メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

映画『再会』(1953)

2024-08-18 13:32:10 | 映画
監督:木村恵吾 原作:久生十蘭

出演
津村修:森雅之
兄・章:三津田健
章の妻・貞代:清川玉枝

長部秋子:久我美子
塩沢田鶴子:木村三津子
田鶴子の母・保子:入江たか子

寺島忠純:柳永二郎
息子 寺島忠雄 憲兵:三國連太郎
浅沼誠吾:伊藤雄之助
矢田部:菅井一郎
ほか


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Amazonプライムで久我美子さん出演作で調べて
「KADOKAWAチャンネル」14日分無料体験に入って観た

森雅之さんとの共演は貴重すぎ
たくさん観たようでもまだまだあるんだなあ!


【内容抜粋メモ】

第一部 かりそめの逢瀬
ナレーションが聞き取りにくい

津村は見合いから逃げだしてしまいたいと思い、途中でタクシーを降りる
日比谷公園(!)に桜が咲いている

音楽堂でオーケストラがクラシックの生演奏をしている/驚
石のイスじゃなく、木のベンチだったんだな
無料で観れたのか?

アキコと同じベンチに座り互いに意識する
すごい振り返ってるのが可笑しい









オサムがアキコの手袋の上に座っていたことに気づく

オサム:
うかつ者だから手袋の上に座っていた
かまわずおっしゃってくれたらよかったのに
うぬぼれてしまいました

いきなり空から銃で撃って来るってとんでもないな!
オサム:とうとう東京にも空襲が来ましたね
名残惜しみながら家に帰るアキコ

兄夫婦は2時間も待ってて怒ってる
オサム:どうしても気がすすまないんですよ

塩沢田鶴子はアキコの友人で電話する
タヅコ:相手はとってもステキな人(そりゃそーだ!

アキコは両親が早めに亡くなり叔父・寺島忠純と住んでいる
音楽堂の演奏は戦争の影響で中止、今後は軍歌となる予定



タヅコはすっかりオサムが好きになったとアキコに報告する
アキコ:運命みたいにひと目で好きになるって誰にもあることかも
戦時中でも砂糖がたくさんある家庭

音楽堂では軍歌を演奏してるが客は前より多い
オサムはアキコを探す
アキコは偶然を装ってそばを通って再会を喜ぶ

立派なラッパ隊だなあ
みんなで急に歌い出す コワイよ・・・
隣りが熱心でうるさがるアキコ

雨が降り出す
ダンスホールみやこも今夜が最後
オサム:踊りましょうか

すごいしみくさい音楽で踊る2人
ホール長:おわかれの曲を最後として、どなたさまもごきげんよう さようなら

♪蛍の光 女性同士でも踊ってる人がいるな
みんな泣いてるし どんだけダンス好き?!

オサム:これからは毎土曜日に音楽堂へまいります あなたさえよかったら



シェパードを2匹も散歩させてるアキコ!
タヅコ:お見合いがダメになった 私、あの方が好きになったの/泣
アキコ:相手に見る目がないのね

憲兵のタダオが戻る

オサムはまた音楽堂に来るがアキコはいない
アキコはタヅコと約束したとウソをついて音楽堂へ出る許可をとる
2人は婚約してる? タダオは伍長にアキコを尾行させる!

アキコは音楽堂でオサムの部下を見つけて隠れて帰る
家の中で射撃訓練してるタダオ/驚
どんな曲を演奏してるか執拗に聞く

アキコ:
浅沼さん、ご存じでしょ?
二度とそんなことしたら私、死んでしまいます!
ご厄介になってるご恩と関係ない

タダオさん、狂ってる・・・/汗

東京憲兵隊
土曜日に気づいてアキコに電話するが出かけていたため
また浅沼を連れて行く

軍楽隊も最後の演奏と新聞に載る

オサム:とうとう来てくれましたね

アキコ:
やっと抜け出してきたんです
私にはヘビのようにつきまとう男がいる

浅沼とタダオが来て、外苑の並木道で会おうと約束して去る



オサムに赤紙が来た
タダオが裏工作したのか/驚

アキコ:
一生のお願い 私、好きな人がある
赤紙が来て、タダオさんに内緒でひと目会いたい
名前は津村修

タヅコはショックを受けるがアキコに協力する

オサム:約束の時間を3時間過ぎた
タヅコ:今日は死んでも行くって言ってました

アキコはタダオに言われて荷物をまとめさせられている

青森行きの東北本線に乗るオサム
旗を振って見送る中に浅沼もいる
タダオ:津村さんは今上野駅を出ましたよ

タヅコ:車に乗って、宇都宮駅であの汽車に追いつけるわ!
走ってる汽車にクルマが追いつけるのか?

ホームはものすごい混乱!
名前を叫んでも聞こえないほど
反対側の窓の外を見ている津村はアキコに気づかない

アキコは手袋を投げて、ようやく気付いたオサム
アキコ:お大事に お元気に 私、遠縁にあたる長崎に参ります
オサム:お元気で きっと手紙を書きますから!
アキコは手袋を自分の代わりに渡す







兵隊の食事時間
津村も丸刈りになってる
上司:貴様の書いたラブレターをみんなの前で読んでみろ!

津村は手紙を破って読むのを断る
上司は靴や手で殴って気絶させる
ミズキさんも、とにかく殴られたって言ってたなあ・・・↓↓↓

津村は夜、脱走をする



長崎
津村から手紙が届き、迎えに出るアキコ

兵士らは顔写真で津村を探している
津村は長崎に向かう

タダオ:津村が脱走した 青函連絡船に乗るだろう オレの計画通りだ

長崎に原爆が落ちたと新聞に載り、みんなの噂になる

青森で乗客の人面点検があると放送がある
袋に食糧を詰め込んでいる客は慌てる
桟橋にも憲兵がいる

1人の兵士が船から身投げして騒ぎになる
船員の服を着た津村はトランクで顔を隠して検査を通り2人はすれ違う

アキコは青森に着くがタダオに見つかる
タダオ:長崎におったんですか

浅沼が持ってきた自殺者キムラの荷物にアキコの手袋を見つける
浅沼は津村に同情して泣き、タダオは怒って殴る

空襲サイレンが鳴り、アキコは逃げる
アキコ:タダオさんを殺したのはあなたです 畜生め!

タダオは空襲の弾に当たって死ぬ
浅沼はアキコをかばう







え、まさかのここで終わり?!

終戦


第二部 相寄る魂
あちこちで工事され復興していく東京
アメリカ兵のクルマから降りる女性たち

浅沼が経営してる店でアキコはトシコという名前で働いている
お金もなく、身寄りもなく、浅沼に頼っている

アキコ:
奥のキャバレーで働こうかしら
今日はあの人の命日 ちょうど今ごろ音楽堂で会ったのよ







タヅコは原爆症で臥せっている
アキコ:手術すればきっとよくなるわ

タヅコ:
あの爆弾が落ちた時、私も死んでしまえばよかった
私だけ助かって、あなたにこんなにご迷惑をかけるなんて

女たちが酔っぱらって帰る
タヅコはクスリを飲んで自死をはかるのを止める
すぐ隣りを電車が通っててものすごい騒音!

アキコ:手術するなら今しかないって
浅沼:ヤタベはタダで金を貸す人じゃない



ヤタベ:金でしょ 相談に乗りましょう
3万円ほど欲しいと頼んで身を売る







雨の中フラフラ歩いていると、津村と再会する
津村:終戦以来、夜も眠らず探したんですよ!



タヅコは入院
手術代は津村が出してくれたと思っている浅沼

オープンカーで箱根に出かける
ボートのデート
アキコ:私はオサムさんにおすがりして、黙ってついていけばいい

ピンポンで遊ぶ
ヤタベがトシコを訪ねて来る

電蓄で踊ろうと誘い別れの曲を流す
こういうステップって決まりがあるのかなあ

津村:僕たちの結婚を兄貴たちも賛成してくれてる
アキコ:明日、ご返事いたします あの音楽堂で夜の9時に







病院にタヅコを見舞うと元気になってる
タヅコ:誰の力も借りないで歩けたわ!
アキコ:あなただけは幸せになってね








夜の音楽堂
津村が来ると、アキコは倒れている
タヅコが飲もうとしてたクスリを飲んだのか

「なぜもう1日お待ちできなかったかと
 私は妻になる資格がない
 せめて思い出のベンチに眠ることをお許しください」

津村:たとえどんなことがあったにせよ、あなたは僕の妻なんだ

でも、あの日、ヤタベに会いに行かなければ、再会することもなかったよね


コメント

ジュニア版世界の文学 6 母の肖像 パール・バック/著 金の星社

2024-08-18 12:48:59 | 
1967年初版 1983年 第15刷 土居耕/訳

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『大地』で知ったパール・バックの母親の物語
原題は『他国をさまよう人・あるアメリカ人の母の肖像』

仏教が根付いている中国にキリスト教を布教しようと考えること自体すげーな/驚

読めば読むほど、自分と家族の関係と似ている気がして
フシギに思いながら読んでいた
所々に誤植があり、彼女を彼と書いていたりして、頭が混乱した


【内容抜粋メモ】

登場人物
スタルティング 祖父
ハーマナス スタルティングの末っ子 母の父 宝石細工職人
キャリー ハーマナスの四女 作者の母
コニーリアス キャリーの兄
アンドルー キャリーの夫 作者の父
王アマ 中国人のお手伝いさん
カムファット 母の三女 作者


※ジャンク:帆を張った中国特有の運搬船 河川で人や貨物を運ぶ


●1
母の家系は独立心の強いオランダ人
祖父スタルティングは立派な商人だった

宗教的不寛容の時代が来て、教会を圧迫したため
祖父は神に仕えられないなら、この国を去ると言って
工場を売って、持ち物全部を金にかえ故国を離れ
300人がそれに従った

宝石細工職人となった末っ子のハーマナスは渡米する前に結婚
長男コニーリアスが生まれた

土地を買っていたペンシルバニアに着くと沼地で耕作に適さないため
バージニヤに土地を買って、丸太づくりの小屋を建てた

故国を去ってわずか半年後に政府の方針が変わり
信仰の自由が認められたため、スタルティングはショックを受ける

祖父は風邪をひいて亡くなり、妻も後を追うように亡くなった
南北戦争が始まるまですべては幸福で素晴らしかった

家族の生活を担っていたコニーリアスを徴兵に来た兵士
コニーリアス:僕は脱走してくるよ・・・
母:私たちは奴隷制度を良いと思っていない

母が馬に引きずられてもなお手を離さなかったため
同情した士官はそのまま去った

コニーリアスは戦争が終わるまで山中の小屋に隠れた
勝った軍隊は豊かな土地を根こそぎ荒らしながら進軍してくる

一度に大勢に奴隷が自由になり、コニーリアスも一時はニュークラックスクランに入ったこともあった
両軍が山でぶつかり、コニーリアスは洞窟から逃げ降りてきた

キャリーははっきり異なる性格を持っていた
1つは陽気で快楽を好む気の強い性格
1つは清教徒的で、神を追い求めるが、けして“しるし”を見ることができずにいた
このように不統一で、変化に富んでいるからこそ、よりアメリカ的だった

母は「あらまあ、みんな、ほんとうだわ!」と言って亡くなった
これが神の“しるし”だろうか?


●2
19歳になったキャリーは神学校に入学、22歳で卒業
牧師アンドルーが中国へ伝道に行くと知り、自分も行きたいと話し
1880年2人は結婚し、伝道本部から1500ドルを受け取り中国へ向かう

1か月の船旅の間、キャリーはひどい船酔いをして、海嫌いになる
日本で短期間停泊し、シナ海を渡り、上海に着いた

上海から杭州までは7日間かけて、白塗りの牧師館に着いた
翌日から2人は中国語を勉強した

3か月目でキャリーは初めての子どもを妊娠し、上海で長男エドウィンを産んだ
翌年の夏、娘モードを出産

さらに次の春に妊娠したが、初めて子どもを亡くす
次の春、娘イーディスを出産

蚊がマラリアを伝染させることを知らずに感染
エドウィンは赤痢にかかる

アンドルー:神のご意志だよ
キャリー:それだけでは母親の空になった胸や腕は満たされない

海に臨む丘の上に立つ家を見つけて引っ越す

王アマに出会い、その後、ずっとキャリーのそばに仕えた
同居していた男は生まれたばかりの赤ん坊の頭を砕いて殺した
王アマ:男がそうしたければ、女の子を殺してもよいのです

大河のそばに住んだ時、大勢を乗せた船が何度もひっくり返り、1人も助からなかった

アメリカから来る若者は、快楽を求めて酔って歌ったりしていたため
キャリーはケーキを焼き、お茶に呼び、話を聞いて、ホームシックをやわらげた

家族が移転するたびに、キャリーは庭に花を植え、小さなアメリカをつくり
中国で虐げられている女たちの話を聞いたため、大勢が頼るようになる

アーサーを出産

ひどい旱魃の年、真夜中にキャリーの家を襲って皆殺しにする計画があるのを知り
キャリーはケーキを焼いて、入るよううながす
男たち:ここには女と子どもだけだ と言って去る

アーサーも亡くなり、上海に埋葬
コレラが流行し、キャリーとイーディスが感染し、イーディスも亡くなる
キャリー:信じるって、一体何を信じるのだろう?

10年経って、伝道本部の規定で1年間の休暇をとり、ヨーロッパを周る
キャリーは美しい自然を見ることで次第に癒されていく

故郷に帰ると、愛する家族がそのままいたが、越えることのできない溝を感じる
もはや中国はキャリーにとって異国ではなかった
海のかなたで憐れな人々がキャリーを待っている

エドウィンは夢に見たアメリカの暮らしに興奮し、体も丈夫になる
キャリーはこの年にコンフォト(作者)を産んだ

アンドルーは仕事に戻りたくてイライラしだしたため、中国へ戻る
キャリーはクライドを産む

キャリーは子どもたちの教育もした
中国では長男は大切にされて、うぬぼれを持ちやすい

王アマ:長男を働かせるのは恥ずかしいことです
キャリー:だから中国の男たちはなまけて、お前の亭主みたいになるのよ

アンドルーは中国語に翻訳された聖書に不満で、新約聖書の改訳を始める
最低限に切り詰めた生活から出版の費用を捻出するのは想像以上の苦労だった

アンドルーはより奥地にわけ入り、へき地で伝道することを望む


●4
クライドは風邪から肺炎をおこす
キャリーはもう二度と子どもを失うまいとして、夫についていかず
丘の上のバンガローで住むと宣言する

クライドは5歳で高熱を出して亡くなる
カムファットも同じジフテリヤにかかり、偶然手に入った新しい抗毒素で治る

また娘フェイスが生まれ、キャリーは産褥熱にかかり
王アマの作った薬草のかゆで一命をとりとめる

1900年 北清事変
白人の集団が殺されたニュースが流れる
キャリーは2人の娘を連れて上海の下宿屋に移る
西欧諸国は中国に軍隊を向けた

王アマもコレラにかかり、キャリーは子どもを隔離して看病して命を助けた

また10年が過ぎて、1年間の休暇をもらう
カムファットらは初めて故国を見て驚嘆する

エドウィンはアメリカで学び、21歳の青年になる
生きている間に彼に会うのはあと一度か二度くらいだろう

1905年 大飢饉で死体が転がり、キャリーはたくさんのお米をたいて皆に配った
悲惨な光景を見て、カムファットは神経衰弱になり、しばらく転地する
アンドルーは伝道の旅を続け、時々休むために家に戻った

エドウィンはアメリカで結婚し、初孫も生まれる

7年が過ぎ、1年の休暇を得て帰るも、父は亡くなっていた
アメリカはもう心の中、思い出の中にしかなかった

カムファットをアメリカの学校に入れて、フェイスだけを連れて中国に戻る
中国では革命が勃発、すべてのアメリカ人は上海に引き上げるよう言われるが残った

弁髪廃止令が出て、兵士たちは奴隷身分のしるしである弁髪を切り取った

60歳になったキャリーは熱帯病で倒れ、食餌療法を徹底する

キャリー:
わたしゃ死なないことに決めたよ
一生他人のために働いてきたけど、今度は利己的になってやるんだ

8年が経ち、アメリカにはアンドルーとフェイスだけが行った
兄コニーリアスが亡くなり、キャリーの思い描く古き良きアメリカはなくなっていた
キャリー:私はアメリカのためにもういっぺん生きたいわ

フェイスが見舞いに来た時、キャリーは流行りのチューインガムを噛んで見せた
キャリー:私の魂は平気なんだと覚えておいて 私は怖くないよ

キャリーは眠っているうちに亡くなった
母はアメリカそのものだった




解説
本書は人名を除いて、きわめて正確な伝記小説
パール・バックの前半生も描かれている

パール・バックの生まれた頃から、中国では数々の事件が起きた
1894年 日清戦争
1900年 義和団の乱
1912年 辛亥革命

本書と同年に、父の生涯を描いた『戦える使徒』も出版された

パール・バック年譜
1892年 ウエスト・バージニヤ生まれ
25歳 ロッシング・バックと結婚
43歳 女性が小説家であることに反対していたバックと離婚
出版社社長リチャード・ウォルシュと再婚

57歳 アメリカ人と東洋人の混血児収容施設を設立し、十数人の混血児を引き取る
80歳で死去


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