メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ピーター・シスの闇と夢@練馬区立美術館(10.10

2021-10-10 20:15:16 | アート&イベント
ピーター・シスの闇と夢@練馬区立美術館

私好みな絵に魅了されて、行ってみた










出かける時は霧雨だったけど
その後はすっかり気持ちの良い秋晴れ!

練馬駅からの乗り換えって、以前も間違えたことがあるけど
今日も間違えて、先日のうりちゃんライヴと同じ豊島園駅に行ってしまい慌てて戻った/汗
ややこしいよね


練馬区立美術館も久しぶり
いつも興味深い企画展をやっている

大きなトピアリーやオブジェの動物さんたちがいっぱいいる公園は
日曜日なだけに親子連れでにぎわっていた















入口の自動ドアには、今回の目玉の1つ『星の王子さま』の絵がある











1Fフロアのテレビではシスと柴田元幸さんの対談の映像が流れていた/驚
柴田さんといえば、エドワード・ゴーリー
絵のスタイルが似ているから、やっぱり好きなんだな







36分と長くて、しかも英語のまま流れていて
「翻訳は図録に全文載っています」

いやあ、買う予定ないんだよな
字幕を入れて欲しかった



【作品リスト】
*メモに思い違いがあったらスミマセン/謝

どれもとても緻密で、ゴーリーやヒグチユウコさん的な妖しさもある

チェコスロバキアからアメリカに亡命した経歴があり
自由を制限されていた時代を描いた絵には
先日観たバンクシーの絵に通じるものがあった

バンクシーって誰?展@寺田倉庫G1ビル(10.6)part1

モノクロの中に映える赤い色(旗など)は共産党の赤
一方、自由の女神とNYの街は水色
それに向かう翼のある自転車は自由を思わせる虹色に塗られている



かべ 鉄のカーテンのむこうに育って

タイトル
「学校では、かきなさい、といわれたものをかいた」

「やがて、教わらないこともあると知った」

「洗脳されていた時代」

「みんな絵がかきたいんだ。かべいっぱいに自分たちの夢をかいた・・・」

「消されても、消されても、またかいた。」




どこからともなく集まった人々が壁に自由な絵を描いていると
誰かが通報したのか、警察か軍隊の車がやって来て白いペンキで消していくが
また人々はカラフルな色で壁に描いていく繰り返し

「時には夢がかなうこともある。1989年11月9日、ベルリンのかべ崩壊」


・6,000個の目覚まし時計の島
童話アニメの原画
検閲はなんとか通ったが、公開されてすぐ放映禁止となった



シスはロック音楽に傾倒していて、レコードのジャケットも描いた
モドリー・エフェクト:旧チェコ・スロヴァキアの重鎮グループ

70年代のヒッピームーヴメントの香りも感じた


Gatta Serve Somebody/Bob Dylan(誰かに仕えなければいけない
MTVで流すアニメーションを依頼された(!)が
プロデューサーが気に入らずお蔵入りとなった

いろんな国のヒトの顔を円の中に描いて並べた感じ
結局、どんなMVになったんだろう?

こういうのってアーティストは関わらないのか?
ディランが観たら、結果は違ってたかもしれないじゃない?



・選手たち(1982年)
マッケンローvsビヨン・ボルグの世紀の対決を描いた/驚


オリンピック関連の仕事を依頼されて夢に見たアメリカへ
しかしチェコスロバキアは不参加を表明し、戻るよう命じられるが
家族と離れて亡命

(批判されることもあるオリンピックの別な一面だね

モーリス・センダックから電話があり
「絵本作家になるならニューヨークに行ったほうがいい」と言われる

その後、アニメーションで成功


・絵本『リトル・シンガー』
歌が上手い小人は、カラスから指輪、ヘビから王冠、カエルから金の車をもらって
得意になっていたら、仲間を失い、声も出なくなる
孤独感から本当の幸せが何かを知り、それぞれのモノを返して
自分のために歌うことで声を取り戻して、仲間のもとに帰るという話



・ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー
さまざまな挿絵が気に入られて使われた


・絵本『ずーっとしあわせ』
本心をなかなか見せないチェコスロバキアの人々の性質を主人公のサイに投影


・クジラ(2001年)
地下鉄車内のポスター とても評判が良く、その後も2点描いた
ビートルズのアルバム『イエロー・サブマリン』から発想を得た絵もある


1990年 結婚
家族を持って、異国での孤独から救われる

娘マドレーヌには『三つの金の鍵』
息子マテイには『星の使者』という絵本を描くが
哲学的な絵本が子ども向けか悩み
より分かりやすい絵本を描いてシリーズ化された








『マットくん』シリーズ
恐竜や乗り物、働くクルマなどが好きなマテイが主人公

『マドレンカ』シリーズ
架空の犬を散歩させたり
抜けた歯を近所の人たちに見せて歩いた娘をモチーフに描いた

いろんな国を描いていて、「イタリア」ではいろんな形のパスタが可愛い

「エジプト」はエジプト好きにはたまらない
すべての要素が詰まっているのに、全体的にスッキリ見える
(ヒエログリフ、ツタンカーメン、ピラミッド、イヌやコガネムシの姿の神さまとか


たしかにこの展覧会にも子どもが来ていたけれども反応は薄めw
大人向けだと思う


画像では見えないが、枠は金色に塗られていて
そこにもぎっしりと描き込まれているんだよね

ほぼすべての絵に円のスタンプのように描かれた模様は
本人作というサインみたいなもの?






ボローニャで受賞

54歳 「天才賞」と言われる「マッカーサー賞」を受賞 絵本作家として初



・わたしはバレリーナ
バレエを習っていた姪のテレザのために描いた
ミハエル・バリシニコフが共感を表明した


・モーツァルトくん、あ・そ・ぼ!
映画『アマデウス』の監督ミロス・フォアマン(チェコ出身)に捧げた

映画『アマデウス』ポスター(!
監督もシスを気に入り器用した
これで資金を作ってNYに渡った





・とおいとおい北の国のちいさなほら話
チェコの探検家ヤン・ヴェルズルを描いた
これをきっかけに極北に魅せられる


・チベット 赤い箱のひみつ
これは本当に緻密なまさに曼荼羅

父は仕事で世界中を旅した
その話を聞くのが大好きだったシス少年

父は仕事先で災害に遭い、迷ってチベットにたどり着き(どんな仕事?!
とても親切にしてもらい、独特の価値観、美の感覚に魅了されて
いろいろメモったが、母国の他の人だけでなく家族にも見せずに
赤い箱に入れていた

父の死が間近となり、シスは赤い箱を開けて
その内容を絵にしたとか


・島の言葉
詩人アツタール(自分の汚い文字が読みにくい/汗)

シス:
誰もが問題を解決してくれるリーダーを求めるが
最後には自分で解決しないといけないと知る


(同感 変えるのは自分の意識 政治屋じゃない

「唯一性」
気になった言葉でネットで調べたけど出てこないな



偉人を描いた伝記絵本
周りに反対されても自分の夢を貫いた人物たちを描いている
彼らの子どもの頃を描くことで
「すべての子どもに可能性がある」ということを伝えている

・ロビンソン
少年が大好きな『ロビンソン・クルーソー』の仮装をしたら
誰も知らなくて笑われたという話
シスの少年の頃の実話が基


・夢を追いかけろ クリストファー・コロンブスの物語

・星の使者 ガリレオ・ガリレイ
地動説を唱えて、信仰に背いていると罰せられてもなお信じ続け
探求心を失わなかった




・生命の樹 チャールズ・ダーウィンの生涯
進化論もまた「神がヒトを作った」説とぶつかって批判された


飛行士と星の王子さま サン=テグジュペリの生涯




12歳の時に父からこの本を贈られた
戦時中であっても、空を飛ぶ夢を追い続けたテグジュペリに共感

20年後、父とアメリカを歩きながら
テグジュペリがこの本をニューヨークで書いたと教えてもらった

少年の頃の自分と父をモチーフにしている



最後の最後にやっとたどり着いた時にはかなりグッタリ!
館内が冷蔵庫のように寒くて、シャツ1枚で凍えたし
絵が細かいだけに、1枚1枚真剣に観ていくと3部屋はキツい



ニッキーとヴェラ ホロコーストの静かな英雄と彼が救った子どもたち
63人(だっけ?)の子どもを救った実話を基に描いた絵本


・イエロー・サブマリン
「アート・フォー・アムネスティ」のための版画
U2のボノ、エッジ、ピーター・ガブリエル、STING、オノ・ヨーコらも参加



・かべ 鉄のカーテンのむこうに育って 1分の映像




出口の横に大きなスクリーンがあり
絵を観ている間中、ずっと不穏な音が響いてて怖かった

原画にもあったが、自由の女神が立つNY目指して飛ぶ自転車に
サーチライトが当たり
パトカーっぽい車が到着するがもう追いつかない




ミュージアムショップ
シスのポストカードもいいけれども
カレル・チャペックのポストカードとマステを買ったv
どれも可愛いなあ!












写メじゃ分かりづらいけど、犬の写真も入っているマステ







ゴーリーのグッズもあったv



カフェ・レストラン 月の風






いつもこの美術館に来るたび気になっていたけれども入るのは今回が初めて
2階にあって、他にも和室などがあり、区のいろんな催し物をしているのかも

レストランというより、会議室にテーブルとイスを置いた感じ
周りはガラスなので、公園で遊ぶ子どもたちが見える席にした

お出かけの時はヴィーガン+グルテンフリー+糖質制限はお休み
とろとろのチョコのブリュレ?+カフェオレを注文





とにかく体が芯から冷えたから温まりたかった
ブリュレの皿は熱かったが、中はそうでもなかった
でも熱いカフェオレでようやく体温が戻った





公園で遊ぶ子どもたち、我が子を見守る親たちを見ていると
時間の経つのも忘れてしまう

小さい子の手をつないで、あちこち冒険するのを手伝っていたり
お父さんが長いプラの筒からしゃぼん玉を出して、息子さんがキャッチしたり
お父さんと娘さんがフリスビーを投げ合ってキャッチしていたり

樹に石を投げて遊ぶ男の子が注意されてたり
駆けっこしてたら、小さい女の子にぶつかって転んでも平気だったり

日本て本当に平和だなあ
子どもが自由に遊ぶ姿を見ていると、嬉しくて泣きそうになる

帰り道も幸せな気持ちでいっぱいで
ずっとこのままこの気持ちを覚えていたいなと思った
















その他の展覧会
長野県立美術館がグランドオープンて気になった
新しく出来たんじゃなくて改築したのか

阿佐ヶ谷でタルコフスキーの映画がかかる
好きな監督の1人だけれども、劇場で観るには長過ぎるし
重いから、今の私にはキツ過ぎるな・・・

































今日もたくさん歩いて、いろんなものを見て
佳き1日でした/感謝×∞




コメント