昭和57年初版 平成2年再版 藤原宰太郎/訳 中島河太郎/監修
表紙デザイン/岩尾収蔵 表紙・口絵・挿絵/斎藤寿夫
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください
人気の高いマイケル・シェーン私立探偵シリーズとのことだが初耳
作者も初めて知った
ハードボイルド小説で、謎よりアクションがメインな感じ
バタ臭い顔のシェーンが肩や肋骨をピストルで撃たれても
元気に暴れ回る様はちょっと異常なくらい
表紙もやっぱりコワイ
【内容抜粋メモ】
<登場人物>
マイケル・シェーン マイアミを拠点とする私立探偵
ルーフス・ブライトン 富豪の重病人
フィリス・ブライトン 娘
ペディーグ医師
モントローズ ルーフスの秘書
ゴードン ギャングのボス
シャーロット・ハント 金髪の看護婦
ヘンダーソン 有名な美術の鑑定家
ペルハム・ジョイス 老画家
ペインター捜査課長 マイアミビーチ署の捜査課長
●私立探偵シェーン
私立探偵シェーンの事務所に16、7歳の美少女フィリスが訪ねる
NYでも指折りの富豪ルーフス・ブライトンの娘
金持ちがなにかトラぶって困っているのだろうと聞いてみると
「愛する母親を殺してしまうかもしれない」と言い出す
幼い頃、父を亡くして、母が今の父と再婚してから憎しみを抱くようになった
病気で臥せっている父の主治医ペディーグから「エレクトラ・コンプレックス」と診断された
マイアミの別荘に母が来ることになり
殺さないように見張っていて欲しいと頼み
料金代わりに真珠のネックレスを渡され
シェーンはそれをレタスでくるんで冷蔵庫に隠す(なるほど!
●ペディーグ医師
次にペディーグ医師が訪ねて来て
やはりフィリスが母を殺さないよう見張ってくれと依頼
言われた時間にマイアミの別荘に客として訪ねると
「私、やってしまったわ」とネグリジェを血に染めたフィリスが茫然としている
ブライトン夫人は旅行用スーツのまま首を刺されて寝室で死んでいた
バッグの中を調べると、ヘンダーソンからの電報が入っていて
それと凶器のナイフを隠し、外からカギをかけるシェーン
名医でシェーンとも親しいヒリアード博士も来ていて
シャーロットという金髪の看護婦がルーフス・ブライトンに付き添っている
みんなで夫人の死体を確かめ、フィリスはその間ずっと寝ていたことにする
●フィリス
フィリスは部屋を抜け出してシェーンの事務所に来る
事件のことは記憶がない
マイアミ警察のジェントリー署長とペインター捜査課長が来て
重要参考人のフィリスをかくまっていないか疑われてとぼける
ジェントリーとは一緒に仕事をした親しい仲だが
ペインターとはウマが合わず、たえず衝突する
凶器のナイフはほかのと一緒にキッチンに隠す(!
ペディーグ医師、ルーフス・ブライトンについて調べるようジェントリーに頼む
ヒリアード:
ルーフスはどこも悪いところがないのにどんどん衰弱していく
毒を飲まされているということもない
●レイ・ゴードン
近くのエバーグレーズホテルに向かい
ゴードンというギャングのボスから別の仕事を依頼される
近々、マイアミに有名な美術の鑑定家ヘンダーソンという男が来るから
いつ、どこに泊まるか調べる仕事
ブライトン夫人の電報にあった名前と同一人物と分かる
自宅に戻るとドアが金てこでこじ開けられていて
またジェントリーとペインターが来ている
フィリスがここにいるという密告を受けて来たが
ドアがこじ開けられていて、フィリスが消えていた
凶器のピストルもなくなっている
●ペルハム・ジョイス老画家
親しくしている老画家を訪ねる
有名な肖像画家だったが、アルコール依存症で落ちぶれてしまった
ルーフスも美術愛好家
名画には100万ドルもするものがある
税関が厳しいため、メキシコなどの小さな税関を通る際
画家の署名の上に無名画家の署名で塗りつぶして運ぶこともあると聞く
●ルーフス
生きている骸骨のようにやせ細った姿で寝ているのを確認する
モントローズから、ブライトン家は会社が傾き、もう財産が少ないと聞く
夫人が殺されて、財産はフィリスが相続する
弟ジュリアス・ブライトンがいるが
会社の金を横領した事件があり懲役10年
ジュリアスを疑うが牢の中では手が出せない
モントローズは元ジュリアスの秘書だった
●運転手オスカー
運転手オスカーの部屋に入ろうとして
足で蹴られて階段から落ちて気絶するシェーン
シャーロット:
ペディーグ医師も自分もNYを出発直前に雇われた
ペディーグ医師はもともと精神科の医師で
ルーフスよりフィリスを観察していた
ルーフスもわざと絶食して重病人のように見せかけている様子
24時間監視されていて危険を感じているシャーロットをタクシーに別荘まで乗せる
シェーンはピストルで撃たれ、右肩に2発、肋骨に1発貫通
シャーロットも車から頭を撃たれて即死したと聞かされる
事件を解決したら高額の賞金が出ると発表される
●トニー
以前かっぱらい、万引きの常習犯だったトニーに
ヘンダーソンがマイアミに着いたら、持っている絵をかっぱらい
事務所に届けるように言う
再びオスカーの部屋に忍び込み、なにか大きな箱を動かした跡と
泥棒が使う七つ道具を見つける
作業服からは海岸の砂が出てくる
●マートル・ゴッドスピード看護婦
シャーロットの代わりの看護婦がもう来ていて
看護婦の派出所から来たと言うが
以前、ゴードンの部屋にいた女だと分かる
ペディーグ医師を呼ぶと出てこないため
ドアを破って入ると毒を飲んで自死した死体と遺書がある
遺書:
私のために2人の女性が殺され
1人の少女が恐るべき殺人鬼になってしまった
精神障害を完全に治す研究のために
ある種の薬品を使えば、一時的に精神を変にできると分かり
ルーフスに雇われた時、フィリスをモルモットにしようと考えた
クスリを飲ませて、精神障害の本をたくさん読ませて自己暗示をかけた
だが、母を殺すのが怖くなって私立探偵を雇って止めてもらうことにした
ところが思いがけない計算違いで
探偵が来る前にフィリスは母を殺してしまった
フィリスはシャーロットも殺し
フランケンシュタインのような怪物にしてしまった
見つけ次第殺さなければならない
シェーンはフィリスを守るために遺書を焼き捨てる
ペインターに24時間で解決する約束をして
現場にあった万年筆の指紋を調べるよう頼む
マートルの家に侵入すると、写真の女性は別人で
誰かからお金をもらってキューバ旅行に出たばかり
ゴードンからは裏切り者扱いされて、用心棒に殴られ蹴られ気を失う
ポケットから2つの電報が出てくる
顔がはれあがったシェーンは
「この借りは倍にして返してやるからな」と誓う
●100万ドルの名画
トニーがヘンダーソンから盗んだ名画にはロバートソンという署名があるが
ジョイスに見せるとカンバスの古さ、絵具の質などから
ラファエロの名画だと分かる 推定価格100万ドル
本物のマートルに電報を出し、殺人事件に巻き込まれているから
すぐ戻るよう伝える
オスカーは暴行傷害の常習者だった
ジュリアスは3か月前に重い病気で仮出所して行方が分からない
●マイアミビーチの死体
シェーンはビーチに鉄の棒を刺して
やっと鋼鉄製のトランクを見つける
中には男の裸の死体が入っていた
●罠
モントローズに電話をかけて、絵を1万ドルで売るともちかける
売り手はゴードンと話す
ゴードンにも1万ドルで売る話をつけて、売り手はモントローズと話し
両者をブライトンの別荘に呼ぶ
州知事は賞金を倍にして、ケチなペインターにも倍にさせる
シェーン:
金が欲しいんじゃない
自分の仕事を安く見られるのが嫌いなんだ
つまり自尊心の問題だ
ブライトンの代理としてモントローズは絵が本物かヘンダーソンに調べさせる
署名の絵具を削ると下からラファエロの署名が出てくる
ゴードンは用心棒2人を連れて来て、シェーンに1万ドル払う
シェーンが紹介したジョイスを鑑定家として連れてきて
ジョイス:このラファエロの署名はニセモノだ と言わせる
ラファエロの署名を削ると別人の署名が出てきて
互いに裏切られたと思って撃ち合い、4人とも即死
シャーロットを射殺したマートルになりすました女と
兄ルーフスを殺してなりすましていたジュリアスを逮捕させる
●真犯人
シェーン:
3つの事件が絡み合って複雑になっていた
ジュリアスはルーフスを憎んでいた
以前秘書だったモントローズ、オスカーを仲間にして
兄を殺して砂浜に埋めさせた
重病を偽って誰とも会わないようにしていた
NYで主治医と看護婦を雇ったのもそのせい
夫人に見られたらバレてしまうため
殺害してフィリスに罪をかぶせようとした
ペディーグ医師は自分の研究のためにフィリスを操っていた
兄の財産がないと分かり、名画をアメリカに持ち込もうとして
ゴードンらが目をつけた
その時、シェーンを雇ったのが大きな過ち
ゴードンは別荘に仲間を入れるためにシャーロットを殺した
シェーンは報酬を計算して、2万4200ドルに満足する
フィリスに名画と真珠のネックレスを返して
ジョイスが絵に4重にニセの署名を描いたトリックを明かす
■解説 藤原宰太郎
ブレット・ハリデイ
アメリカの推理作家 処女作は1930年 1977年没
子どもの頃に右目を負傷 右目に黒い眼帯をしていた
いろんな職業を経て小説家となり
マイケル・シェーンで一躍人気作家となる
本書の原題は『死の配当』シェーンシリーズ第1作
謎解き中心のものを「本格推理小説」と言う
本書は「ハードボイルド」
探偵が最初から事件に飛び込み、積極的にひっかきまわして解く
これまで描かれなかった現実社会の歪み、暗黒街を扱い
政治権力、お金の力、暴力で手を引けと脅されたりする
犯人を自ら片付けてしまうこともある
巧みに法の網を抜ける犯罪者がいて
歪んだ法律を正そうとする強い正義感がある
ハードボイルドの名探偵
ダシール・ハメットのサム・スペード探偵
レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウ
ロス・マクドナルドのリュー・アーチャー
ミッキー・スピレーンのマイク・ハマー
など
がっつり探偵料金を取るが、金儲けのためではない
シェーンはこの事件後、フィリスと結婚/驚
お産の時、母子ともに亡くし、大きな傷が残る
(こういう展開多いな
シェーンシリーズは全50冊以上
アメリカで連続テレビ化、日本でも放送された
作家の妻も有名な女流作家ヘレン・マクロイ
夫婦で推理小説を書く作家もたくさんいる
表紙デザイン/岩尾収蔵 表紙・口絵・挿絵/斎藤寿夫
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください
人気の高いマイケル・シェーン私立探偵シリーズとのことだが初耳
作者も初めて知った
ハードボイルド小説で、謎よりアクションがメインな感じ
バタ臭い顔のシェーンが肩や肋骨をピストルで撃たれても
元気に暴れ回る様はちょっと異常なくらい
表紙もやっぱりコワイ
【内容抜粋メモ】
<登場人物>
マイケル・シェーン マイアミを拠点とする私立探偵
ルーフス・ブライトン 富豪の重病人
フィリス・ブライトン 娘
ペディーグ医師
モントローズ ルーフスの秘書
ゴードン ギャングのボス
シャーロット・ハント 金髪の看護婦
ヘンダーソン 有名な美術の鑑定家
ペルハム・ジョイス 老画家
ペインター捜査課長 マイアミビーチ署の捜査課長
●私立探偵シェーン
私立探偵シェーンの事務所に16、7歳の美少女フィリスが訪ねる
NYでも指折りの富豪ルーフス・ブライトンの娘
金持ちがなにかトラぶって困っているのだろうと聞いてみると
「愛する母親を殺してしまうかもしれない」と言い出す
幼い頃、父を亡くして、母が今の父と再婚してから憎しみを抱くようになった
病気で臥せっている父の主治医ペディーグから「エレクトラ・コンプレックス」と診断された
マイアミの別荘に母が来ることになり
殺さないように見張っていて欲しいと頼み
料金代わりに真珠のネックレスを渡され
シェーンはそれをレタスでくるんで冷蔵庫に隠す(なるほど!
●ペディーグ医師
次にペディーグ医師が訪ねて来て
やはりフィリスが母を殺さないよう見張ってくれと依頼
言われた時間にマイアミの別荘に客として訪ねると
「私、やってしまったわ」とネグリジェを血に染めたフィリスが茫然としている
ブライトン夫人は旅行用スーツのまま首を刺されて寝室で死んでいた
バッグの中を調べると、ヘンダーソンからの電報が入っていて
それと凶器のナイフを隠し、外からカギをかけるシェーン
名医でシェーンとも親しいヒリアード博士も来ていて
シャーロットという金髪の看護婦がルーフス・ブライトンに付き添っている
みんなで夫人の死体を確かめ、フィリスはその間ずっと寝ていたことにする
●フィリス
フィリスは部屋を抜け出してシェーンの事務所に来る
事件のことは記憶がない
マイアミ警察のジェントリー署長とペインター捜査課長が来て
重要参考人のフィリスをかくまっていないか疑われてとぼける
ジェントリーとは一緒に仕事をした親しい仲だが
ペインターとはウマが合わず、たえず衝突する
凶器のナイフはほかのと一緒にキッチンに隠す(!
ペディーグ医師、ルーフス・ブライトンについて調べるようジェントリーに頼む
ヒリアード:
ルーフスはどこも悪いところがないのにどんどん衰弱していく
毒を飲まされているということもない
●レイ・ゴードン
近くのエバーグレーズホテルに向かい
ゴードンというギャングのボスから別の仕事を依頼される
近々、マイアミに有名な美術の鑑定家ヘンダーソンという男が来るから
いつ、どこに泊まるか調べる仕事
ブライトン夫人の電報にあった名前と同一人物と分かる
自宅に戻るとドアが金てこでこじ開けられていて
またジェントリーとペインターが来ている
フィリスがここにいるという密告を受けて来たが
ドアがこじ開けられていて、フィリスが消えていた
凶器のピストルもなくなっている
●ペルハム・ジョイス老画家
親しくしている老画家を訪ねる
有名な肖像画家だったが、アルコール依存症で落ちぶれてしまった
ルーフスも美術愛好家
名画には100万ドルもするものがある
税関が厳しいため、メキシコなどの小さな税関を通る際
画家の署名の上に無名画家の署名で塗りつぶして運ぶこともあると聞く
●ルーフス
生きている骸骨のようにやせ細った姿で寝ているのを確認する
モントローズから、ブライトン家は会社が傾き、もう財産が少ないと聞く
夫人が殺されて、財産はフィリスが相続する
弟ジュリアス・ブライトンがいるが
会社の金を横領した事件があり懲役10年
ジュリアスを疑うが牢の中では手が出せない
モントローズは元ジュリアスの秘書だった
●運転手オスカー
運転手オスカーの部屋に入ろうとして
足で蹴られて階段から落ちて気絶するシェーン
シャーロット:
ペディーグ医師も自分もNYを出発直前に雇われた
ペディーグ医師はもともと精神科の医師で
ルーフスよりフィリスを観察していた
ルーフスもわざと絶食して重病人のように見せかけている様子
24時間監視されていて危険を感じているシャーロットをタクシーに別荘まで乗せる
シェーンはピストルで撃たれ、右肩に2発、肋骨に1発貫通
シャーロットも車から頭を撃たれて即死したと聞かされる
事件を解決したら高額の賞金が出ると発表される
●トニー
以前かっぱらい、万引きの常習犯だったトニーに
ヘンダーソンがマイアミに着いたら、持っている絵をかっぱらい
事務所に届けるように言う
再びオスカーの部屋に忍び込み、なにか大きな箱を動かした跡と
泥棒が使う七つ道具を見つける
作業服からは海岸の砂が出てくる
●マートル・ゴッドスピード看護婦
シャーロットの代わりの看護婦がもう来ていて
看護婦の派出所から来たと言うが
以前、ゴードンの部屋にいた女だと分かる
ペディーグ医師を呼ぶと出てこないため
ドアを破って入ると毒を飲んで自死した死体と遺書がある
遺書:
私のために2人の女性が殺され
1人の少女が恐るべき殺人鬼になってしまった
精神障害を完全に治す研究のために
ある種の薬品を使えば、一時的に精神を変にできると分かり
ルーフスに雇われた時、フィリスをモルモットにしようと考えた
クスリを飲ませて、精神障害の本をたくさん読ませて自己暗示をかけた
だが、母を殺すのが怖くなって私立探偵を雇って止めてもらうことにした
ところが思いがけない計算違いで
探偵が来る前にフィリスは母を殺してしまった
フィリスはシャーロットも殺し
フランケンシュタインのような怪物にしてしまった
見つけ次第殺さなければならない
シェーンはフィリスを守るために遺書を焼き捨てる
ペインターに24時間で解決する約束をして
現場にあった万年筆の指紋を調べるよう頼む
マートルの家に侵入すると、写真の女性は別人で
誰かからお金をもらってキューバ旅行に出たばかり
ゴードンからは裏切り者扱いされて、用心棒に殴られ蹴られ気を失う
ポケットから2つの電報が出てくる
顔がはれあがったシェーンは
「この借りは倍にして返してやるからな」と誓う
●100万ドルの名画
トニーがヘンダーソンから盗んだ名画にはロバートソンという署名があるが
ジョイスに見せるとカンバスの古さ、絵具の質などから
ラファエロの名画だと分かる 推定価格100万ドル
本物のマートルに電報を出し、殺人事件に巻き込まれているから
すぐ戻るよう伝える
オスカーは暴行傷害の常習者だった
ジュリアスは3か月前に重い病気で仮出所して行方が分からない
●マイアミビーチの死体
シェーンはビーチに鉄の棒を刺して
やっと鋼鉄製のトランクを見つける
中には男の裸の死体が入っていた
●罠
モントローズに電話をかけて、絵を1万ドルで売るともちかける
売り手はゴードンと話す
ゴードンにも1万ドルで売る話をつけて、売り手はモントローズと話し
両者をブライトンの別荘に呼ぶ
州知事は賞金を倍にして、ケチなペインターにも倍にさせる
シェーン:
金が欲しいんじゃない
自分の仕事を安く見られるのが嫌いなんだ
つまり自尊心の問題だ
ブライトンの代理としてモントローズは絵が本物かヘンダーソンに調べさせる
署名の絵具を削ると下からラファエロの署名が出てくる
ゴードンは用心棒2人を連れて来て、シェーンに1万ドル払う
シェーンが紹介したジョイスを鑑定家として連れてきて
ジョイス:このラファエロの署名はニセモノだ と言わせる
ラファエロの署名を削ると別人の署名が出てきて
互いに裏切られたと思って撃ち合い、4人とも即死
シャーロットを射殺したマートルになりすました女と
兄ルーフスを殺してなりすましていたジュリアスを逮捕させる
●真犯人
シェーン:
3つの事件が絡み合って複雑になっていた
ジュリアスはルーフスを憎んでいた
以前秘書だったモントローズ、オスカーを仲間にして
兄を殺して砂浜に埋めさせた
重病を偽って誰とも会わないようにしていた
NYで主治医と看護婦を雇ったのもそのせい
夫人に見られたらバレてしまうため
殺害してフィリスに罪をかぶせようとした
ペディーグ医師は自分の研究のためにフィリスを操っていた
兄の財産がないと分かり、名画をアメリカに持ち込もうとして
ゴードンらが目をつけた
その時、シェーンを雇ったのが大きな過ち
ゴードンは別荘に仲間を入れるためにシャーロットを殺した
シェーンは報酬を計算して、2万4200ドルに満足する
フィリスに名画と真珠のネックレスを返して
ジョイスが絵に4重にニセの署名を描いたトリックを明かす
■解説 藤原宰太郎
ブレット・ハリデイ
アメリカの推理作家 処女作は1930年 1977年没
子どもの頃に右目を負傷 右目に黒い眼帯をしていた
いろんな職業を経て小説家となり
マイケル・シェーンで一躍人気作家となる
本書の原題は『死の配当』シェーンシリーズ第1作
謎解き中心のものを「本格推理小説」と言う
本書は「ハードボイルド」
探偵が最初から事件に飛び込み、積極的にひっかきまわして解く
これまで描かれなかった現実社会の歪み、暗黒街を扱い
政治権力、お金の力、暴力で手を引けと脅されたりする
犯人を自ら片付けてしまうこともある
巧みに法の網を抜ける犯罪者がいて
歪んだ法律を正そうとする強い正義感がある
ハードボイルドの名探偵
ダシール・ハメットのサム・スペード探偵
レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウ
ロス・マクドナルドのリュー・アーチャー
ミッキー・スピレーンのマイク・ハマー
など
がっつり探偵料金を取るが、金儲けのためではない
シェーンはこの事件後、フィリスと結婚/驚
お産の時、母子ともに亡くし、大きな傷が残る
(こういう展開多いな
シェーンシリーズは全50冊以上
アメリカで連続テレビ化、日本でも放送された
作家の妻も有名な女流作家ヘレン・マクロイ
夫婦で推理小説を書く作家もたくさんいる