1973年初版 1985年17刷 1990年改装1刷 岡上鈴江/編訳者
下高原千歳/カバー絵 西村保史郎/口絵・挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
少女の名作シリーズは両親または片親を亡くした設定が多いのはなぜだろう?
【内容抜粋メモ】
登場人物
エグランティヌ
祖父
クラリッス 叔母
ノエル バレー農園の次男
シャルム 教師
ルイ 仕立て屋の弟
両親がいないエグランティヌは、6歳まで叔母のクラリッスに育てられ
今は祖父の家で暮らしているが、友だちは拾った子犬トウだけ

近所の裕福な家の息子ノエルがやって来て、友だちになろうと言い
学校が休みの日に鉄柵を乗り越えてやって来る

りんご園で遊ぶのに飽きて、エグランティヌも鉄柵を越える練習をして
夏休みは毎日のように木のぼりや池で水浴びしたりする

クラリッス叔母が来て、エグランティヌも学校へ通わせるべきだと言ったため
シャルム先生のもとで学ぶことになる


エグランティヌが産まれた日に両親が亡くなった話を聞いて頭がいっぱいになり
クラスになじまないエグランティヌに冷たく当たるクラスメイト
ソエルはシャルム先生が家に来た時、エグランティヌの両親の話を聞いた
エグランティヌの母は産後すぐに亡くなり、それがショックで父は池に身を投げた
ソエルに家の中を案内していて、普段開けない部屋を見つけ
両親の結婚式の写真を見つける

ジュリエットはシャルム先生からエグランティヌに勉強を教えるよう言われるが
間違えるたびに責め立てて、エグランティヌはすっかり縮み上がってしまう
上級生のマグルリットはエグランティヌと一緒に帰るようになり仲良くなる
2人で下校中、ジュリエットは男子に言って
小石を入れた雪球をエグランティヌに投げて怪我をさせる


シャルム先生はワケを聞いて、ジュリエットがいじめていることに気づく

マグルリットが教えるよう言うと、すぐにみんなを追い越し
小さい子に親切に教えるようになる
祖父の仕事が忙しい間、クラリッス叔母が来てくれる
エグランティヌは気弱なところがなくなり、本来の活発な性格が表れ
とても美しい声で歌って、ノエルや叔母を喜ばせる
池で泳ぐ練習もして、遠くから見ていたノエルと父は白鳥のようだと見惚れる

息子夫婦が亡くなったショックで妻も追うように亡くなり
祖父は家に閉じこもるようになり、多額の借金をしたため土地を売ることになった
それらの不幸をエグランティヌのせいにして、時々苦しい目で見ている
エグランティヌは冬になると、自分のパンをガマンして
小鳥たちにあげているのを見たシャルム先生は心の優しい子だと感心する


エグランティヌは15歳になり、村の学校を卒業すると
村の仕立て屋の店でお針子として働く
仕立て屋の弟ルイは、子どもの頃にかかった熱病のせいで足が不自由だが
とても優しい
日曜日には教会でシャルム先生がオルガンを弾き
エグランティヌとルイが讃美歌を歌う
叔母はエグランティヌに音楽を習わせたがっているが、祖父が反対する

アルジェリアの農業学校に行っていたノエルが帰郷し再会する
立派な若者になったノエルと美しく成長したエグランティヌは互いの姿を見て
しばし戸惑うが、すぐに元のように親しくなる

祖父は高い熱を出して寝込む
自分が死んだら、エグランティヌ1人残していくのが急に不安になり
ノエルにエグランティヌを幸せにしてやってほしいと頼んで亡くなる
ノエルは家族にエグランティヌとの結婚を話すと
財産目当てだと非難する母

兄リュック:
バレー家の農園はボクが継ぐ
おまえは他の農園を買わねばならない
父さんはお金を今の農園にすべてつぎ込んでしまったんだ
ノエルは家族と折り合いが悪くなり、叔父の農園を手伝いに行く
ノエル:兵隊を終えたら、2人でアルジェリアに行こう
エグランティヌ:元気で待っているわ

今度は叔母が病気で亡くなる
バレー家は村中に悪い噂を流し、マルグリットと母がかばってくれる
ノエルからは半年たっても便りもない
マルグリットとルイはエグランティヌに同情し、シャルム先生に相談する
シャルム先生は姉がパリで洋裁店をしていて、お針子を1人探しているから
大きな都会に出れば、若い人にはとてもいいとすすめる
エグランティヌはトウを仕立て屋さんに預けて、1人村を出る

5年経ち、エグランティヌはパリの生活に慣れた
隣りの空き部屋に誰か引っ越してきて
美しいオルガンの音色に合わせてつい歌うと
天使の声だと褒めてくれる
隣人はジャック・エルモンという有名なオルガン奏者で
その日から音楽を特訓し、1年で素晴らしい歌手になる

パリの大きな劇場で独唱会を開くことになり
シャルム先生らに招待券を送り、パリまで聴きに来る
美しい声は会場のみんなを魅了する
どんな辛い時も、悲しみ、苦しみを乗り越えたからこそ
大勢の人の心を引きつけるのだと思うシャルム先生


■解説
マルグリット・オードー
1864年フランス生まれ 72歳で死去
若い頃はエグランティヌと同様、貧しいお針子だったが
ひどい眼病になり、視力が衰えたため、慣れないペンで小説を書きだした
『孤児マリー』が評判になっても、有頂天にならず屋根裏で生活していた
『街から風車場へ』
本書は最後に書いた作品で、亡くなった半年後に出版された
下高原千歳/カバー絵 西村保史郎/口絵・挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
少女の名作シリーズは両親または片親を亡くした設定が多いのはなぜだろう?
【内容抜粋メモ】
登場人物
エグランティヌ
祖父
クラリッス 叔母
ノエル バレー農園の次男
シャルム 教師
ルイ 仕立て屋の弟
両親がいないエグランティヌは、6歳まで叔母のクラリッスに育てられ
今は祖父の家で暮らしているが、友だちは拾った子犬トウだけ

近所の裕福な家の息子ノエルがやって来て、友だちになろうと言い
学校が休みの日に鉄柵を乗り越えてやって来る

りんご園で遊ぶのに飽きて、エグランティヌも鉄柵を越える練習をして
夏休みは毎日のように木のぼりや池で水浴びしたりする

クラリッス叔母が来て、エグランティヌも学校へ通わせるべきだと言ったため
シャルム先生のもとで学ぶことになる


エグランティヌが産まれた日に両親が亡くなった話を聞いて頭がいっぱいになり
クラスになじまないエグランティヌに冷たく当たるクラスメイト
ソエルはシャルム先生が家に来た時、エグランティヌの両親の話を聞いた
エグランティヌの母は産後すぐに亡くなり、それがショックで父は池に身を投げた
ソエルに家の中を案内していて、普段開けない部屋を見つけ
両親の結婚式の写真を見つける

ジュリエットはシャルム先生からエグランティヌに勉強を教えるよう言われるが
間違えるたびに責め立てて、エグランティヌはすっかり縮み上がってしまう
上級生のマグルリットはエグランティヌと一緒に帰るようになり仲良くなる
2人で下校中、ジュリエットは男子に言って
小石を入れた雪球をエグランティヌに投げて怪我をさせる


シャルム先生はワケを聞いて、ジュリエットがいじめていることに気づく

マグルリットが教えるよう言うと、すぐにみんなを追い越し
小さい子に親切に教えるようになる
祖父の仕事が忙しい間、クラリッス叔母が来てくれる
エグランティヌは気弱なところがなくなり、本来の活発な性格が表れ
とても美しい声で歌って、ノエルや叔母を喜ばせる
池で泳ぐ練習もして、遠くから見ていたノエルと父は白鳥のようだと見惚れる

息子夫婦が亡くなったショックで妻も追うように亡くなり
祖父は家に閉じこもるようになり、多額の借金をしたため土地を売ることになった
それらの不幸をエグランティヌのせいにして、時々苦しい目で見ている
エグランティヌは冬になると、自分のパンをガマンして
小鳥たちにあげているのを見たシャルム先生は心の優しい子だと感心する


エグランティヌは15歳になり、村の学校を卒業すると
村の仕立て屋の店でお針子として働く
仕立て屋の弟ルイは、子どもの頃にかかった熱病のせいで足が不自由だが
とても優しい
日曜日には教会でシャルム先生がオルガンを弾き
エグランティヌとルイが讃美歌を歌う
叔母はエグランティヌに音楽を習わせたがっているが、祖父が反対する

アルジェリアの農業学校に行っていたノエルが帰郷し再会する
立派な若者になったノエルと美しく成長したエグランティヌは互いの姿を見て
しばし戸惑うが、すぐに元のように親しくなる

祖父は高い熱を出して寝込む
自分が死んだら、エグランティヌ1人残していくのが急に不安になり
ノエルにエグランティヌを幸せにしてやってほしいと頼んで亡くなる
ノエルは家族にエグランティヌとの結婚を話すと
財産目当てだと非難する母

兄リュック:
バレー家の農園はボクが継ぐ
おまえは他の農園を買わねばならない
父さんはお金を今の農園にすべてつぎ込んでしまったんだ
ノエルは家族と折り合いが悪くなり、叔父の農園を手伝いに行く
ノエル:兵隊を終えたら、2人でアルジェリアに行こう
エグランティヌ:元気で待っているわ

今度は叔母が病気で亡くなる
バレー家は村中に悪い噂を流し、マルグリットと母がかばってくれる
ノエルからは半年たっても便りもない
マルグリットとルイはエグランティヌに同情し、シャルム先生に相談する
シャルム先生は姉がパリで洋裁店をしていて、お針子を1人探しているから
大きな都会に出れば、若い人にはとてもいいとすすめる
エグランティヌはトウを仕立て屋さんに預けて、1人村を出る

5年経ち、エグランティヌはパリの生活に慣れた
隣りの空き部屋に誰か引っ越してきて
美しいオルガンの音色に合わせてつい歌うと
天使の声だと褒めてくれる
隣人はジャック・エルモンという有名なオルガン奏者で
その日から音楽を特訓し、1年で素晴らしい歌手になる

パリの大きな劇場で独唱会を開くことになり
シャルム先生らに招待券を送り、パリまで聴きに来る
美しい声は会場のみんなを魅了する
どんな辛い時も、悲しみ、苦しみを乗り越えたからこそ
大勢の人の心を引きつけるのだと思うシャルム先生


■解説
マルグリット・オードー
1864年フランス生まれ 72歳で死去
若い頃はエグランティヌと同様、貧しいお針子だったが
ひどい眼病になり、視力が衰えたため、慣れないペンで小説を書きだした
『孤児マリー』が評判になっても、有頂天にならず屋根裏で生活していた
『街から風車場へ』
本書は最後に書いた作品で、亡くなった半年後に出版された