1973年初版 1982年 第13刷 野田開作/編著 白井哲/装幀 山内秀一/表紙絵・口絵・挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
このシリーズは貧しさから脱して幸せになるという話が多いな
篤い信仰心が根底にあるのも共通している
今作の舞台はオランダ
挿絵の衣装も民族衣装っぽい
医者が家で急に頭を切開する手術をはじめるシーンは恐ろしい/汗
家族が助手をしなきゃいけないのか?
【内容抜粋メモ】
登場人物
ハンス 兄
グレーテル 妹
ブリンカー 父 10年前の怪我で意識がない
メーチェ 母
ブックマン先生 オランダ一の名医
息子 ラオレンス
ヒルダ お金持ちの市長の娘
ピーター ヒルダの友だち
●まずしい兄妹
手の器用なハンスが木を削ってつくった粗末なスケート靴をはいて
近所の子が来る前の早朝に、凍った川でスケートをして遊ぶきょうだい
父は、10年前の嵐の日に堤防から落ちて頭を打ってから気が変になってしまい
母が働き、きょうだいも家を忙しく手伝い、学校も行けてない状態
12月20日は市長の娘ヒルダの母の誕生祝いにスケート大会が行われる予定
グレーテルがスケートが上手いのを見て、ぜひ出て欲しいと頼み
8カルチェを差し出して、新しいスケート靴を買うようすすめる
お金を恵んでもらうのを拒むきょうだいのために
ハンスがグレーテルにつくってあげた木の鎖をつくってほしいと頼む
ヒルダは友だちのピーターに話したため、彼も妹のために木の鎖を頼み
ヒルダ以上のお金を支払う
●聖ニコラスの日
12月5日、母はとっておきの晴れ着に着替えて、子どもたちを喜ばせる
せっかくだからアムステルダムへ買い物に行っておいでと言う
父母は真面目に働いて貯めた千ギルダーもの貯金があったけれども
父が怪我をする前日に突然消えてしまった
父が担ぎ込まれた時、立派な銀時計を持っていたのも謎
●ブックマン先生
ハンスはアムステルダムに行く途中で世界的に有名な医師ブックマンを見かけて
とっさに父を診察してくれと必死に頼む
ブックマン先生:ライデンに行く途中だから、1週間したら君の家に行ってあげよう
ブックマン先生は行方不明になった一人息子ラオレンスを思い出す
●恐ろしい出来事
きょうだいがスケートをしていると、母の悲鳴が聞こえて、慌てて帰宅すると
父が母を襲って、母の晴れ着に暖炉の火が燃え移っている
ハンスが止めると、父は頭が痛いと言って、高い熱を出す
ハンスはライデンまで行って、ブックマン先生を連れてこようとする
途中でピーターの落とした財布を拾う
友だちとスケート旅行に行こうとしていたピーターはお礼を言い
ハンスの代わりにライデンに行って、先生を呼んでくると約束し
別荘の玄関に飾りをつける仕事をしてほしいと頼む
●手術
4日後にブックマン先生が来て、診察し、頭蓋骨の下に黒い水がたまり
脳を圧迫しているから、手術で抜かないと狂い死ぬと告げて、早速、切開手術に取り掛かる
グレーテルは恐ろしくなって、外に出ていると
通りかかったヒルダが心配していっしょに散歩する
いい友だちというものは、困った時や、ツライ時、苦しい時に力になるものです
勇気を出して、窓から覗くと、手術は無事に成功して
これまで家族を見ても無反応だったのが、名前を呼ぶまでになる
村人は“気違いブリンカーさんがよくなった”という噂でもちきりになる
ブックマン先生:
肉、白ぶどう酒などをたくさん食べさせて
軽くて暖かい布団をかけてやりなさい
とアドバイスするが、貧しいため、黒パンしかなく困りはてる
ハンス:
僕たちはいつも希望を捨てなかった
そしたら希望は叶えられた
1日中、仕事を探して歩きまわっても見つからず
家に帰ると、ヒルダとブックマン先生からご馳走が山ほど届けられていて驚く
●楽しいわが家
父はみるみる回復し、10年も寝ていたことに驚く
父:
怪我をした前の晩、柳の木のそばに埋めた
千ギルダーのお金は役に立っただろうね
月がのぼってから、ハンスと母は木の周りを朝まで掘るが何も出てこなかった
ハンスが新しいスケート靴を売ろうと歩いていると
ヒルダの友だちアニーが心配して、買った時の3倍の値で買ってくれる
仙女さまみたいだと言われて、すっかりなりきり
アニー:一つだけ願いを叶えてあげよう
ハンス:ゆうべ探したものが見つかればいいと思います
アニー:
お前の望みを叶えてあげよう これはふしぎな魔法の玉じゃ
これを埋めなさい 月がのぼるまでにの望みは叶うだろう
ハンスは真面目に信じて、言われた所に埋めようとして
去年切った切り株の下から父が埋めた千ギルダーが出てきて驚く
●銀時計のなぞ
父に銀時計について聞くと、嵐の日、若者が来て
『知らずに人を殺したからオランダから逃げださなくてはならない
この時計を父に届けてください もし帰ってもらいたい時が来たら必ず帰ってきます』と言った
父は名前を思い出せないが、時計にL.J.Bと彫ってある
翌日、ブックマン先生が来て、時計が息子ラオレンスのものだと言って驚く
自分の助手をしていて、間違った薬を病人に渡したが
すぐ気づいて飲まずに済んだのを、殺したと思い込んで姿を消したまま
●スケート大会
ほぼ回復した父は母と応援に来る
グレーテルは20人の中で優勝、ハンスは3等をとる
優勝の褒美に銀のスケート靴が贈られ、家でお祝いをする
父は突然、ブックマン先生の息子はトマス・ヒグスと名乗ったことを思い出す
銀のスケート靴にはバーミンガムのトマス・ヒグスがつくった名前が彫られていた
ピーターの友だちベンは、ヒグス氏の工場が家の近くにあるから知っていると話す
ハンスは大急ぎでブックマン先生に知らせに行く
●雪よりも清く
1月にブックマン先生とラオレンスが訪ねて来る
ラオレンスはアムステルダムで新しい店を開くから
父に監督者になってほしいと頼む
ハンスは必死に勉強して、医師になりたいと話し
ブックマン先生が大学進学の費用を出すから助手になってほしいと頼む
■解説
メリー・メイプス・ドッジ
1831年 NY生まれ 父は有名な科学者
20歳に法律家と結婚 7年後に夫を亡くす
本作の原題は『ハンス・ブリンカー』
ドッジの祖先がオランダ人だった
『セント・ニコラス』という少年少女向けの雑誌もつくった
『若草物語』『ジャングル・ブック』『小公子』などは
最初、この雑誌に発表された連載小説だった
ドッジ:
お互いに信じあい、助けあい、つねに清く、明るく、正しく生きれば
誰でもハンスとグレーテルのように幸福が得られる
1905年 死去
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このシリーズは貧しさから脱して幸せになるという話が多いな
篤い信仰心が根底にあるのも共通している
今作の舞台はオランダ
挿絵の衣装も民族衣装っぽい
医者が家で急に頭を切開する手術をはじめるシーンは恐ろしい/汗
家族が助手をしなきゃいけないのか?
【内容抜粋メモ】
登場人物
ハンス 兄
グレーテル 妹
ブリンカー 父 10年前の怪我で意識がない
メーチェ 母
ブックマン先生 オランダ一の名医
息子 ラオレンス
ヒルダ お金持ちの市長の娘
ピーター ヒルダの友だち
●まずしい兄妹
手の器用なハンスが木を削ってつくった粗末なスケート靴をはいて
近所の子が来る前の早朝に、凍った川でスケートをして遊ぶきょうだい
父は、10年前の嵐の日に堤防から落ちて頭を打ってから気が変になってしまい
母が働き、きょうだいも家を忙しく手伝い、学校も行けてない状態
12月20日は市長の娘ヒルダの母の誕生祝いにスケート大会が行われる予定
グレーテルがスケートが上手いのを見て、ぜひ出て欲しいと頼み
8カルチェを差し出して、新しいスケート靴を買うようすすめる
お金を恵んでもらうのを拒むきょうだいのために
ハンスがグレーテルにつくってあげた木の鎖をつくってほしいと頼む
ヒルダは友だちのピーターに話したため、彼も妹のために木の鎖を頼み
ヒルダ以上のお金を支払う
●聖ニコラスの日
12月5日、母はとっておきの晴れ着に着替えて、子どもたちを喜ばせる
せっかくだからアムステルダムへ買い物に行っておいでと言う
父母は真面目に働いて貯めた千ギルダーもの貯金があったけれども
父が怪我をする前日に突然消えてしまった
父が担ぎ込まれた時、立派な銀時計を持っていたのも謎
●ブックマン先生
ハンスはアムステルダムに行く途中で世界的に有名な医師ブックマンを見かけて
とっさに父を診察してくれと必死に頼む
ブックマン先生:ライデンに行く途中だから、1週間したら君の家に行ってあげよう
ブックマン先生は行方不明になった一人息子ラオレンスを思い出す
●恐ろしい出来事
きょうだいがスケートをしていると、母の悲鳴が聞こえて、慌てて帰宅すると
父が母を襲って、母の晴れ着に暖炉の火が燃え移っている
ハンスが止めると、父は頭が痛いと言って、高い熱を出す
ハンスはライデンまで行って、ブックマン先生を連れてこようとする
途中でピーターの落とした財布を拾う
友だちとスケート旅行に行こうとしていたピーターはお礼を言い
ハンスの代わりにライデンに行って、先生を呼んでくると約束し
別荘の玄関に飾りをつける仕事をしてほしいと頼む
●手術
4日後にブックマン先生が来て、診察し、頭蓋骨の下に黒い水がたまり
脳を圧迫しているから、手術で抜かないと狂い死ぬと告げて、早速、切開手術に取り掛かる
グレーテルは恐ろしくなって、外に出ていると
通りかかったヒルダが心配していっしょに散歩する
いい友だちというものは、困った時や、ツライ時、苦しい時に力になるものです
勇気を出して、窓から覗くと、手術は無事に成功して
これまで家族を見ても無反応だったのが、名前を呼ぶまでになる
村人は“気違いブリンカーさんがよくなった”という噂でもちきりになる
ブックマン先生:
肉、白ぶどう酒などをたくさん食べさせて
軽くて暖かい布団をかけてやりなさい
とアドバイスするが、貧しいため、黒パンしかなく困りはてる
ハンス:
僕たちはいつも希望を捨てなかった
そしたら希望は叶えられた
1日中、仕事を探して歩きまわっても見つからず
家に帰ると、ヒルダとブックマン先生からご馳走が山ほど届けられていて驚く
●楽しいわが家
父はみるみる回復し、10年も寝ていたことに驚く
父:
怪我をした前の晩、柳の木のそばに埋めた
千ギルダーのお金は役に立っただろうね
月がのぼってから、ハンスと母は木の周りを朝まで掘るが何も出てこなかった
ハンスが新しいスケート靴を売ろうと歩いていると
ヒルダの友だちアニーが心配して、買った時の3倍の値で買ってくれる
仙女さまみたいだと言われて、すっかりなりきり
アニー:一つだけ願いを叶えてあげよう
ハンス:ゆうべ探したものが見つかればいいと思います
アニー:
お前の望みを叶えてあげよう これはふしぎな魔法の玉じゃ
これを埋めなさい 月がのぼるまでにの望みは叶うだろう
ハンスは真面目に信じて、言われた所に埋めようとして
去年切った切り株の下から父が埋めた千ギルダーが出てきて驚く
●銀時計のなぞ
父に銀時計について聞くと、嵐の日、若者が来て
『知らずに人を殺したからオランダから逃げださなくてはならない
この時計を父に届けてください もし帰ってもらいたい時が来たら必ず帰ってきます』と言った
父は名前を思い出せないが、時計にL.J.Bと彫ってある
翌日、ブックマン先生が来て、時計が息子ラオレンスのものだと言って驚く
自分の助手をしていて、間違った薬を病人に渡したが
すぐ気づいて飲まずに済んだのを、殺したと思い込んで姿を消したまま
●スケート大会
ほぼ回復した父は母と応援に来る
グレーテルは20人の中で優勝、ハンスは3等をとる
優勝の褒美に銀のスケート靴が贈られ、家でお祝いをする
父は突然、ブックマン先生の息子はトマス・ヒグスと名乗ったことを思い出す
銀のスケート靴にはバーミンガムのトマス・ヒグスがつくった名前が彫られていた
ピーターの友だちベンは、ヒグス氏の工場が家の近くにあるから知っていると話す
ハンスは大急ぎでブックマン先生に知らせに行く
●雪よりも清く
1月にブックマン先生とラオレンスが訪ねて来る
ラオレンスはアムステルダムで新しい店を開くから
父に監督者になってほしいと頼む
ハンスは必死に勉強して、医師になりたいと話し
ブックマン先生が大学進学の費用を出すから助手になってほしいと頼む
■解説
メリー・メイプス・ドッジ
1831年 NY生まれ 父は有名な科学者
20歳に法律家と結婚 7年後に夫を亡くす
本作の原題は『ハンス・ブリンカー』
ドッジの祖先がオランダ人だった
『セント・ニコラス』という少年少女向けの雑誌もつくった
『若草物語』『ジャングル・ブック』『小公子』などは
最初、この雑誌に発表された連載小説だった
ドッジ:
お互いに信じあい、助けあい、つねに清く、明るく、正しく生きれば
誰でもハンスとグレーテルのように幸福が得られる
1905年 死去