メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

少女名作シリーズ31 オーケストラの少女 クラーリィ 偕成社

2024-05-31 16:48:30 | 
1973年初版 1981年11刷 大庭さち子/編著
山下一徳/カバー図案 田村耕介/カバー絵・口絵 石田武雄/挿絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します



いかにもアメリカンなテンポ感で
場面が目に浮かぶように描かれていると思ったら、実際、ノベライズなのか

貧しくても、才能を活かして、努力すれば
成功し、お金も手に入るサクセスストーリーはアメリカ人好み



【内容抜粋メモ】

登場人物
ジョン・カードウェル 父 トロンボーン奏者
パトリシア 16歳の娘 歌が好き
マイケル 隣人 フルート奏者
ストコウスキー フィラデルフィア管弦楽団の名指揮者
支配人ラッセル
フロスト 実業家




ブルックリンのアパートに住むパトリシアは歌うのが大好き
アパートの管理人コスターおばさん:早く立派な歌手になっておくれね

父ジョンはトロンボーン奏者で大きな楽団に所属していたが
妻の看病と赤ちゃんの世話が2年も続き、クビになった

その後、妻は亡くなり、やっと場末の小さな楽団に入ったが、それも潰れてしまった

歌が大好きなパトリシアを音楽学校へ入れたいと思い
アメリカ一のフィラデルフィア交響楽団を指揮している
世界的名指揮者ストコウスキーに会いに行く












父が夜遅く帰宅するとコスターおばさんは
アパートの家賃を3か月も未払いなため
大家さんが明日出て行ってほしいと言っていると父に伝える

父はポケットからあっさり3か月分の家賃を払う
驚いたコスターおばさんは、ジョンがとうとうストコウスキーに認められたと思い
アパートの住民全員でお祝いのパーティを開く

パトリシアはパンを買うお金もなく水だけでガマンする日々がやっと終わったと大喜び
隣人でフルート奏者のマイケルの伴奏で得意の歌を披露する

♪わらって うたって ほがらかに
だれもかれにもつげましょう
きのうのやみは とおくさり
きょうは光りの雨がふる









パトリシアは父の髪をさっぱり切ってあげる
10時からの稽古についていこうとすると強く止める父







近所のレストラン・リリーは働き口のない音楽家や画家などが集まるクラブ
父はマイケルに本当のわけを話す









ストコウスキーのコンサートは大盛況で
サインブックを手にしたファンが押し寄せる
守衛のジャックは毎日来るジョンを目の敵にして追い払う

ストコウスキーに仕事の件を頼むと支配人ラッセルを呼び
ラッセル:楽団も今は人が多すぎるくらいだ 空きが出たら知らせるよ

ガッカリして歩いていると、女性のハンドバッグを拾い、事務所に届けるつもりが
またジャックに会うのがイヤで後で返そうと持ちかえり
家賃を迫られて、ついそこからお金を払ってしまった

マイケルはそのうちパトリシアに話してあげると約束する



パトリシアはこっそり父の様子を見ようとコンサート・ホールに行く
ジャックに止められ、父がいると話すと
2年前から新しく入った者はいないと言われる

目を盗んで入り、楽団を見ると、4人のトロンボーン奏者の中に父はいない
ジャックに追い出され、帰宅し、まだウソを言っている父に問いただす



お人よしで気の小さいジョンの代わりにハンドバッグを返しに行くパトリシア

名詞にあるフロスト家は立派なお屋敷で
フロスト夫人にバッグを返すとお礼に100ドルあげると言うので
家賃として抜いた63ドルだけもらい
その場で返すとすっかり気に入られて夕食をごちそうになる







父が名トロンボーン奏者だと話し、歌を聞かせてと頼まれて
♪こころは自由 を歌うと大絶賛される

パトリシア:
パパの楽団はつぶれてしまったの
働き口のない音楽家はNYだけでも1万人近くいる

紳士:その人たちで新しい楽団を作ればいい
パトリシア:今すぐ作りますから、入用のお金を出してください







フロスト氏は放送局長で、今度できるテレビ会社の社長だから
新しくつくったオーケストラを見せてくれたらお金を出すと約束してくれる







レストラン・リリーでわけを話すと、信じてくれないため
フロスト夫人に電話すると、たしかに約束したと話す



まず稽古場を探して、昼の間だけ安い賃料でガレージを借りる
失業音楽家から100人選んで、楽長にジョンが選ばれる
久しぶりの演奏に喜ぶ仲間たち



パトリシアがフロスト夫人に会いに行くと、ヨーロッパに旅行に出てしまったため
フロスト氏に会いに行く

黒人のタクシー運転手サリーも歌うのが大好きで、即興で歌う







クラブの玉突き場でフロスト氏は実業家仲間2人とかけ事をしているところに
パトリシアがオーケストラの話をしたため
仲間が自分をだまそうとしていると思う

パトリシアはフロスト氏が承諾してくれたと思い込むが

フロスト氏:
私は君たちを助けるつもりはない
妻も冗談で言ったことだ
世間が認めていないオーケストラなど誰が聴くか
乞食と言われるのが悔しければ、有名な音楽家を連れて来い










ジョンは怒ってフロスト氏を殴ってしまう
ツライことに慣れている音楽家たちは帰りはじめる

パトリシアはもう一度ストコウスキーに会うためにコンサート・ホールに忍び込む
演奏に感動して拍手して褒め讃え、ジャックをまいて事務所に入る







電話が鳴り、ストコウスキーがヨーロッパに行く話を聞いて
なんとか止めたい一心で、ヨーロッパ行きは止めて
失業音楽家のオーケストラを指揮するとウソをついてしまう
パトリシア:フロストさんが後援するんです

支配人ラッセルが来て、パトリシアを追い出す







楽団がモーツァルトの♪ハレルヤ を演奏すると歌いだすパトリシア
その歌声に感激するストコウスキー








父に習ったと話し、失業音楽家のオーケストラの指揮をしてほしいと頼むが
ストコウスキー:一度約束したら変えられない 半年の旅行から戻ったら相談に乗りましょう







ガッカリしたパトリシアはタクシー代も払えない
サリー:明日になれば、明日の風が吹いてくるさ



パトリシア:
なぜ私たちばかり、こんな貧しい日が続くのかしら?
神さまはどうしてこんなに不公平なの

父:幸せなんて、心の持ち方ひとつだよ
マイケル:今日の苦労は今日だけでたくさんだ









翌朝の新聞にストコウスキーが失業音楽家を指揮して
フロスト氏が後援するという記事が出る
事務所にかかってきた電話が新聞記者だったと分かる

フロスト氏は激怒するが、実業家仲間はこれは金になると言ったため
どこより早く契約してしまおうとジョンにサインを求める
パトリシア:サインをしちゃダメ!

フロスト氏は3か月の契約じゃ足りないと勘違いして1年に延ばす
フロスト氏:君たち100人より、あの娘1人のほうが商売が上手いよ









音楽家たちにわけを話すと、マイケルはもう一度ストコウスキーに頼んでほしいと切願する
マイケル:君だけが頼りなんだ!







ストコウスキーに問い合わせて、そんな約束はしていないと言われて
フロスト氏は激怒し、楽団を訴えようとする

ストコウスキーは喧騒から離れ、自宅で1人ピアノで作曲していると
パトリシアと100人のオーケストラが現れ
♪ハンガリア狂詩曲第二番 を演奏する

ストコウスキーはいつの間にか指揮をふる
演奏に感動して、ヨーロッパ行きをキャンセルして、指揮することを約束する









コンサート・ホールで演奏会の日
フロスト氏は改めて後援し、きっかけをつくった妻を呼び寄せる

ストコウスキーに紹介されてパトリシアがステージに上がる
サリー:歌ってくれよ!

一番安い3階席には、アパートの隣人が並んでいる
♪トラビアタ(椿姫)の乾杯の歌を披露するパトリシア

この世の命みじかく やがては消えゆく
ああそれゆえにこそ このひとときを楽しく過ごさん














解説
本書の原題は『百人の紳士と一人の少女』
アメリカのシナリオライター、ハンス・クラーリイが脚本として書いた

アメリカで映画化され、昭和13年に日比谷で封切され
3週間も続映され、13万人が観た
当時としては日本映画界空前の大記録だった

パトリシアを演じたディアナ・ダービンは一躍スターとなり
当時の楽団で活躍していたレオボルド・ストコウスキーが特別出演し
実際、フィラデルフィア交響楽団を指揮して有名になった

どんな時にも明るさを失わない少女
険しい道を自分で切り開いて、幸福の喜びを教えている


コメント

映画『東京の女性』1939年(昭和14年)

2024-05-31 16:04:38 | 映画
監督:伏水修

出演
君塚節子:原節子
妹 水代:江波和子
父 榮治郎:藤輪欣司
母 お幾:水町庸子

木幡好之:立松晃
タイピスト たき子:水上怜子
一森営業課長:外松良一
販売主任:柏原徹
社長:鳥羽陽之助
その秘書:龍崎一郎
町田家執事:生方賢一郎
ほか


【内容抜粋メモ】

車の会社 これ全部広いセットなのがスゴイな
サラリーマンたちはビルの屋上で昼休みを過ごしている







仕事を横取りしたと怒る同僚
同僚:女房が病気で入院してるんだ あれはオレに譲ってくれないか
キバタ:つまり商売がヘタってことだな

キバタは相手を殴り倒す









昔のタイプライターすごいな






キバタ:
あいつの女房はピンピンしてる
我々セールスマンは手段を選ばない
泣き落としで仕事を奪おうとした


セツコは知人がクルマを買いたいと言った話を上司に話す
上司:この話は絶対口外しないように

セツコの儲けは400円

上司はセツコを叱る

上司:
君に100円しか出さなかったのは悪かった
あと150円出そう(ウソみたいな金額w
君の給料にしたら2月分だよ

セツコ:
女だからバカにされる
私もサラリーマンになろうかしら










妹ミツヨ:
父さん酔っぱらって帰って、母さんを蹴ったりしてるの!
お店を潰したのは父さんなのに







母が家を出たら父は目が覚めるだろうと提案するセツコ





ミツヨも姉と同じ会社の庶務に入った
(いくつの設定なのか?



父が庭にいる間に家に入るミツヨを叱る父

父:あいつは自分から飛び出していったのか?

セツコ:
私たちが一生世話します
3000円の元手があればいいと言うけど逆じゃありませんか








父がケガをしたと知らせが来て、病院に駆け付け看病する母
命には別状ないが長引くだろうと医師に言われる
(奥さんのほうが娘より若く見えるな

父:心配かけてすまなかった



キバタはセツコがセールスマンになる決心を変えようと説教する
セツコ:私、どうしてもお金がいるんです
キバタ:小さなネジ1本もどこに使われているか知らないとね
泣いて頼むと力になると約束する









工場で汗をふきふき勉強するセツコ






キバタに映画観に連れてってと頼んで断られるミツヨ
代わりにスケベそうな上司が目をつけてる






キバタ:本当の苦労はこれからですよ
セツコ:私、成功しそうですわ

なにかの足しにとお金を渡す
キバタ:貸してもいい いずれ儲けるようになったら返したらいい

(またシーンが飛んだ

キバタ:飲めないお酒の相手もしなきゃならない
セツコ:やってみますわ!








キバタはまたお金を出す
キバタ:セールスマンはケチケチしてちゃダメですよ

売り込みをしても、同僚が横取りする

父はまた手術しなければならない
ミツヨ:働いてもみんなお金がとられてつまんないや

医師に呼ばれてクルマが売れた?
みんながお祝いする








男性社員:
あんな調子でやられたら、オレたち干されるぞ
キバタと夫婦になったら敵わないね

新聞を読んで慌てて出かけるセツコ
葬式に出席するのも営業か キバタも来て複雑な顔








すっかり営業が板についてきたセツコ
オオタに横取りされて対等に怒る







お酒にも付き合わされる
同じ店にキバタも来て気分を悪くして店を出る
実際、女が同等に働くとイヤがられるんだよね








セツコ:
いつかお借りしたお金を早く返さないと気持ちがおさまらない
私、後悔してません

お得意さまから芝居の切符をもらったとキバタを誘うが断わる
タバコも吸うセツコに驚く



ミツヨとドライブするキバタ
歌手みたいに上手に歌う







キバタ:
姉さんはいい人だが、すっかり変わってしまったな
あすこまでやり手になるとは思わなかった

セツコ:あんたに仇とってきたわ
キバタ:これは君の仕事だ 僕は欲しくない

橋で黄昏れてると、高山に呼ばれて叩かれる

♪ブルース

キバタとミツヨがドライブしているのを見かける

ミツヨは上司にごちそうになりドライブに誘われる

課長:君はもう子どもじゃない 自分のことは自分で責任をとればいい
ミツヨ:帰るから車呼んでちょうだい



ミツヨのロッカーを見せろと迫るセツコ
新しい洋服がたくさん隠してあり怒る







ミツヨ:
私だってオシャレがしたいわよ
私は姉さんみたいな窮屈な考え方しない

セツコ:妹が堕落するのをボンヤリ見てられない

ミツヨ:
姉さんの嫉妬よ! この中にはキバタさんからもらったモノもある
私はキバタさんが好きだったんだ!







喫茶店でコーヒーを頼み、キバタに電話して、責任もって妹を頼む








え、もう結婚?!
セツコ:可愛がってやってちょうだい あなたなら安心して将来を託せますわ











すごい笑顔で見送るがクルマが去ると寂しさが残る
2人の乗る電車をどこまでも追うってストーカー?

急に笑顔で終わった
自分のクルマで運転する女性も珍しかったのかな?







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