関楠生/訳 松井豊/画
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
マゼラン海峡の名がついたマゼランの物語
彼が太平洋を航海しなければ、今ある地図が完成しないばかりか
地球が丸いということも立証されなかったことを思うとフシギな感じがする
【内容抜粋メモ】
登場人物
フェルナンド・デル・マゼラン
騎士バルボーサ
イサベラ 娘
カール5世
5隻の艦隊
司令官マゼラン 旗艦トリニダーの船長→エスピノーサ
副司令官フワン・デ・カルタヘナ サン・アントニオの船長→メスキータ
ガスパール・デ・ケサーダ コンセプシオンの船長→セラーノ
ルイス・デ・メンドーサ ビクトリアの船長→バルボーサ→カルヴァーリョ→エルカーノ
フワン・セラーノ サンチアゴの船長
バルトロメウ・ディアス:ポルトガルの航海者 アフリカ周航を目指して喜望峰にいたる航路を発見した
ヴァスコ・ダ・ガマ:ポルトガルの航海者 喜望峰をまわってインド航路を開拓し、ポルトガルのアジア貿易独占の道をひらいた
●1 マゼランの出現
1517年10月
左足を少し引きずって歩くマゼランが騎士バルボーサと会う
2人ともポルトガル出身だが、マヌエル王の独裁政治に不満を持ち国を出た
冒険談を話し、艦隊を率いて世界の果てまで達したい野心を明かす
バルボーサ:あなたを援助し、有力な海軍軍人を紹介しましょう
●2 大胆な計画
天文学者ルイ・ファレーロ、フランシスコ・セラーノ船長のいとこフワン・セラーノと会う
フランシスコ・セラーノは伝説の香辛料の島
モルッカ諸島にたどり着いたというが消息不明
マゼランはカール5世に提案し
5隻の艦隊を率いて西まわりの航路をとって太平洋を横断し
モルッカ諸島をスペインの領有とする計画がスタートする
地球儀の南アメリカ大陸の南部は空白で
最初の世界一周のこころみとなる
マゼランはバルボーサの娘イサベラと結婚する
●3 暗殺のたくらみ
通商院の古い船長たちはマゼランを敵視する
マヌエル王はマゼランの計画を聞いて
はるかに優れた遠征隊を提供すると約束するが
内閣は死罪とし、殺し屋が送られるが失敗する
マゼランが司令官に命じられたため、ファレーロは計画から降りる
彼に代わる副司令官としてフワン・デ・カルタヘナが任命される
●4 銀の川へ
1519年9月 艦隊は海に出た
カルタヘナはマゼランの進路変更に異議を唱えるがマゼランの強い警告をうける
その後、カルタヘナ船長は不服従のかどで逮捕され
メスキーダがサン・アントニオの船長になる
無風状態が何週間も続き、殺人的な暑さで
硬い乾パンと臭い塩漬けの肉だけで喉が渇く
11月 カボ・サン・アグスティノの岬に着く
●5 大暴動
8日間の休暇を与え、上陸も許す
インディオの主食はマニホトという芋
ある日、コンセプシオンが座礁する
バルボーサにボートの指揮をとらせると、人食い人種の村に入ってしまう
水夫のロドリゴはばらばらに引き裂かれて食べられた、最初の死者となる
マゼランは士官らから憎まれるようになるが、若いエルカーノからは尊敬される
マゼランはエルカーノに厳しく船の扱いを教える
厳しい冬に入り、ポルト・デ・サン・フリアンと名付けた港で越冬を決める
ミサを催すとケサーダ、メンドーサは欠席し、カルタヘナとともに再び反乱を引き起こし
艦隊を喜望峰まわりさせることを要求するがまた失敗
ケサーダは首を切られ、メンドーサの死体は島に投げられ
カルタヘナは出港する際、浜辺に置き去りにする刑が下される
●6 火の国の迷路で
海岸に大きな足の原住民が来て、マゼランは「パタゴニア人(大足人)」と名付ける
船員が少女を抱き上げたのを誘拐されると思った母親が騒ぎ
男たちが武器で白人に向かい、小銃で撃ち、水夫が槍で殺される事件が起きる
マゼランはセラーノに行く先の調査を任せる
サンチアゴは嵐に遭って岩に乗り上げ壊れる
仕方なく船を捨てて、艦隊まで歩いてたどり着いた
マゼランはセラーノにコンセプシオンの指揮権を与える
船は2か月もサンタ・クルスにとまり、とうとう針路を西に進む
何も食べ物がない湾に「飢餓湾」と名付ける
悲観論者ゴメス:貯蔵食料が尽きかけている 船を帰さなければ飢え死にする
マゼラン:探検航海の成功に少しでも疑いを述べることを死刑をもって禁止する!
サン・アントニオを偵察に送るが航路は見つけられず
約束の6日目に戻れず、7日目に戻った時は艦隊はもう発った後だった
メスキータ船員はゴメスと斬り合い、スペインに帰航する運命となる
火の国の迷路を抜けるのに1か月を要し、マゼラン海峡と名付けられる
●7 果てしない海
目の届くかぎりの海が続き
南東貿易風に乗り、太平洋横断が始める
恐ろしい凪が始まる
船は進まず、熱帯の暑熱にやられる乗組員
壊血病でばったり倒れ、歯茎は腐る/驚
2月赤道を越え、3人の死者を海に葬る
北北西に向かい、北東貿易風をとらえて再び進む
マゼラン:地球の自転が貿易風の原因になっているに違いない
その間、何百も島があったにも関わらず
意地の悪い偶然により1つも見かけずにすぎる
3月 マリアナ諸島に着いた時、マゼランは神に感謝を捧げる
裸の“土人”と物々交換し、グアム島では村を焼き払って食べ物をとって出帆
スリガオで8日間停まる
十分な食料を積むにはセブ島に行かなくてはならないと聞く
●8 司令官の死
米、果物、ナッツ、サトウキビ、トウモロコシなどが積まれていく
香料諸島まではわずか10日ほど
マゼランは島民をキリスト教に改宗させる
復活祭の前日、海岸に十字架をたてる
マクタン島占領のために55名の兵を率いて上陸すると
大勢の原住民の敵に囲まれ、酋長の槍がマゼランの目を貫いた
スペイン人の多くはマゼランのお陰で船まで逃れることができた
マゼランの死体は波間に沈み、回収もできなかった
セビリヤではマゼランの1歳になる息子がほぼ同じ日に亡くなった
●9 スル海の冒険
最古参の船長バルボーサがトリニダーの指揮に選ばれる
セブ島でのスペイン人の信用は崩れ、信仰を戻し、条約を廃棄する
お別れの大宴会に船長を招待し、セラーノは不吉な予感がしたが
バルボーサとともに参加すると、200人の戦士に襲われ
バルボーサは殺され、セラーノは傷だらけで助けを求めたが
エスピノーサ:君1人より我々全部のほうが大事だ
航海能力のなくなったコンセプシオンは火をかけて海に沈められた
エスピノーサがトリニダー、カルヴァーリョがビクトリアを指揮することになる
世界的な貿易港ブルネイに到着
カール5世の使節として華やかに迎えられる
スルタンの艦隊が襲ってくる
カルヴァーリョが買収されたことが分かり免職になる
ビクトリアの船長はエルカーノに任命される
●10 モルッカ諸島で
11月 ティドーレ島に着く
234名の乗組員は半分に減った
セラーノ船長はマゼランとほぼ同じ日に毒殺されていた
ラジャはスペイン人と友好条約を結び、チョウジを積む許可を出すが
宴会で毒を盛られて死ぬ
海底火山の噴火による津波にも襲われ、トリニダーが座礁する
危険な漏水が見つかり、修理に3か月を要するため
ビクトリアを先に行かせる
エスピノーサ:
君は神の恵みを受けて、人類最初の世界周航者となり
皇帝にマゼランの偉大な業績を報告するのだ、エルカーノ
ポルトガル人が島に残っていた6名のスペイン人を捕虜にとる
1年後、十数名に減った乗組員がインド総督に渡り
さらに2年留めてから、最後の生存者エスピノーサ、2名の水夫、司祭の4人は
1526年にやっとスペインにたどり着いた
●11 アフリカ航路
エルカーノはポルトガルの領地を用心深く避け
インド洋を横断し、喜望峰に向かう南西航路をとる
ポルトガル船に追われ、霧の壁に逃げる
黒水熱で死者が出る
3月 ニューアムステルダムに着く
何か月も前から水と米しかない
1522年5月
アフリカの海岸が現れる
●12 世界は球である
4度目の赤道通過
再び暑熱と凪が襲い、ビクトリアの乗組員は30人に減る
船の浸水も危険なレベルに達し、サンチアゴで修理するため
西から来たとウソをついて食料と真水を積む
支払いをチョウジでしたため疑われ、モルッカ諸島から来たとバレる
12人のスペイン人が逮捕され、エルカーノはビクトリアを出航させる
エルカーノ:もう1週間のガマンだ やり抜くのだ諸君!
●13 セビリャ
サンルーカルの老水先案内人:
あなたは世界を周航したのですね?
セビリャにご案内しましょう
世界周航成功のニュースは国内、ヨーロッパ中に広がる
9月 ボロボロのビクトリアが岸につながれ
骨と皮ばかりの乗組員が降りる
234名のうち、13名となっていた
苦しみにやつれたバルボーサが迎える
イサベラは数週間前に亡くなっていた
エルカーノは皇帝に報告し、船に積んだチョウジは遠征隊の費用の5倍の収益をあげ
エルカーノは貴族の称号を与えられた
■あとがき
マゼランの業績をたたえる本は何冊も書かれており
オーストリアの作家シュテファン・ツワイク『マゼラン』は有名
マゼランのポルトガルの名前はフェルナン・デ・マガリャンイス
マゼランは英語読み
本書はフィクションが所々に混入している
各人の立場で見方が違い、自分を正当化する試みもあると思われる
メノ・ホルストは年少読者向きのノンフィクション作家として定評があり
ツタンカーメンの発掘物語『閉ざされたとびらの背後』などもある
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マゼラン海峡の名がついたマゼランの物語
彼が太平洋を航海しなければ、今ある地図が完成しないばかりか
地球が丸いということも立証されなかったことを思うとフシギな感じがする
【内容抜粋メモ】
登場人物
フェルナンド・デル・マゼラン
騎士バルボーサ
イサベラ 娘
カール5世
5隻の艦隊
司令官マゼラン 旗艦トリニダーの船長→エスピノーサ
副司令官フワン・デ・カルタヘナ サン・アントニオの船長→メスキータ
ガスパール・デ・ケサーダ コンセプシオンの船長→セラーノ
ルイス・デ・メンドーサ ビクトリアの船長→バルボーサ→カルヴァーリョ→エルカーノ
フワン・セラーノ サンチアゴの船長
バルトロメウ・ディアス:ポルトガルの航海者 アフリカ周航を目指して喜望峰にいたる航路を発見した
ヴァスコ・ダ・ガマ:ポルトガルの航海者 喜望峰をまわってインド航路を開拓し、ポルトガルのアジア貿易独占の道をひらいた
●1 マゼランの出現
1517年10月
左足を少し引きずって歩くマゼランが騎士バルボーサと会う
2人ともポルトガル出身だが、マヌエル王の独裁政治に不満を持ち国を出た
冒険談を話し、艦隊を率いて世界の果てまで達したい野心を明かす
バルボーサ:あなたを援助し、有力な海軍軍人を紹介しましょう
●2 大胆な計画
天文学者ルイ・ファレーロ、フランシスコ・セラーノ船長のいとこフワン・セラーノと会う
フランシスコ・セラーノは伝説の香辛料の島
モルッカ諸島にたどり着いたというが消息不明
マゼランはカール5世に提案し
5隻の艦隊を率いて西まわりの航路をとって太平洋を横断し
モルッカ諸島をスペインの領有とする計画がスタートする
地球儀の南アメリカ大陸の南部は空白で
最初の世界一周のこころみとなる
マゼランはバルボーサの娘イサベラと結婚する
●3 暗殺のたくらみ
通商院の古い船長たちはマゼランを敵視する
マヌエル王はマゼランの計画を聞いて
はるかに優れた遠征隊を提供すると約束するが
内閣は死罪とし、殺し屋が送られるが失敗する
マゼランが司令官に命じられたため、ファレーロは計画から降りる
彼に代わる副司令官としてフワン・デ・カルタヘナが任命される
●4 銀の川へ
1519年9月 艦隊は海に出た
カルタヘナはマゼランの進路変更に異議を唱えるがマゼランの強い警告をうける
その後、カルタヘナ船長は不服従のかどで逮捕され
メスキーダがサン・アントニオの船長になる
無風状態が何週間も続き、殺人的な暑さで
硬い乾パンと臭い塩漬けの肉だけで喉が渇く
11月 カボ・サン・アグスティノの岬に着く
●5 大暴動
8日間の休暇を与え、上陸も許す
インディオの主食はマニホトという芋
ある日、コンセプシオンが座礁する
バルボーサにボートの指揮をとらせると、人食い人種の村に入ってしまう
水夫のロドリゴはばらばらに引き裂かれて食べられた、最初の死者となる
マゼランは士官らから憎まれるようになるが、若いエルカーノからは尊敬される
マゼランはエルカーノに厳しく船の扱いを教える
厳しい冬に入り、ポルト・デ・サン・フリアンと名付けた港で越冬を決める
ミサを催すとケサーダ、メンドーサは欠席し、カルタヘナとともに再び反乱を引き起こし
艦隊を喜望峰まわりさせることを要求するがまた失敗
ケサーダは首を切られ、メンドーサの死体は島に投げられ
カルタヘナは出港する際、浜辺に置き去りにする刑が下される
●6 火の国の迷路で
海岸に大きな足の原住民が来て、マゼランは「パタゴニア人(大足人)」と名付ける
船員が少女を抱き上げたのを誘拐されると思った母親が騒ぎ
男たちが武器で白人に向かい、小銃で撃ち、水夫が槍で殺される事件が起きる
マゼランはセラーノに行く先の調査を任せる
サンチアゴは嵐に遭って岩に乗り上げ壊れる
仕方なく船を捨てて、艦隊まで歩いてたどり着いた
マゼランはセラーノにコンセプシオンの指揮権を与える
船は2か月もサンタ・クルスにとまり、とうとう針路を西に進む
何も食べ物がない湾に「飢餓湾」と名付ける
悲観論者ゴメス:貯蔵食料が尽きかけている 船を帰さなければ飢え死にする
マゼラン:探検航海の成功に少しでも疑いを述べることを死刑をもって禁止する!
サン・アントニオを偵察に送るが航路は見つけられず
約束の6日目に戻れず、7日目に戻った時は艦隊はもう発った後だった
メスキータ船員はゴメスと斬り合い、スペインに帰航する運命となる
火の国の迷路を抜けるのに1か月を要し、マゼラン海峡と名付けられる
●7 果てしない海
目の届くかぎりの海が続き
南東貿易風に乗り、太平洋横断が始める
恐ろしい凪が始まる
船は進まず、熱帯の暑熱にやられる乗組員
壊血病でばったり倒れ、歯茎は腐る/驚
2月赤道を越え、3人の死者を海に葬る
北北西に向かい、北東貿易風をとらえて再び進む
マゼラン:地球の自転が貿易風の原因になっているに違いない
その間、何百も島があったにも関わらず
意地の悪い偶然により1つも見かけずにすぎる
3月 マリアナ諸島に着いた時、マゼランは神に感謝を捧げる
裸の“土人”と物々交換し、グアム島では村を焼き払って食べ物をとって出帆
スリガオで8日間停まる
十分な食料を積むにはセブ島に行かなくてはならないと聞く
●8 司令官の死
米、果物、ナッツ、サトウキビ、トウモロコシなどが積まれていく
香料諸島まではわずか10日ほど
マゼランは島民をキリスト教に改宗させる
復活祭の前日、海岸に十字架をたてる
マクタン島占領のために55名の兵を率いて上陸すると
大勢の原住民の敵に囲まれ、酋長の槍がマゼランの目を貫いた
スペイン人の多くはマゼランのお陰で船まで逃れることができた
マゼランの死体は波間に沈み、回収もできなかった
セビリヤではマゼランの1歳になる息子がほぼ同じ日に亡くなった
●9 スル海の冒険
最古参の船長バルボーサがトリニダーの指揮に選ばれる
セブ島でのスペイン人の信用は崩れ、信仰を戻し、条約を廃棄する
お別れの大宴会に船長を招待し、セラーノは不吉な予感がしたが
バルボーサとともに参加すると、200人の戦士に襲われ
バルボーサは殺され、セラーノは傷だらけで助けを求めたが
エスピノーサ:君1人より我々全部のほうが大事だ
航海能力のなくなったコンセプシオンは火をかけて海に沈められた
エスピノーサがトリニダー、カルヴァーリョがビクトリアを指揮することになる
世界的な貿易港ブルネイに到着
カール5世の使節として華やかに迎えられる
スルタンの艦隊が襲ってくる
カルヴァーリョが買収されたことが分かり免職になる
ビクトリアの船長はエルカーノに任命される
●10 モルッカ諸島で
11月 ティドーレ島に着く
234名の乗組員は半分に減った
セラーノ船長はマゼランとほぼ同じ日に毒殺されていた
ラジャはスペイン人と友好条約を結び、チョウジを積む許可を出すが
宴会で毒を盛られて死ぬ
海底火山の噴火による津波にも襲われ、トリニダーが座礁する
危険な漏水が見つかり、修理に3か月を要するため
ビクトリアを先に行かせる
エスピノーサ:
君は神の恵みを受けて、人類最初の世界周航者となり
皇帝にマゼランの偉大な業績を報告するのだ、エルカーノ
ポルトガル人が島に残っていた6名のスペイン人を捕虜にとる
1年後、十数名に減った乗組員がインド総督に渡り
さらに2年留めてから、最後の生存者エスピノーサ、2名の水夫、司祭の4人は
1526年にやっとスペインにたどり着いた
●11 アフリカ航路
エルカーノはポルトガルの領地を用心深く避け
インド洋を横断し、喜望峰に向かう南西航路をとる
ポルトガル船に追われ、霧の壁に逃げる
黒水熱で死者が出る
3月 ニューアムステルダムに着く
何か月も前から水と米しかない
1522年5月
アフリカの海岸が現れる
●12 世界は球である
4度目の赤道通過
再び暑熱と凪が襲い、ビクトリアの乗組員は30人に減る
船の浸水も危険なレベルに達し、サンチアゴで修理するため
西から来たとウソをついて食料と真水を積む
支払いをチョウジでしたため疑われ、モルッカ諸島から来たとバレる
12人のスペイン人が逮捕され、エルカーノはビクトリアを出航させる
エルカーノ:もう1週間のガマンだ やり抜くのだ諸君!
●13 セビリャ
サンルーカルの老水先案内人:
あなたは世界を周航したのですね?
セビリャにご案内しましょう
世界周航成功のニュースは国内、ヨーロッパ中に広がる
9月 ボロボロのビクトリアが岸につながれ
骨と皮ばかりの乗組員が降りる
234名のうち、13名となっていた
苦しみにやつれたバルボーサが迎える
イサベラは数週間前に亡くなっていた
エルカーノは皇帝に報告し、船に積んだチョウジは遠征隊の費用の5倍の収益をあげ
エルカーノは貴族の称号を与えられた
■あとがき
マゼランの業績をたたえる本は何冊も書かれており
オーストリアの作家シュテファン・ツワイク『マゼラン』は有名
マゼランのポルトガルの名前はフェルナン・デ・マガリャンイス
マゼランは英語読み
本書はフィクションが所々に混入している
各人の立場で見方が違い、自分を正当化する試みもあると思われる
メノ・ホルストは年少読者向きのノンフィクション作家として定評があり
ツタンカーメンの発掘物語『閉ざされたとびらの背後』などもある