メランコリア

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ジュニア版世界の文学 5 初恋 イヴァン・セルゲーヴィチ・ツルゲーネフ/著 金の星社

2024-08-31 14:12:55 | 
1967年初版 1990年 第27刷 米川正夫/訳 松井行正/挿絵

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ツルゲーネフの自伝的小説
最初に父親が離れを訪れた時から怪しいなと思った

ヒロインがどんな女性か想像して、ドミニク・サンダはピッタリだと思った





『あすなろ物語』(1955年) - 堀川弘通監督(原作は井上靖で久我美子が出る第3部は『初恋』の翻案)
『初恋(ファースト・ラブ)』(1970年) - マクシミリアン・シェル監督 ドミニク・サンダ主演
『LOVER'S PRAYER―はつ恋』(2000年) - リヴァージ・アンセルモ監督 キルスティン・ダンスト主演


「片恋」
アーシャにしかない個性に惹きつけられたのに
結婚したら、当時の一般的女性同様に服従させることが出来ないだろうし
社交の教養がないことも天秤にしたはずで
アーシャから身を預けて来た瞬間に告白できなかったことを
彼女が兄に話したせいにしたりして
どうにもハッキリしない

結局手に入らなかったために、その後もずっと思い出に残ってるんだな
そのまま結婚していたら、なにかしら不満が募っていたかもしれないし


【内容抜粋メモ】

初恋
ヴラジーミル・ペトローヴィッチは16歳の初恋を語る

隣りにザセーキナ公爵夫人、娘ジーノチカ(21歳)が越してくる
公爵夫人はトラブルを抱えていて、母にセルギイ公爵にとりなしてくれとしつこく頼む

ウラジミールが招待されて行くと、ジーノチカは5人の崇拝者に囲まれている
マレーフスキイ伯爵、医師のルーシン、詩人マイダーノフ、予備大尉ニルマーツキイ、軽騎兵ペロヴゾーロフ

当たりクジを引いたらジーノチカの手にキスする遊びや
ピアノを弾いたり、踊ったりして過ごし、ウラジミールもジーノチカに恋をする







父はその夜のことを詳しく聞く

ジーノチカは誰かに恋している様子
“恋せでやまぬ性なれば”

“ああ、どうしよう! 彼女は恋におちた! けれども、誰と?!”







ルーシン:どうして君のような賢い人が鼻先で起きていることに気づかないんでしょう?

父:
できるだけのものを自分で取れ
自分が自分自身のものになるということ
そこに人生の一切の妙味があるのだ


年上の母は父と言い争うようになる
母はジーノチカを“男たらし”と侮辱する

ウラジミールは尊敬する父とジーノチカが一緒に馬で散歩しているのを見る
ジーノチカは次第にウラジミールを避けるようになる
ジーノチカ:友だちになりましょう







みんなで集まった際、ジーノチカは
噴水のそばに愛する人がただずむという作り話を聞かせる

何を暗示したのかと考えて、庭を見張っていると父が来た
ウラジミール:なぜあなたは僕をおもちゃにしたのです
ジーノチカ:私、あなたを愛していますわ

母は父の不実を責め、ジーノチカとの交際をなじる

“これこそ恋、情欲 ほんとうの愛着なのだ”

ウラジミール:僕は自分の生涯の終わりまであなたを崇拝します

その後、父がジーノチカと再会し、言葉を交わすのを見る
父は彼女にムチを当てた







父は42歳で急死した
父からの手紙:わが子よ! 女の愛を恐れよ この幸福を、この毒を恐れよ

4年後、マイダーノフと再会し、ジーノチカがドーリスキイと結婚したと聞く
数週間後に訪ねると、お産で亡くなったと知る



片恋
25歳のN 温泉場で知り合った若い未亡人から受けた痛手に苦しんでいた
L町で“コムメルシ”(大学生の組合で催す盛大な宴会)の音楽が聞こえてきて、ふらっと立ち寄り
ガーギンという青年と妹アーシャと知り合う

ガーギンと意気投合して、毎日のように会い
アーシャの異質な言動に惹かれていく
N:あれは、あの男の妹じゃない







ある日、アーシャがガーギンに泣いて訴えているところを垣間見る
アーシャ:ただあんた一人だけ好きでいたいわ

Nは頭を冷やすために1人で登山に出かける

ガーギンはアーシャの生い立ちを打ち明ける
ガーギンの実母は早く亡くなり、伯父に引き取られた

父は死の床で、妹を形見に残していくと言って亡くなる
アーシャは母の小間使いタチヤナとの子で、タチヤナが亡き後に引き取られた

20歳のガーギンは13歳のアーシャを扱いきれず、一緒に外国旅行に出た
ガーギン:いきなり生涯兄だけが好きだと誓って泣くんです







アーシャから礼拝堂で会いたいと手紙をもらう

ガーギンはアーシャの様子が心配でNに相談に来る
明日、発つが、Nはアーシャの気持ちに応えられるか問う
ガーギン:あなたはアーシャと結婚なさらないでしょう

Nもあんな気性の娘と結婚できるはずがないと決めつけるが
フラウ・ルイゼの部屋でアーシャに会い、身も心も任せきっている様子に感動する
N:どうか後生です やめてください

アーシャはそのまま出て行き、行方不明になり、ガーギンと必死に探している間に
激しい後悔、哀憐、愛情を感じるが、兄妹は発った後だった

ガーギンから探さないでくれという手紙を受け取る
アーシャからの手紙には「僕はあなたを愛している」とひと言言ってほしかったと書いてある



あいびき 『猟人日記』から
犬を散歩させて、木陰で眠っていたら
若い百姓娘が誰かを待っているのを見る

やって来たのは小生意気な地主の従僕で
やたらと気取り散らかしている







ビクトル:
俺たちは明日発つんだぜ
お願いだから泣くのはよしてくれ

アクリーナ:お別れになにかひと言優しい言葉をかけてくれてもいいじゃないの

男が行ってしまい、激しく泣いている娘に同情して
そばに駆け寄ろうとすると、驚いて逃げていってしまった



狼 『猟人日記』から
競争馬車に乗って、猟からの帰り道で、ひどい雷雨に遭い
厳しいことで有名な森の番人フォマー(あだ名は狼)の小屋に案内される

小屋は貧しく、12歳くらいの娘と2人暮らし
聞くと、妻は娘と赤ん坊を捨てて、旅商人と駆け落ちしたと言う







森の中で木を盗んでいた極貧の百姓を帯で縛って小屋に連れて来る

百姓:
かんべんしてくんろ 貧ゆえの盗みだ
お屋敷の番頭がいじめて丸裸にされちまったんだ
血も涙もない鬼畜生! たたき殺せ どっちみち同じこった

私も放してやるよう言い、フォマーは百姓を逃がしてやる



音がする! 『猟人日記』から
猟の最中に弾がないことに気づき、トゥラ町まで取りに行くのに
フィロフェイという百姓の馬を3頭借りて出発する

ロシアらしい見事な景観の聖エゴリの原を行く
フィロフェイ:死ぬのがバカらしいくれえ、いい世の中でさ

そのうち、後ろから鈴を鳴らしながら空の馬車が来る音がする
フィロフェイ:音がする! この辺にゃ人の住み家はない

なんとか逃げようとするが、追いつかれ、観念する









6人の男は酒盛りの帰りで、迎え酒の金を恵んでほしいと言うので
銀貨2ルーブリ出すと、それ以上は盗らずに行ってしまう
命拾いして、先に進むと、その金で男たちが飲んでいるのを見る

弾を買って、もとの村に帰ると、同じ街道筋で商人が追いはぎにあって殺されたと知る
さっき会った男たちの“祝言の帰り”と言ったのはこの事件ではないかと疑う



解説






イヴァン・セルゲーヴィチ・ツルゲーネフ
ロシアの有名な詩人、小説家
生家は農奴数千人を持つ大貴族だったが
ツルゲーネフは農奴制度に反対した

これがロシア社会に大きな反響を呼び
当時の皇太子アレクサンドル二世は農奴解放令を公布した

『猟人日記』は、島崎藤村『千曲川のスケッチ』、国木田独歩『武蔵野』の手本にもなった


母ヴァルヴァーラは、生まれつき醜く、孤児で、継父や伯父に冷たい仕打ちを受けていた
伯父が急死し、財産家となり、美男子セルゲーイと結婚し、ツルゲーネフを産んだ

ツルゲーネフ16歳の時、父が急死すると、母は農奴や召使いに対して女王のようにふるまった

ツルゲーネフはフランスを第二の故郷とした
フランスの歌劇歌手ヴィアルドと知り合い、夫人に愛情を捧げ、独身を守った





コメント

映画『女の勲章』

2024-08-31 13:44:29 | 映画
監督:吉村公三郎 原作:山崎豊子

出演
京マチ子:大庭式子
田宮二郎:八代銀四郎 マネージャー
若尾文子:津川倫子
叶順子:坪田かつ美
中村玉緒:大木富枝

細川ちか子:大原京子
村田知栄子:安田兼子
日高澄子:伊東歌子
内藤武敏:野本敬太 販売宣伝課
船越英二:曽根英生 新聞社

森雅之:白石教授
三津田健:大原泰造
ほか



KADOKAWAチャンネルより

森雅之さんと京マチ子の共演というと『羅生門』を思い出すなあ
ほかにもたくさん共演作がありそうだ

ベビーフェイスな中村玉緒さんが、計算高いセリフが小気味よくて可愛かった
関西弁が一番自然だし


「森雅之さん出演作まとめ」に追加します


【内容抜粋メモ】
おどろおどろしい音響+陰影をつけた裸の女性が宝石をつけているオープニング

大庭式子は日輪をかたどった紋章の洋裁学校を大阪に建てる
助手の女3人はやり手のマネージャー八代銀四郎が気にくわない







聖和服飾学院開校式
花嫁学校ではなく、教養を身に着ける所だとスピーチする大庭式子

関西デザイナー協会
新たなファッションショーの運営を選挙して安田兼子に決まる
伊東歌子が意見して場の空気が悪くなる

ファッションショーで提携の協賛が必要
リンコは恋人の野本敬太に頼む







ミツワで生地選び
ノモト:今朝、ほかの協賛が分かって申し訳ない
ギンシロウ:芝居とちゃいまっか?







ギンシロウは新聞社の友だち・曽根英生に協力を頼む
弟子でもデザイナーの卵だから気をつけるようシキコに注意する
ミツワに話をつけてくれとヒデオに頼んで決めてもらい安心するシキコ








ファッションショー
裏ではモデルとデザイナーがバタバタの大混乱!

シキコのデザインは大胆でモダン
ソネ:写真を撮らせてほしい
ギンシロウがマスコミを大勢連れて来て新聞に載せる

ギンシロウ:次の手を打つ 学校の楽長だす

38度で暑いって、今だけじゃないんだな

霧の中、散歩に出る3人 リンコだけ違う道に入る
ギンシロウは無理やりシキコにキスを迫る

夜、ギンシロウはシキコに迫る








翌日、ギンシロウはリンコとも関係を持つ

ギンシロウはシキコの家にも寄り、儲け話を喋りまくる
ギンシロウ:多角経営にしていかないと

洋裁用品の教材販売をリンコにやらせる
新しいコンパスは使いづらいと噂になる

リンコ:ギンシロウは新しい学校のことで忙しい
シキコ:そんなお金どこにある?

大坂の一等地に決めてしまったギンシロウ
2000万円かかるが学校債権を発行する
ギンシロウ:フランス文学の白石教授も協力してもらう

リンコはノモトと別れ話でもめる
タバコを買わせてる間にタクシーで逃げる
ノモト:僕は田舎者だけど、恥を知ってるよ!

大阪本校の落成開校式
安田兼子がスピーチ
白石教授:洋裁学校の理事なんて恥ずかしかったがギンシロウに頼まれたから

ギンシロウはカツミと琵琶湖までドライヴする

シキコは白石教授を訪ねる
シキコ:映画の衣装デザインを頼まれた

白石教授は妻を10年前に亡くしてばあやと2人暮らし







京都にも分校をつくると張り切るギンシロウ
カツミに分校を任せることも決める

ギンシロウのアパートにリンコが来て、シキコとの仲も疑う

ギンシロウはトミエも襲う

トミエ:
私は3番目だすか?
工場で製品として売れば儲かる







京都の分校の開校式
カツミのスピーチ

ギンシロウはトミエに工場を任せる案をシキコに通す
契約に印鑑を押して、代わりに関係を持つ
トミエ:うちは処女だった 関係はこれきり ほな、お先

パリのランベールのデザインについてトミエに任せる
ギンシロウは分校を任せる条件でリンコをノモトのもとに行かせる

ソネにも声をかける
ソネ:僕は利用されてるみたいでイヤなんだ







財布を拾い、トミエが工場長になる契約書を見つける
トミエ:ギンシロウさんにもらいました うちが3番目だす

ギンシロウが戻る
シキコ:私の体が1/4だって知ったわ 別れていただく
ギンシロウ:僕は2000万円の慰謝料を請求します

パリ
白石教授と会い、ランベールの行き違いを相談する
(ユトリロの絵がかかってる!

白石教授とキスするシキコ(どうしてそうなった?

白石教授:
妻は学生と岬で情死した
その頃の僕は妻をかえりみなかった

白石教授と婚約するシキコ

ランベールショウのリハーサル

白石教授:
君とシキコさんのことを知った上で結婚する
君との仕事はランベールで最後にしてほしい

ギンシロウ:ランベールショウ、大阪の本校、京都の分校すべての土地代、費用を出せ

白石教授:
結婚は諦めましょう 自信がない
あなたがたには共通の金銭観があるようだ
住んでいる世界についていけない
負債を返してからギンシロウくんと別れることです

シキコは学校に戻り、自分のデザインした服にハサミを刺し、自死した
カツミ:ショウは私が先生に代わって成功させます

シキコの遺体に謝って泣くリンコ
トミエ:みんな1本立ちして得したけど、先生だけが損をした

新聞記者が詰めて
ギンシロウ:ランベールと対決した 美しい死に方です
ソネ:シキコさんが一番に駆けつけて欲しかったのは白石先生だ 君は人間ではない!

霊安室にギンシロウが来るのを拒むリンコら
病院内、暗すぎない? 超ホラー・・・/汗

これで終わりって悲しすぎ



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