メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『君たちはどう生きるか』

2018-06-17 16:38:19 | マンガ&アニメ
原作:吉野源三郎
漫画:羽賀翔一


以前、ジュンクで作ったhontoカードから誕生日メールが来ていることに気づいた



「クーポンの内容」
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電子書籍より紙のほうが良かったが、対象は電子書籍のみなので仕方ない
クーポンを取得して、足りない分は、いつのまにかたまっていたhontoのポイント85Pを使った

それでも16円足りないから、支払いはauを選んだら、
パートナーサイトの「トゥ・ディファクト」と連携利用開始設定するとのことで「同意」
無料で読めることになったが、一度買ったら何回でも読めるのか???

電子マネーは便利だけど、こうしてどんどん連携していったら
他社にもいろんな情報がだだ漏れなんだろうか?
まあ、それも時代か

スマホじゃ画面が小さいから、PCで読むことにした やっぱり本は紙がイイなあ

読み始めてすぐに分かったけれども、サイズを調節するのがいちいち面倒臭い
本なら目を近づければ済むものを、PCだと毎ページ拡大しなきゃならない
他にやり方が分からないから、普段使わない「拡大鏡」で見ると
今度は線が粗くなる これじゃ、物語に没頭することなど出来ない



本書は「原著を漫画化した」とあるが、マンガ部分はむしろ補足、入り口のようで
おじさんのノート部分が長い
時に説教口調になるのが気になるけれども、哲学、心理学など
人間の根源を教えたいという気持ちが溢れている

これが書かれたのはもっと昔だから、日本文学の口調で
もとはもっと難しく書かれていただろうけれども
今の子どもたち、大人たちにも分かり易く要点をまとめたのかも

それにしても叔父さんの文章の中で何回「男らしく」と出てくることか
これこそが正しいと説いている人も、やはり100%正しいとは限らないということも分かる
男子生徒しか出てこないのは、男子校なのか?


宮崎駿さんが今作を読んで計り知れない感銘を受けて、
再び長編アニメを作る気になったというニュースがなければ、
どんなに上位ランキングになっても
興味を持って読むことはなかったと思う

宮崎駿監督、新作タイトルは「君たちはどう生きるか」

宮崎駿監督の新作『君たちはどう生きるか』は冒険活劇ファンタジー!
鈴木プロデューサーは「内容は、タイトルとは随分と印象が違う。大ファンタジーだ。
 内容を読んで、ぼくには宮さんが引退を撤回する理由がよくわかった。
『風立ちぬ』では終われない。宮さんの面目躍如は、やはり“冒険活劇ファンタジー”だった」
 と宮崎監督が用意した20分の絵コンテが繰り広げる世界に夢中になったと明かす。”

『風立ちぬ』も原作にいろいろな人物を混ぜたりして、作り上げたから
今作も変わるだろうと思ったけど、冒険活劇?! 一体どーなっちゃうの?
堅苦しい説教話は、宮さんが一番キライだから、子どもが一緒に楽しめるアニメになるのかな



あらすじ(ネタバレ注意
【1937年 東京】
1人の中学生男子・本田潤一と叔父(母の弟)の物語は出版されてから今もなお多くの人に読み継がれた小説で、
これはそれを初めて漫画化したもの

1、へんな経験



コは友人がいじめられているのを傍観したことで自責し高熱を出して休んでいると
叔父から1冊のノートを渡され、それほど悩んでいるということは、
君が正しい生き方を求めているからで、このノートを読めば新たな一歩を踏み出せるとある



ノートは叔父(本田? 元編集長)が近所に引っ越してきた日からの記録だと分かる
引越しの手伝いのお礼にたくさんの本の中から「分子の構造」を手に取るが戻す
この世のものがすべて分子でできていることがフシギだと思う

叔父を街中案内していると雨が降り、路面電車に乗り銀座まで来る
父が亡くなる前はよく来ていた



自分が宙に浮く気がして、自分も分子だと知る

「僕も世の中の大きな流れをつくってる一部なんだ」

叔父は少年をコペルニクスからとってコペル君と呼ぶことにすると嬉しくなる

「ものの見方について(おじさんのノート)」



コペルニクスは地動説を説いた それまではキリスト教の影響もあって、
太陽などが地球の周りを回っていると信じていた
(パニ障にとっては、地面のほうが浮いて回っているなんて言われただけで具合が悪くなるな/怖

これはニンゲンが自分中心にものを考えることにも通じて、相当根深いものだ
子どものうちは天動説、大人になると地動説に変わるが、
大人になっても、自分中心に考える人が多い
大きな真理はそういう人には見えない



2、勇ましき友 前編
級友の北見(ガッチン)、水谷からあだ名をつけられそうになり、学校でもコペルで通すことにする
山口は浦川の弁当にいつも油揚げが入ってるから、そうあだ名をつけて、周りは何も文句が言えない

叔父にもそれを話す
コ:みんなで1つの大きなかたまりになると、逆に抜け出せなくなるのでは?
叔父:それは自分で考えないと 僕のほうこそ聞きたいね

教室で11月のクラス会で浦川に演説させろとメモが回ってくる





3、勇ましき友 後編
先に弱いものいじめは止めろと言ったのはガッチンでみんなも加勢するが
浦川は「もういいんだ許してやっておくれ」と止める
理由は「みんなに一斉にヤラれる痛みが分かるから」

それを叔父にも話すと「思ったことを浦川くんに伝えたら大きな力になるのでは」と言われ
「ちゃんと伝えるよ もう二度と、みんなで間違った方向に流されないように」

自分が正しいと思ったことは誤魔化さずに行動に移す
病床の本田さんも同じ想いだったのだろうかと思い返す叔父


「真実の経験について(おじさんのノート)」
姪っ子の話に喜ぶ叔父 卑劣なことを憎み、男らしい真っ直ぐな精神で
立派な人間になってもらいたいのは、亡き父の最後の希望でもあった

父は亡くなる3日前、叔父を呼び、頼むと言った
「私はあれに、人間として立派な男になってもらいたいと思う」



ノートに書き留めているのもそうした理由から
だが、それは数学のように教えられるものではなく、大人になってもずっと自分で学びつづけるしかない
世の中にはたくさんの格言、名著、芸術があってもやっぱり自分で確かめるしかない

(どんな事も自分で体験しないかぎり、想像して寄り添うことは出来ない
 ほんとうのことは本人にしか、いや、本人すら分からないかもしれないから
 実際経験してみて“腑に落ちる”ということ それが生きている意味の1つでもあると思う

僕もお母さんも、君にただ学業が出来て、行儀がよい、欠点のない人間
または、世間的に良い人になって欲しいわけじゃない
君は学校の「修身」でたくさん学んでいるが、問題はその先だ

教えられた通りに生きていればいつまでも一人前にはなれない
世間の目より、君自身が、人の立派さが何かを魂で知ることだ


世間には他人の目に立派に見えるよう振る舞っている人が多い
そういう人は、自分が人の目にどう映るかを一番気にして
ありのままの自分がどうか知らない

心を動かされることを大切にして、その意味をよく考えてほしい



4、ニュートンの林檎と粉ミルク
浦川くんは体調を崩して学校に来ていない

友だちを家に呼び、野球をしていた時、なぜニュートンがリンゴが落ちただけで「万有引力」を発見したのか叔父に聞くコ

月が地球に落ちてこないのは、地球の重力と、月が回る勢いの力が釣り合ってるからだが
ニュートンは、地球の重力と天体の間の引力が同じ性質と考えた
「当たり前」ではなく、どこまでも考えると、物事の大事な「根っこ」にぶつかるんだ

コは浦川くん宅を訪ねると貧しい界隈の豆腐屋さんで
働き手が風邪をひいたから息子に手伝ってもらってると母親から聞く



近所のお肉屋さんが揚げ豆腐を買いに来て、お裾分けを置いてくれる
それを見て、コも母の料理を手伝い、粉ミルクの缶が落ちる瞬間、すべての見方が変わる気がした
ラクトーゲンの粉ミルクが自分の口にたどり着くまでのこと



コは初めて考えていることを叔父に手紙で書き、「人間分子の関係、網目の法則」と名づける
うちにある缶は、コが赤ん坊の時、母の乳が足りず、毎日ラクトーゲンを飲んでいた頃からのもの

じゃあ、それが出来たオーストラリアの牛も自分の母さんなのかなとか
牧場、工場、土人(!)のことなどいろいろ想像した

それを船で運ぶ人、売りさばく人、宣伝する人、小僧がうちの台所まで持って来るまで
何千人、何万人が僕とつながっているのに、僕が知っているのは3人くらい
向こうも僕のことをまったく知らないのは変だと思った

家中のもののことも考えて、とうとう寝てしまった
学校に行き、先生の洋服はオーストラリアの羊から始まってる
だから、みんな知らない大勢と網のようにつながっているのだと思う


「人間の結びつきについて(おじさんのノート)」
コの発見に感心し、それは学者の言う「生産関係」だと説明する叔父
ヒトは生きるためにいろいろなものを自然界からもらっている
ヒトは未開の時代から協同して働いてきた それを「生産関係」と呼ぶ

最初は顔見知り同士だったから、着るもの、食べるものがどうできたか分かっていたが
集団が大きくなると、品物を交換したりして、ができた

協同・分業が大規模・複雑化して、作り手と消費者の顔が見えなくなった
労働も、金をもらい、必要品を買うことが目的になった


国同士となるとさらにややこしくなり、今では世界中が1つの網になった
今では日本の紡績ははじめから外国市場に売るのを目的で生産している

その代わり日本も、アメリカの石油などがなくては困るようになった
気づけば、誰もこの関係から抜け出られなくなった

大人になって必ず勉強しなければならない学問に「経済学」「社会学」がある
でも、本当に考えなければならないのは、本当に万人の役に立つ発見は何かということだ

ヒトは1人で経験することには限りがあるが「言葉」「文字」がある
(動物みたいなテレパシーがないものね

いろいろな意見の書物を比べてまとめたのが「学問」
それを受け継いで、新しい経験を積んで進歩してきた

だから僕たちはできるだけ学問を修めて、これまでの歴史から教わらなければならない
その上で何か発見したら意味をもつ

君が変だと感じた通り、人間同士のつながりはまだ未熟だ
だから、訴訟・戦争が絶えない 人間らしい関係になっていない

たとえ「赤の他人」でも人間らしい関係をつくるのがほんとうだ
これはまだヒトが進歩しても解決できない問題の1つだ

では「人間らしい関係」とは何だろう?
君の母は君のために何かしても報酬を欲しいとは思わない 尽くすのが喜びなんだ
ヒトが互いに好意を尽くし、喜びとするほど美しいことはない
そう思わないかい?



5、貧しき友
コは浦川の家に通い数学を教える 何冊もノートが買えずにびっしりと書いている浦川
父は故郷の山形に行き、叔父に金を工面してもらう相談に行っている

浦川くんが家の手伝いも勉強も逃げないことを尊敬していると叔父に話すコ
叔父はコが浦川の貧しさを知ってバカにするどころか、役に立とうとしたことに刺激を受ける
そこに父から「今夜帰る」と電報が来たと浦川が来て、自分のことのように喜ぶコ


「人間であるからには 貧乏ということについて(おじさんのノート)」
僕は君の話しぶりに、自分を浦川くんより一段高い所に置いているような思い上がりがないことに感心した
とりわけ、君が貧しさについて微塵も侮る気持ちがないことが嬉しい

そんな気持ちを起こさせなかったのは、浦川くんの優しい心根のせいでもある
貧しい人は、たいてい引け目を感じながら生きているものだ
自尊心をもった人でも引け目を感じるのは人情だ
世間には、金持ちの前でやたらにペコペコする者も多い

人は自尊心を傷つけられるほど嫌なものはない
ほんとうの値打ちは衣食住にあるわけじゃない
自分の値打ちに自信があれば、境遇に関わらず落ち着いて生きていける

たとえ貧しくても、自分をつまらない人間と考えないように 豊かでも偉いと考えないように
でも、貧しい境遇の傷つきやすい心を省みないようでは
人として肝心なことが分からない憐れむべき馬鹿者になる

今の心を大人になっても変わらず持ちつづけることが大切だ
今の世の中で、大多数を占めているのは貧しい人々で、
人間らしい暮らしが出来ないのが何より大きな問題だ


世間には浦川くんより貧しい人は驚くほどたくさんいる
彼の家は貧しくても息子を中学校にあげている

しかしその店で働く若い衆は小学校でやめなければならなかった
いつか自分の店を持ちたいと働き、自分の労力のほかに生計をたてる元手がない
ひとたび病気や怪我をすれば餓死につながる

残念なことに今の世の中は一番困っている人が体を壊しやすい境遇にある
君は去年の夏に行った房州で、大小さまざまな煙突が並んで煙を吐いていた光景を覚えているか
あの煙突の1本1本の下に何十人、何百人という労働者が汗と埃まみれで働いている
広々とした青田でも、避暑になど行けないお百姓が腰まで水に浸っていた

貧しい人は日本だけじゃない 世界中の大部分を占めている
学を修めたり、絵や音楽を楽しむこともない
輝かしい歴史は誰にでも与えられているわけじゃないんだ

そもそも、この世に貧困があるために、どれほど痛ましい出来事が生まれているか
なぜこれほど文明が進んだ世の中にそんな問題が残っているのだろう?

ただ、今の君に分かって欲しいのは、そんな世の中で君がなんの妨げもなく
自分の才能を伸ばしていけることがどんなに有り難いかということだ
滅多にあることじゃないと思えばこそ、感謝する気持ちになる

そのように恵まれた立場の者が何をしなければならないか
君が才能を伸ばして、世の中のために本当に役立つ人になってくれることを願う

おしまいに1つ君に問題を出す
網のようにつながって生きながら、全く心にかけず、ただ自分たちの幸福ばかり考えるのは間違っている
だが、ただ憐れだとか、同情しなきゃならない人と思っていたら大変な誤りだ

なるほど貧しい人には知識もなく下品な場合も多く
自分のほうが上等だと考えてもムリはないが
見方を変えれば、あの人々こそこの世の中を担いでいるんだ
君なんかとは比較にならない立派な人たちなんだ

ヒトが生きる上で必要なものは、すべてヒトの労働の産物だ
それなしには文明も、進歩もない

君自身は何を創り出しているだろう?
たくさん受け取って、消費専門家として生きている

元来、生産は消費のためだから、消費そのものは悪くない
だが生産している人と、ただ消費してる人とどっちが立派か
モノだけの話でなく、芸術、学問などを生み出すことこそ、人を人間らしくする

君は自分では気づかないうちに日々生み出している点がある
自分で答えを見つけてみたまえ 急ぐ必要はない 人に聞いてはいけないよ

答えは明日見つかるかもしれないし、大人になっても分からないままかもしれない
だが、人間であるからには、一生のうち必ずこの答えを見つけなくてはならない

(自分が何をしにこの時代、この世界に生まれてきたか
 自分がほんとうは何者か知るために生きているんだ



6、ナポレオンと4人の少年
上級生3人が誰かを探している



ガッチンは「誰かナポレオンの伝記を持ってないか」と聞く 理由は「ナポレオンに憧れているから」



叔父の本棚を探してもないが、叔父が話してくれる

ナポレオンはたった10年間で貧乏将校から皇帝になった
国内外の問題を引き受け、大戦争を次々と指揮した(それは偉人じゃなくて戦争屋では?

ガッチンはこないだ殴った山口から「謝らないなら兄貴の仲間を呼ぶ」と言われた
上級生が探しているのはガッチン

浦川くん「もし、殴られそうになったら僕らを殴れって言えば、殴ってこないのでは?」
コ「それでも止まらないなら、僕が壁になって止める
それに加勢する仲間

叔父はコの父と交わした約束について思い出す
病室で父はコのために何も遺せなかったことを悔い、
「子どもたちに向けた本を作って欲しい」と叔父に頼んだ

その後すぐ父は亡くなり、2年間著者を探したが、
自分自身どんな本を作ればいいか分からなかったせいで、見つからないまま出版社が潰れてしまった
「見つからないなら、自分で書けばいいんだ」とコを見て勇気づけられる叔父


「偉大な人間とはどんな人か(おじさんのノート)」
ナポレオンは今でも世界中で英雄視され続けている
彼の両親は落ちぶれた貴族で、家族は貧しい境遇にあった

コと同じくらいの歳にフランスの士官学校に入れられたが
周りは金持ちの子が多く、彼はいつも軽蔑されていた

卒業後、将校になっても貧乏で、コツコツ勉強していたが
24歳、「フランス革命」とともに少将となり、手柄をたてた

(兵士に憧れるなんて「男の子らしい」な

有名なアルプス越えをしてイタリーの都市を攻め落としていった
凱旋するとパリ中の人気を集め、将軍になり、人々の願いを受けて武力で政府を改め、権力を手中にし、
わずか10年間、35歳の若さで皇帝となった

ヨーロッパ諸国は同盟を組み、彼を倒そうとしたが失敗
一時、ヨーロッパ大陸はほぼ彼に服従した

しかし、わずか数年でこの絶頂から落ちる

ロシアは彼に屈せず、イギリスとの通商をやめなかった
彼はイギリスの通商を厳禁したがムリで、「ロシア大遠征」を計画し、惨憺たる失敗に終わった
極寒と飢餓に苦しみ何十万の兵が死に、帰国できたのはわずか

この機会を狙いプロシアほかが反抗し、フランスに侵攻
連合軍に捕らわれ、島流しになる
最期はセント・ヘレナの孤島で5年半過ごした後、死んだ

「ウォーターローの戦」で敗れた時、彼は46歳 落ちるまでも10年間

日本では、総理大臣を2、3年務めるとたいていは体を壊してしまうと言われるが
ナポレオンは大動乱のフランスの中、国内外の問題を一手に決裁した
戦争にかけては、彼の指揮はいまだに戦術の模範となっている

(大量殺人で褒められても尊敬できないな

彼の決断はいつも男らしく、不屈の闘志と誇りを失わなかった
人道と平和を愛したゲーテでさえ、彼の天才的な決断力を心から感嘆していたくらいだ

僕たちが感嘆するのは、その素晴らしい活動力だとけして忘れてはいけない
人間というものに頼もしささえ覚える
それは人が何かを成し遂げる力ではないか

偉人・英雄は一体何を成し遂げたのか? 何の役に立っているのか?
非凡な能力で非凡な悪事を成し遂げることもできる

人間は「技術」「機械」を発明し、自然界を人間の住みよいものに変えてきた

日本の歴史は神武天皇以来2600年、エジプト文明は6000年前に始まったと言われるが
それ以前に書物にない数万年の歴史がある

この河のような流れは、短いものに思えるではないか
一人の一生などほんの一瞬にも思われる

偉人・英雄もこの大きな流れの1つの水玉に過ぎないと気づくだろう
偉人・英雄の中にはむしろ逆行させる働きをした者も多い

ナポレオンが出世しはじめた頃、フランスは腐りきった封建制度を打ち倒し、
新しい世をつくるために血みどろで努力していた
男はみな兵役の義務を負い、外敵と戦った

当時、ヨーロッパ諸国の軍隊は「傭兵制度」という雇い兵で軍隊を組織していた
兵士は給料のために戦ったが、フランス兵士は自由、平等を旗印とした民衆だった

(戦争讃歌か?

ナポレオンは学芸奨励にも力を尽くした
エジプト遠征(侵略とは言わないのね)の際は大勢の学者を同行させ、
この時発見したロゼッタストーンは、エジプト文字を解くきっかけとなった

封建制度廃止後、「ナポレオン法典」を定め、他国の法律の規範になった
日本も、明治維新後、封建制度を廃して、民法を定めたが、
その時の基準となったのも「ナポレオン法典」だった/驚

そして、目覚しい商工業の発達を成し遂げた
(自然を破壊して、公害病などもばらまいて、払った代償も同等だったが

しかし、イギリスとの通商禁止は、ヨーロッパ全体を困らせた
ロシア遠征の際は、ヨーロッパ各国から集まった兵士たちで
祖国の名誉、信仰、主義のためでなく、ただナポレオンの権勢のために命を落とした

偉人・英雄として本当に尊敬できるのは、人類の進歩に役立った人だけだ
『人類の進歩につくした人々』という本を読んでみたまえ
その上で、改めてナポレオンから学ばなければならない

ナポレオンがイギリスに捕らわれた時、波止場は毎日見物人で混雑したという
ナポレオンはずっと船室に閉じこもっていたが、外の空気が吸いたくなり
甲板に現れた時、みんなは静まりかえり、帽子をとって深い敬意を表したんだ

捕らわれの身でも王者の誇りを失わず、自分の運命を引き受けて
しっかり立っていた姿に心を打たれたのだ

良い心がけを持ちながら、生かしきれない小さな善人がどんなに多いかおいおい知るだろう
世間には悪い人ではないが、弱いために、自他に不幸を招く人も多い



7、雪の日の出来事 前編
その後、2週間経っても上級生は襲ってこないため
山口のウソだろうと笑い、雪合戦に興じていると
ガッチンが倒した雪だるまは自分たちが作ったものだから謝れと迫り
「他に仲間はいないのか?」と聞かれて、コは黙ってしまう
ガッチンは上級生に殴られ、恐怖に立ち竦むコを白眼視する





そして冒頭シーンに戻る 自責の念から高熱を出し

「僕なんて・・・死んでしまったほうがいいんだ・・・」



8、雪の日の出来事 後編
叔父は、これまで書き溜めたノートを見ながら本を書き始める
コを訪ねると熱は下がったが何日も休んだままと聞く

もし叔父に事情を話したら「僕が謝ってあげる」と言ってくれるかもしれないが、コは自分の卑怯さに震える
しかし、結局、涙でくしゃくしゃになりながら事情を話す

叔父:
君は約束を破り、絶交されても仕方ないことをしてしまった
後悔ばかり押し寄せてくるなら、一度考えるのを止めてごらんよ
考えられないことを考えるのをやめれば、足をとられないで
今、自分がしなければならないことに向かっていける(心理学みたい

コ:今すぐ手紙を書いて正直に謝らなくちゃ



9、石段の思い出
友だちに宛てた手紙を母に出してもらう
母はコのそばで編み物をしながら、20年も経つのにいまだ忘れられないことがあると話し始める





女学校に通っていた頃、湯島天神下の石段で、おばあさんが荷物をもって難儀そうに階段をのぼっているのを見て
次立ち止まったら「荷物を持ちましょうか」と声をかけようと思いつつ
結局登りきってしまい、どうして行動に移せなかったのかと情けなくなった

母:
でも、そんな自分に今はお礼を言いたいくらいなの
少しでもきれいな心がわいたら、今度こそそれを生かさなきゃって背中を押してくれるから


今までとは違う涙を流しているコに叔父から頼まれたノートを渡す母

(ここで初めてノートを読み始めたのかな?


「人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて(おじさんのノート)」

“人は自分を哀れなものだと認めることで偉大さが表れる
 「樹木は自分を憐れとは認めない」というのは真理だ”

(樹はそもそも憐れじゃないからでは? ヒトを憐れんでいるかもしれないけれども

それは王位を奪われた国王の哀れさだ
彼が悲しいのは、本来王位にあるべき身がそうでないからだ

本来、人がもともと1つしか目がなければ、片目を悲しむ者はないに違いない
むしろ2つ目を持っている者を悲しむに違いない


人間の悲しみや苦しみの意味は?
子どもは子どもなりに、大人は大人なりに、いろいろな苦しいことに出会うが
そのお蔭で本来人がどういうものか知ることができる

体が丈夫なら、僕たちは内臓が体内にあり、大事な役割をしてくれていることを忘れてしまう
体の故障に気づけるのは痛みが生じるお蔭なのだ

人が本来、調和して生きるべきでないなら、なぜ人は不調和を苦しいと感じることができよう

みんな自分の才能に応じて働いてゆけるのが本当なのに
そうでないからそれを苦しいと感じる

辛く感じる時、人間が本来そんな惨めであってはならないからなんだ

自分勝手な欲望が満たされないとか、見栄にこだわって苦労している人もいる
それはつまらない欲望や虚栄心を捨てれば、同時になくなるものなんだ

それは人間だけじゃない 犬や猫も怪我をすれば悲しそうに鳴く
痛み、餓え、渇きなど、ヒトも動物も変わりない
だから牛、馬にも、同じ地上に生まれた仲間として共感したり、愛情を感じる

同じ苦痛でも人間だけが感じる、最も辛いことは、損得でなく、道義の心から、
自分が取り返しのつかない過ちを犯してしまったという意識だ
それを認めるのは本当に辛いから、みな言い訳を考えて、認めまいとする

しかし、それを男らしく認め、苦しむことは人間だけが出来ることなんだ
人だけが何が正しいかを知り、行動を決定する力を持っているからこそ反省し、悔いる
自分の理性に従って行動するだけの力があったのにと考えるからだ

(他の動物はヒトが悔いるような戦争や無差別殺人などはしないからねえ

過ちを辛く感じることの中には立派さもある
道義に従って行動する能力を備えた者でなければ辛くはならない

人は誰でも過ちを犯す
だから、お互いに、正しい道に歩く力があるから、苦しみもあると自信を汲み出そうではないか

またゲーテの格言を出す叔父
僕たちは自分で自分を決定する力を持っている だから誤りから立ち直ることもできる



10、凱旋
コは叔父がずっと自分を見守り、ノートに書いていてくれたことを知り
このノートの中にもう一人の自分がいるような気がする



“僕、明日からまた学校行くよ”

玄関を出ると浦川くんがいて、無視するどころか
自分が休んだ時は勉強を教えてくれたのに、自分は何も出来なくて申し訳ないと謝る
手紙を読んで、返事を書こうと言ったが、ガッチンがイヤだと言ったと聞く



仲間たちに気づき、コは恐れからまた背を向けるが
ノートの力に押されて、キチンと謝る
コ:仲直りできなくても、僕はずっと待ちます

ガッチンが返事を書かないと言ったのは、文章を書くのが苦手だから
学校に来たら直接話そうと決めていたと知る

(自分が「たぶん、こうだろう」と思ったことは
 実際確かめてみると違っていることが多々ある
 世界は1種類だけど、みんな自分の色眼鏡で見ている
 自分の「思い込み」から抜け出すには「気づく」ことからなんだ

ガッチン:コのいない学校はやっぱりつまらない



11、春の朝
叔父の家を訪ねると引っ越した?
その後も何度もノートを読み返すうち、叔父が自分をコペルくんと呼んだのは
賢いという意味でなく、自分中心にならないよう、忘れさせないようにってことに気づく

“でも、だとしたらこの世の中は、何を中心に回ってるの?”

学年末試験が終わる

コはノートを開き、中の自分と話す
父と叔父の約束のこと

通りで叔父に会い、ノートを返す
コ:いつか僕みたいな奴が現れたら、その子に渡してよ

叔父は今、出版社を回っていて本を出すかもしれないという

叔父:もしそれを読んで、何かに気づいたり、行動を起こす力がわくようなことがあれば、それはコのお蔭だ

コはもう一度、銀座が見渡せる場所に行こうと誘い
叔父とここで話してからノートを書き始めたなら
僕もここからノートを書き始めると言う

コペルのノート:
世の中を回す中心なんてないのかもしれない
太陽みたいに1つの存在が回してるのではなくて
「誰かのために」という小さな意志がつながって世界は動いている





長い話もひとまず終わりです
最後にみなさんにおたずねしたいと思います
君たちは、どう生きるか

吉野源三郎




うん、スピリチュアルやら、いろんな角度から見て
そんな言葉や概念がなかった時代でもこうした本があって
世界中にも同じことを考える人がいるなら真実だ

ヒトは、自分が何者かを確かめるために、今、ここ、にいる
ただ、それだけなんだ

やっぱり、いつかもう一度紙の本で読んでみたい
画像が粗くて読めない字も多かったし
できれば原書のほうがいいだろうけど、難しそうだし



コメント

薬師丸ひろ子@SONGS

2018-06-17 16:09:15 | 音楽&ライブ
いつの間に「SONGS」の責任者が大泉洋さんになったの?w



先週から考えてきたタイトルコールは
「北海道から世界へ 大泉洋の SONGS! SONGS! SONGS!」

Q:これにした理由は?
「北海道」という名前がついたのが150年前で、その想いを込めてみました
(くまモン並みに北海道愛が強いのね


<これまでの名シーン>



今回5回目の登場のひろ子さん

お:僕の世代だとやっぱり『探偵物語』ですよね

Q:どんなテーマで迫るか?

お:
デビュー作、高倉健さんとの『野性の証明』を改めて観て、自然の中が合う方だから
野生の王国 ヌーの群れとか スケールの大きい感じに
あの透明感が合うのではないのかと思いました







旅の目的は星空 ひろ子ちゃんは星空を見るのが大好き
向かったのは長野県阿智村(!



2006年 環境省「全国星空継続観察」で1位になった



ひ:
本当に真っ暗の経験したことのない暗闇の中に浮かび上がる星って
どんなものなんだろうかっていう とっても興味があります
天体観測グッズも持ってきましたから


<川を見るのも好き>





ひ:
きれいな水です 流れている水が
あー冷たい! なにかいるかな?
川っていいですよね 私、大好きで、よく1人でも見に行って
何十分も見ている時あります ただぼーっと
自分の普段の気持ちだとか、感情だとか、そういうものが洗い流されていくような感じがして




<山道を歩く>





ひ:
すがすがしいというか、木の香りがしますね
あ、ちゃんとした神さまがいる社のような


「滝見台」
お皿を投げると願いが叶うという言い伝えがある
皿が飛んだ方向で、今後の運勢も分かるそう





ひ:
私は、今晩、星が見られますようにとお皿に書きました
右に大きくまがりし皿は「金運上昇」
左に大きくまがりし皿は「人望上昇」 これがいいかな
人望が上がったほうがいいですよね





皆さん、この行方を見ていてください



(お皿を投げて)真っ直ぐでした? “全てに運気上昇”ですか?
ちょっと取って付けたようですけれどもw ありがとうございます(合掌


<女優になってから40周年>





探偵物語
大人の女性になって歌詞の解釈も変わるだろうな 歌声がとってもソフト








<星空体験@ヘビンスそのはらスキー場>



夜7時 ゴンドラで標高1400m地点まで行く





ひ:
とっても楽しみです
センチメンタルになりますね 星って
どこか遠くの星に、亡くなった人でもなんでも、存在を重ねてみたり
気分がどっちかっていうとセンチメンタルな感じになりますね


夜8時(こんなに大勢が来るんだ/驚
アナウンスが流れて、照明が消えた瞬間、満天の星が現れる





ひ:
ほんとだ きっと闇に目が慣れてきたら、もっともっと星が見えてくるんだと思うんですよね
この星座は何ですか?

ガイド:真上に見えるのがひしゃくの形の「北斗七星」





ひ:
全部きれいに見えますね ほんと、これは見事
あの星はすごく明るいですね 飛行機?w
なんか不思議ですよね
自然の中に人間の作ったこんなに光を放つものも一緒になって光ってるんですものね

最近、亡くなった人が結構よく夢に出てくるんですよ
聞けば、亡くなってすぐはすごく忙しいけれど
数年すると、天国も少し忙しさも落ち着いて
会いたい人にも会えるようになるって
そういう話を聞いたことあるんですけど
あまりにも立て続けに見るから、呼ばれてるのかなって思ったりしてw

思い出の深い歌を歌っていると、やっぱり絶対どこかで見ててくれてるとか
見守られてるっていう気持ちがしてしかたがなくて
錯覚でもいいから自分の目の前に現れてくれたらいいなと思って



こないだ『台風クラブ』を観た相米慎二監督ももう亡くなっているのか・・・






<感謝の気持ちを込めて歌う>

Woman“Wの悲劇”より
人柄の素晴らしさが声にも出ている
想像を超えるたくさんの想いがよぎるんだろうな









<大泉×ひろ子さん タブレットで対談>





お:以前、一度ご挨拶させて頂いたのを覚えていますか?
ひ:覚えてます

お:旅行が好きだと聞きましたが、どんな旅が好きですか?



ひ:
一人旅が多い けっこう無謀に海外に初めていった場所でもレンタカーして
プロヴァンスとトスカーナをひと晩でドライヴして、500kmくらい走って
そのうち300kmは道を間違えてましたw
1人なら誰にも迷惑かけないし、自由きまま、勝手に行動する旅が好きです

お:一緒にいる人怒りますもんね オレもすげー道間違うもんな



<星空の下で詩の朗読>

『エトワール』はフランス語で「星」の意
今年、20年ぶりに自身で書いた詞 星に自らの人生を重ね合わせた



夜を旅するキャラバンよ
いつかあなたの灯台が
照らし導く場所へ イツカ
タシカナモノナド ナニモナイノニ



砂の海原 星は瞬いて
さすらう旅人 イズコ

宇宙(そら)に消えた仲間たち
やがてさびしい独り旅

夢のかけら オリハルコン抱いて
トモシビカザシテ ユクテノゾメバ




<感謝の思い>



ひ:
何十年もっていう、そんな時間を皆さんの前に姿をさらして
それを受け止めてくださってる方がいるっていうのは、有り難いなって本当に思いますね

中学1年生だった子を、その後の40年を見続けてくださってる方たちがいるわけですよね
本当に有り難いなあと思います




<40年分の感謝をこめた歌を届ける>

 詞:松井五郎 曲:松本俊明







<責任者まとめ>

お:
素晴らしいですね 望まれないとやってこれないわけで
薬師丸さんが与え続けた40年でもあるわけですよね
私たちのやってることってステキな仕事だなと思いますね

Q:今後の改善点は?

お:
飛び石を跳ぶシーンを撮るなら、木からパッと出てくるシーンも観たかったなw
古い感覚なのかな 責任者として就任した1回目としてはいいシーンでした
(これが1回目なのか

次回のaikoさんの予告で、♪カブトムシ について
お:哀川翔さん怒りますよ “カブトムシ歌ってねじゃねーかよ”

(全然似てないよー みんな翔さんのマネは声を高くすればいいと思ってないすか???


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