とダブると思うが何度観ても感動する

いきなり超眠そうなミニ昌磨くん登場






やっぱり真央ちゃんだよねえ

浅田真央(15)2005 GPファイナル FS ショート1位
♪くるみ割り人形







自分のことのように話す伊藤みどりさんの解説がステキなんだよね

トリプルアクセル1回目成功、2回目は3フリップに変更
い:可愛く演じて欲しいですよ 3ルッツは簡単ですよ、真央ちゃんにとっては

ストレートラインステップ ダブルアクセル スピン
バレエの振り付け 片手ビールマン い:ここで、内緒だよ しー(ここ好き

スパイラルシークエンス い:彼女はもう表現力を求められている
3×2×2が決まって笑顔 大きな拍手 3×2
い:よし、ガッツポーズ出たよ 3×2ルッツ スルツカヤと優勝争いしてたみたい



アナ:まさに氷上の妖精! キス&クライでは大きなドラえもんをもらってる
涙はなく、自分で驚いて拍手してる 何度見ても泣けるなあ






浅田真央(18)2008 GPファイナル FS ショート2位
♪仮面舞踏会





常にトリプルアクセル2本入れる挑戦をしていた真央ちゃん このプログラムも大好き

トリプルアクセルから片手を上げてコンビネーションジャンプをつけた
イーグルからもう一度トリプルアクセル成功 い:よし、跳んだ!拍手

3×2×2片手を上げて スパイラルはNO1の評価 この年から取り入れた3サルコウも成功
ここで転倒 3トゥーループからのシークエンスにかえた
ステップシークエンス 観ていてどれほど手に汗握ったか!
コンビネーションスピン 静かに両手を上げた
キス&クライで得点を見て、静かに何度もうなづく




高橋大輔(26)2012 GPファイナル FS ショート1位
♪オペラ『道化師』





初めてのGPファイナルは19歳 これも大好きなプログラム
これを観て、オペラに興味を持ったかも

最初に転倒 解説は佐野稔さん 4×3決めて、さ:男!!
次はこらえた コンビネーションスピン 表情も豊かなステップシークエンス
この表現力は日本人ではなかなか出せない色気

コンビネーションジャンプは手をついた←ジャンプの名前をゆってくれないと全然分からん
3サルコウ これが歌つきならどうなっていたろう? 3連続 3ルッツ



この両手をだんだん広げる仕草は大ちゃんから流行ったと私は思ってるんだけど、違うのかなあ?
ダイナミックなオーケストラに負けない演技 コンビネーションスピン



今観ても見ごたえ十分 7回目のGPファイナル
アナ:悲願の日本男子優勝はやはり高橋大輔でした!! もう叫びに近い声




浅田真央(22)2012 GPファイナル FS ショート1位
♪白鳥の湖



アナ:4年ぶりのGPファイナルで、4年ぶりの金メダルを狙っています
3ループ 解説は荒川静香さん ダブルアクセル×3トゥーループ
3フリップ 課題の3ルッツも決めた 2サルコウに 3×2×2
ビールマンスピン 笑顔になって3×2 スピードがどんどん上がる
アナ:今シーズン世界最高評価のステップシークエンス
くるくると回る 荒川静香:なかなかこれほど左右バランスよく使い分けられる人はいない
コレオシークエンス スパイラル






羽生結弦(18)2013 GPファイナル SP
♪パリの散歩道



そしてユヅくんの時代がやって来た
この頃から充分王子さまだったのに、私は当時、真央ちゃんを応援していて
男子選手はノーマークだったのかもしれない

冒頭、4回転をキレイに決める アナ:スピンは今シーズン全選手の中で最高得点
演技後半に唯一人ジャンプ2つ入れた構成



さ:
カウンターからのトリプルアクセル~~~~~! これもいいなあ!
トリプルアクセル跳ぶ前に難しいターンを入れてるんです だからGOEが上がる

3ルッツからコンビネーション~~~~~~~!!(いちいち面白い佐野さんのリアクションww

ステップシークエンス 何回観てもキレッキレ オリンピックで金メダル取るわけだよ
音の1つ1つをとらえて、試合を楽しんでいる表情がイキイキしている
アナ:“パトリック・チャンと戦うことで自分の成長を確認できる 成長するしかない”と語っていました





演技後、自分に拍手 キス&クライで当時世界歴代最高得点が出て、この驚きようw
オーサーコーチ“Good Job!!”






浅田真央(23)2013 GPファイナル FS ショート1位
♪ピアノ協奏曲第2番 ラフマニノフ 重い曲 真央ちゃんのプログラムはどれも秀逸
すべて手に汗かいて、心臓破れそうになって観ていた



1本目のトリプルアクセルは転倒 2本目は両足着氷と回転不足 コンビネーションにならず それでも挑戦しつづけた
3フリップ コンビネーションスピン美しい 改めてスケート全体の質の高さを感じる

ダブルアクセル×3トゥーループ 3サルコウ 3×2×2 3ループすべて決めた
スピン さらに盛り上がるステップシークエンス 大きな拍手の中で自由にテンポよく舞う
世界一のステップシークエンス 演技後は首をかしげる





キス&クライで最高得点を出しても冷静で佐藤コーチとなにか真剣に話し合う
ああ、日本に真央ちゃんがいてくれて幸せだなあ!






羽生結弦(20)2014 GPファイナル ショート1位
♪オペラ座の怪人



アナ:いろいろな事があった壁を乗り越えてきました

今シーズン初挑戦の種類の4回転を決めた 4トゥーループも余裕がある
さ:なんという男でしょうね すごい!

スピンも見応えあり ユヅくんのプログラムもどれも芸術品
アナ:“ずっと滑りたい”と話していた♪オペラ座の怪人 “ファントムの嘆きを表現したい”
3ルッツ×両手をあげてコンビネーション トリプルアクセル×3トゥーループ
歌を口ずさんでる トリプルアクセル×1×3サルコウ 3ループ
最後の3ルッツで転倒して笑ってるw イナバウア 羽根の衣装同様、羽根のように浮かんだ



フライング足換えシットスピン 仮面を取り、コンビネーションスピン
どのプログラムもオリンピック金メダル級 そしてまた演技後は自分と観客に拍手してガッツポーズ







佐野:参りました アナ:どこまでこの人は強くなっていくんでしょうか
キス&クライではドンッと立ち上がって、「みなさんのお蔭です」と両手を広げた






宇野昌磨(17)2015 GPファイナル FS ショート4位
♪トゥーランドット
宇野くん登場 この男子2人がいる日本に生まれて良かったなあ!



4トゥーループ×2トゥーループ決めた トリプルアクセル×3トゥーループ
解説は織田信成くん 去年ものにしたばかりのトリプルアクセル流れがある
つなぎも魅せる ステップシークエンス フライングキャメルスピン

後半、3ループ 3サルコウ 一息ついて あ、もう歌入りか
4回転こらえた 3ルッツ ダブルアクセル×1×3フリップ
クリムキンイーグルでもう大拍手 コンビネーションスピン 
フィニッシュポーズ終わったと同時にガッツポーズ



 




羽生結弦(21)2015 GPファイナル FS ショート1位
♪SEIMEI



出ました 4サルコウ鋭い1直線 太鼓などの鳴り物にピッタリ合った動きにもこだわりを感じる
4トゥーループ 3フリップ フライングコンビネーションスピン
会場から大きな手拍子の中ステップシークエンス 鈴の音が涼やかに鳴る

和を取り入れてオリンピック2連覇達成も嬉しきかな
今はこうして余裕で観れるけど、ユヅくんの時もいつもドッキドキで緊張して観てる

4トゥーループ×3 トリプルアクセル×2トゥーループ トリプルアクセル×1×3サルコウ
3ループ 3ルッツ ダンッダンッ!からのコレオシークエンス
ハイドロブレーディング イナバウア アナ:戦う相手は世界最高の自分です





ダンッ!でフィニッシュ どうだとばかりの目力





アナ:羽生結弦が羽生結弦を超えました!!



こうして流れで観ていくと、この数年でどれほど技術的にも表現的にも
超高速により高いものが求められて、進化しているかがよく分かる



宮原知子(18)2016 GPファイナル FS ショート3位
♪惑星
今度は真央ちゃんを追う日本女子のホープ メドベージェワが世界最高得点を出した後の演技



3ループ 3ルッツ×3トゥーループ 3フリップ 力強さをアピールしたステップ
ダイナミックな動きと目力 レイバックスピン・ビールマンスピン ふとした表情もイイ
3×2×2 ダブルアクセル×3トゥーループ 3サルコウ この安定感はサットンならでは
見ていて何も不安を感じなくて済む ダブルアクセル コンビネーションスピン 逆回転
そして可愛いガッツポーズ







宇野昌磨(18)2016 GPファイナル FS ショート4位
♪ブエノスアイレス午前零時 ほか この選曲がまず合ってた エキゾチックで新鮮



4フリップ 3ターンから4トゥーループ イーグルから3ループ フライングキャメルスピン
ジャンプ前の入り方の工夫も年々増えていく感じ

ステップシークエンス 宇野くんはヒラヒラよりタイトな衣装が似合う
フライングコンビネーションスピン イーグルからトリプルアクセル そして、この独特な女性ヴォーカル

後半、織田くんによるとバックアウトカウンターから3ターン後の4トゥーループ×2トゥーループ
言われなきゃワケ分からん いや、言われて観ても分からない難しさ
3ルッツ トリプルアクセル×1×3 3サルコウ
コレオシークエンス クリムキンイーグル コンビネーションスピン


 
さらに盛り上がる女性ヴォーカルとともに演技も情熱的に滑り抜き、しばらく放心状態








時代を追って、それぞれの最も輝いた瞬間が観れる永久保存版

さて、話題になっているルール改正のほうはどうなったのか?
アイスショーの時期に、来シーズンのプログラムの予行練習も兼ねたりすることもあるそうだし
それぞれ、次の4年後を見据えたまず一歩目の新プログラムがとっても気になる


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